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リビング学習の本当の意味

「リビング学習用に、専用の学習椅子をダイニングテーブルにセットしたほうがいいでしょうか?」

あるお客様から、そんな質問を受けました。
これはとっても深い質問だな、と感じたのであらためて「リビング学習」について考えていることをまとめておこうと思います。

「じっと座って勉強」は誰のため?

学校創設に向けて、ラーンネット・グローバルスクールというスクールで小学生達とともに時間を過ごしてきました。

他にもいくつかの学校を見学したりする中で、学習への意欲や探究心と、じっと座って勉強することの関係ってなんだろうな、と考えさせられました。

ぼくが見てきたスクールではどの子どもたちも、じっと一箇所に座って静かに勉強をしている、ということはほぼなかったのです。窓辺に腰掛けていたり、床に座っていたり、寝転がっていたり、立ったり歩いたり。もちろん机に座って勉強をしている子だっています。

それでも、子どもたちは探究心にあふれ、書物だって読書だって意欲的に取り組んでいる。

じっと座って勉強をすることと、その子自身のLearner(学習者)としてのスタンスにはまったく関係がないんです。ちゃんと椅子に座っていられるから、Learnerとして探究心にあふれ、集中力が高いわけじゃない。
じっと座って勉強をするのって、子どものためじゃなくて、大人(親、教師)が安心感(この子はちゃんと勉強しているな!)を感じたいがためなんじゃないかなと。

たしかに、子どもがちゃんと椅子に座って勉強しているとホッとするんですよね。「うんうん、ちゃんとやってるな」みたいに。

だけど、それが子どものLearnerとしての成長に関係がないのであれば、むしろ阻害してしまうようであれば不必要な習慣なんだと思うのです。

子どもとの対話の中で学習スペースを作っていく

こうした経験からも感じるのは「子どもと対話しながら、その子にとって最適な学習スペースを作っていこう」ということ。

「足がブラブラして集中できないんだよー!」
と言うのであれば、足置きを用意してあげたらいい。

「もっと静かなところで、ひとりで勉強したい!」
と自分で言うようになってから、子ども部屋や学習机を買ってあげたらいい。

親が先回りをして、せっかくすべてをキレイに整えてあげても、使う子ども側に希望や課題感がなければ、興味もない不必要なものになってしまう。
ぼくも子ども時代「親がせっかく買ってくれたから」という理由で、欲しくもない知育系のおもちゃで遊んでいた時期もありましたが、おもちゃ自体への魅力はまったく感じられませんでした。(いま、自分が親になってからも同じようなこと、娘にしちゃうときもあるんですけどねぇ)

なのである程度、ここで勉強しよう、ここでおもちゃで遊ぼう、という場所をつくったら、後は子どもたちと一緒にその空間をブラッシュアップさせていくのがいいんだろうなと思うのです。

リビング学習の意味

ぼくはリビング学習は「リビングで学習すること」ではなく「リビングのようにリラックスできる環境で学習できること」だと思っています。

だから、ダイニングテーブルに勉強しやすい環境を整えてあげる、はベースとしてあるんだけど、それだけじゃなく。

たとえばソファでやりたいときや、和室でやりたいときもあれば、洋室で寝っ転がりながらやりたいときだってあるだろうと思うのです。

そうしたときに「ちゃんとこのテーブルで勉強しなさい!」だけじゃない環境を用意してあげられるといいんだろうなと考えています。

勉強は、1箇所でやらなくちゃいけない、なんてルール、せめて家庭の中ではもう辞めにしませんか。

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今日も見に来てくれてありがとうございました。
インターンやPBL研修を経たことで、家庭内における学習環境への考え方が自分の中で軸を持ってまとまりはじめたと思います。
要不要をイメージできるようになったというか。学習環境をデザインする上ではインテリアの知識だけではなくて、教育に関しての知識も両方がいかに重要だったか、をひしひしと感じています。
書きたいことがいっぱいあるなぁ。
ぜひ、明日もまた見に来てください。

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三木智有|家事シェア研究家
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