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なんちゃって自転車旅の記録

週の真ん中あたり、ふと仕事中に
「そうだ、自転車漕ぎたい」
という欲望が頭をよぎった。

そこからの収集欲はさすがなもので、レンタサイクルの借り方を調べることから始まり、きっとマップをたくさん見ることになるから充電の減りが早いだろう、ということまで見越してiPhoneのバッテリー交換の予約まで済ませたのが金曜日の夜。気温もそこまで高くなくうっすらと雲がかかった空模様の土曜日、朝9時に家を出発した。

乗り換え間違えた

さっそく小さくやらかす。レンタサイクルの拠点がある駅に向かっていたはずが、ぼーっとしてるうちに終点まで連れて行かれてしまっていたので慌てて折り返しの電車に乗り込む。タイムロス20分。しっかり者に見られがちの私だが、ここぞというときになにしてるん?くらいのやらかしをたまにおかす。でもこの日の私はこんなイレギュラーをもまるっと飲み込んじゃうくらいの謎の余裕があった。レンタサイクルは無事、別の拠点で借りることができた。

購入から今年で5年目を迎えた赤いiPhoneのバッテリー交換を済ませたところで次の目的地へ。

オムライスとは?となるくらい大きなハンバーグ|洋食ふきのとう

2023年の私は「月に一度はオムライスを食べに行こう」キャンペーンを開催中なので、この日のランチも有無を言わさずオムライスを選んだ。朝ごはんを抜いてきた(意図的ではなく時間がなかったため)その体に肉汁が染み渡る。そうそう、こんなハンバーグが食べたかったんだよね、と錯覚するくらいには非常に美味しい肉塊。あれ、オムライスを食べにきたんだったよな。

なにもしない時間

流石に電動自転車とはいえど、足が少しずつ重くなってきていた。行きたい本屋さんがまだ開店時間を迎えていなかったので、近くにあった古民家カフェで小休憩を取ることに。

紫陽花を独り占め|g.fortune

あー、これまたいいお店に出会ってしまった。靴を脱いで上がった居間に心地いい間隔で並べられた机と椅子。私が座った席から他のお客さんは視界に入らず、そこには窓の外に在る小庭だけ。休憩どきに読もうかなと思って持ってきていた本を取り出すのも勿体無いくらい、ゆったりとした時間が流れていた。なにも考えずにぼーっと噛み締める時間ってやっぱりいい。

本を手に取るということ

うしろ髪をひかれつつ自転車を走らせ、5分もかからないところの本屋さんに辿り着く。かねてより訪ねてみたいと思いを馳せていた LVDB BOOKSさん。今日一番の目的地。

所狭しと並べられた本|LVDB BOOKS

なんともいえぬ絶景がそこには広がっていて、青木まりこ現象も吹っ飛ぶくらいの幸福度。うーんと唸りながら手に取った3冊についてはまた今度書けたらいいな。アルバイトで店番をしていた女の子がとっても可愛かった。

そこからさらに漕ぐこと20分。

本日6月11日をもって閉店された|スタンダードブックストア

1階のカフェを通り過ぎ階段を上がると、閉店を惜しむかのように多くのお客さんで埋め尽くされていた。その光景を見たとき、「実際に手に取って本を選びたい」という思いの人たちがこんなにもいるんだなあ、と勝手にうれしくなった。だって今は、ネットで購入ボタンをポチッとすれば家まで本を届けてくれるし、なんなら電子書籍というかさばらない読書方法もあるのに。大事なことだから何度でも言う、うれしいなあ。私は本を作っているわけでもないのになんでこんな気持ちになるんだろう。本を好きな人ならわかってくれるのかな。

その距離約15.6キロメートル

ちょうどランチのハンバーグオムライスくらいのカロリー

帰りは行けるとこまで行こうと思い、気づけば大阪・淀川を越えるギリギリのところまで来ていた。電動自転車ってすごい、無限に走れちゃう。

乳酸の溜まった足と失ったカロリーに引き換えて、私はとんでもない充実感と自己効力感を得ることができた。家から飛び出せば、こんなにもいろんな気づきと出会えるんですね。ぽつん、ぽつんとマップに「行ったところマーク」が増えていくのもスタンプラリーみたいでたくさんあると嬉しい。なにより、しばらく投稿できていなかったnoteを書くというエネルギーまで与えてくれるのだから、これ以上の喜びはないだろう。
次はどこへ行こうか。



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