身体拘束廃止に向けてまずなすべきことは"方針の共有"です
こんにちは、とも(@tomoaki_0324)です。
今回は「身体拘束廃止に向けてまずなすべきこと」という基本的な視点から研修資料にできる内容をお伝えしていきます。
「知らない間に身体拘束がなされていた…」
「身体拘束に対しするスタッフの知識が乏しい…」
「早急に身体拘束に対する方針を立てないといけない…」
こんな感じで日々もやもやされているリーダーに是非読んでいただきたい内容です。
高齢者虐待防止又は身体拘束廃止研修の資料として役立つ内容になっています。
ぜひ最後まで目を通してみてください。
五つの方針
「身体拘束は廃止すべき」と簡単に言えますが、決して容易ではありません。
現場の看護・ 介護スタッフだけでなく、 施設や病院全体が、 そして本人やその家族も含め全員が強い意志をもって取り組むことで実現可能となります。
そして具体的には以下の五つの方針をおさえておく必要があります。
1,トップが決意し、全員が一丸となって取り組む
施設長や病院長、そして看護・介護部長等の責任者が「身体拘束廃止」を決意し、現場をバックアップする方針を徹底することがまず重要です。
それによって現場のスタッフは不安が解消され、安心して取り組むことが可能となります。
さらに、事故やトラブルが生じた際にトップが責任を引き受ける姿勢も必要です。
一部のスタッフが廃止に向けて一生懸命取り組んでも、他のスタッフが身体拘束をするのでは、現場は混乱するだけです。
全員が一丸となって取り組むことが大切です。
施設長をトップとして、医師・看護・ 介護職員・事務職員など全部門をカバーする「身体拘束廃止委員会」を設置するなどが必要です。
このように委員会を設置することで、トップが身体拘束廃止に向けて現場をバックアップする態勢を整えることができます。
2,全員で議論し、共通の意識をもつ
身体拘束廃止には、個人それぞれの意識の問題も非常に重要になってきます。
全員が身体拘束の弊害をしっかり認識し、「どうすれば廃止できるか」をトップも含めてスタッフ間で十分に議論し、みんなで問題意識を共有していく努力が求められます。
スタッフ各々は「入所者( 利用者) 中心」という考え方が重要です。
中には委員会の参加に消極的になっている人もいるかもしれません。
しかし、そうした人も一緒に実践するよう働きかけましょう。
参加することで必ず理解は深まります。
そして、ご本人やご家族の理解も不可欠です。
特にご家族に対しては、ミーティングの機会を設け、身体拘束に対する基本的な考え方や転倒等事故の防止策や対応方針を十分説明し、理解と協力を得る必要があります。
3,身体拘束を必要としない状態の実現をめざす
まずはご利用者の心身の状態を正確にアセスメントし直し、身体拘束を必要としない状態をつくり出す方向を追求していくことが重要です。
BPSD等の問題行動がある場合も、そこには何らかの原因があります。
「その原因を探り、取り除く」という姿勢が重要です。
その際、
スタッフの行為や言葉かけは適当か
「自分の意思にそぐわない」と感じていないか
不安や孤独を感じていないか
身体的な不快や苦痛を感じていないか
身の危険を感じていないか
何らかの意思表示をしようとしていないか
を観察しましょう。
こうした原因を除去することで、問題行動が解消する方向に向かいます。
4,事故の起きない環境を整備し、柔軟な応援態勢を確保する
身体拘束の廃止には、転倒等の事故防止対策を併せて考える必要があります。
最も多いのは、転倒や転落です。
手すりをつける、足元に物を置かない、ベッドの髙さを低くする、などの工夫によって、事故はある程度防ぐことはできます。
そして、スタッフ全員で助け合える態勢づくりも重要です。
落ち着かない状態にある場合については、 日中・夜間・ 休日を含め常時スタッフが応援に入れるような、柔軟性のある態勢を確保することも必要です。
5,常に代替的な方法を考え、身体拘束するケースは極めて限定的に
身体拘束せざるを得ない場合についても、本当に代替する方法はないのかを真剣に、そして定期的に検討することが求められます。
問題の検討もなく「漫然」と拘束している場合は、直ちに拘束を辞めましょう。
解決方法が得られない場合には、外部の研究会に参加したり、相談窓口を利用し、必要な情報を入手し参考にしましょう。
介護保険指定基準上「生命又は身体を保護するため緊急やむを得ない場合」は身体拘束が認められていますが、この例外規定は極めて限定的に考えるべきで、常に身体拘束を廃止していく姿勢が必要です。
おわりに
いかがだったでしょうか。
身体拘束の廃止には、まずこの5つの方針を共有しておく必要があります。
その上で、研修会の開催や委員会の設置、ミーティングでの話合いなどを実施していくと、職員全体の意識が上がるはずです。
是非一度検討してみてください。
それではこれで終わります。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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