読書ログ:怪談(2024.04更新)
ついった/えっくすに書き溜めていた読書ログです。
コチラは、怪談作品について。
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随時更新中……
▼ 怪談徒然草
「語り」の言葉で書かれていることが心地よい。そして〈心霊〉に対して、加門さんが受け流したり怒ったりする姿が好き。笑
最後の屋敷話、初読だったので呑気に読んでいたのですが、いまなお「後日談」があることにゾッとしました。現世ですら〈黄泉戸喫〉が在るということにも。でも、「関係者に二人も物書きが居たんだから仕方ない」は笑ってしまった。それはもう仕方ないよね……笑
2022年11月2日
▼ イギリス怪談集
13日の金曜日なので不吉そうな『イギリス怪談集』読んでます!
1本目の「霧の中での遭遇」(A・N・L・マンビー)がめちゃくちゃ好みだったのでとてもうれしい。怪談集の冒頭としてこれ以上ないと思います!!!
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「霧の中での遭遇」A・N・L・マンビー
怪談集の冒頭として最高だな……と思いました。「そのひと」が幽霊であることは判っていても、善き者か悪い者かで二転三転。望むことともたらす結果に、文字通り天国と地獄の差がある。とても余韻のある幽霊譚だと思います。
「空き家」A・ブラックウッド
イメージに違わない、ゴーストハウスストーリー。そこで起こるのは過去の殺人の再現(言ってしまえばごく単純な恋人殺し)でしかないはずなのに、それ以上に満ちる「生なき悪意」は何だ。最後の「それ」はなぜ、彼らを追ったのか。
「若者よ、口笛吹けば、われ行かん」M・R・ジェイムズ
悪魔が来たりて笛を吹く、ではなく、悪魔(のような人外の何か)を呼ぶ笛。日本ならば何が来る? 幽霊だろうか、妖怪だろうか。
「ノーフォークにて、 わが椿事」A・J・アラン
巻き戻された場所に迷い込むのと、過去の犯罪がくり返され続けるのと、どちらが恐いだろう。私は、くり返されるほうが、恐い。永劫終わらない悪夢。
「おーい、若ぇ船乗り!」A・E・コパード
豪奢な服を着ている間しか、この世に存在できない亡霊。その儚さが美しく感じるのは、きっと、彼女の哀しみを理解できていないから、だと思う。
「判事の家」ブラム・ストーカー
これはどこかで読んだぞどこだ!?
捕まるか、逃げられるかの応酬から、あまりに無慈悲な結末。判事が裁くのは悪人ではなく、彼が悪だと断じた人間だったのだろうな、なんて。
「遺言」J・S・レファニュ
地獄堕ちの連鎖。兄弟を争わせた父が、いつの間にか兄の側について、生き残った弟を恨む理不尽。強欲のはじまりはどこだったというのか。
「ヘンリとロウィーナの物語」M・P・シール
ひとは死んだ瞬間から怨霊になれる。生霊でも亡霊でもなく。
「目隠し遊び」H・R・ウェイクフィールド
光がなければ見えないヒトの目は、悪意ある闇によって簡単に目隠しされる。ヒトで遊ぶものの正体は、一体何だ。
「チャールズ・リンクワースの告白」E・F・ベンソン
医師が幽霊を信じ、教戒師が幽霊を信じない。その倒錯と、電話というギミックが、私はたまらなく好き。
「ハリー」ローズマリー・ティンパリー
見えない友達の存在は、自由の入り口か、それとも天国の入口か。養母の予感は当たったというのに。
「逝けるエドワード」リチャード・ミドルトン
亡くなった者は、逝くか逝かないか、1か0かではないのかも知れない。溶けるように少しずつ、逝けるエドワード。
「ロッホ・ギア物語」J・S・レファニュ
魔術と、亡霊と、妖怪と、悪魔とが息づく古い土地。日々、生き残るための選択を迫られる土地。
「僥倖」アルジャーノン・ブラックウッド
どうして牧師だけが、危機に晒され、そして助け出されたのか。その〈運命〉に、心底ゾッとする。
「ハマースミス「スペイン人館」事件」E&H・ヘロン
そもそも著者が「略歴不詳」という不安。
実体のある亡霊は、もはや猛獣と変わりないような印象。
「悪魔の歌声」ヴァーノン・リー
ひとは音楽では狂わない。狂わせるのは歌声。知る言語であろうとなかろうと、歌であれば、ひとは狂える。
「上段寝台」F・マリオン・クローフォード
結局、「誰」が、もしくは「何」が、上段寝台に寝ていたのかは判らない。けれども、居る。その恐怖。
「赤の間」H・G・ウェルズ
そこが恐怖で満ちる部屋だとすれば、それは生身の人間が居なければ何も起こり得ない、ということ。侑子さん( xxxHOLiC)が語るように、ヒトが観測しなければ、どんな恐怖も怪異も、意味を成さない。
「暗礁の点呼」A・クィラ=クーチ
死した太鼓叩きと、死にかけたラッパ手が、無数の海兵の魂を解放して去る……けれど、それより残るのは、太鼓叩きとラッパ手の分かちがたい絆。 どこか聖なる印象があるのは、神父さんの結びのせいだろうか。
▼ ドイツ怪談集
『イギリス怪談集』より「???」が多かった気がするのは、ひとつは宗教の入り乱れがあったこと、もうひとつは唐突な終わりが多かったことにあると思っています。判りやすかったのは「ロカルノの女乞食」と「幽霊船の話」くらいかな……。
▼「怪談撲滅委員会 」シリーズ
『怪談撲滅委員会 幽霊の正体見たり枯尾花』読みました。
隠されていることが多すぎて、澪と同じく、何が何やら状態。とりあえず雲英は違和感の塊。怪談の否定はいいけれど、霊の否定はちょっと違う。
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本棚から引っ張りだした『怪談撲滅委員会 幽霊の正体見たり枯尾花』読み返しました。
なぜか「切り離された指にネイルを施す」ことが強烈に残っていたのだけれど、その前の「チロルチョコを念仏教師に渡す」ところで、私は澪が好きになったのだなぁと思い出しました。
『怪談撲滅委員会 死人に口無し』読みました。
怪談を解放してゆく澪がとてもすき。雲英はとりあえずもっと痛い目見ろ。
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本棚から引っ張り出した『怪談撲滅委員会 死人に口無し』読み返しました。
初読時は「怪」も「幽」も未読だったので、斬新な学校怪談ものだなぁとかゆるく受け止めてたんですけど、「怪と幽」読者になってから読むと背景にある情報量にめちゃくちゃビックリしました……笑
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