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認知症及び認知症ケア に関する研修【認知症の症状・認知症ケアについて】

こんにちは、とも(@tomoaki_0324)です。

介護施設で必要な【認知症及び認知症ケア に関する研修】の資料となる記事を作りました。

☑ 筆者(とも)

記事を書いている僕は、作業療法士として6年病院で勤め、その後デイサービスで管理者を4年、そして今はグループホーム・デイサービス・ヘルパーステーションの統括部長を兼務しています。

日々忙しく働かれている皆さんに少しでもお役立てできるよう、介護職に役立つ情報をシェアしていきたいと思います。

認知症という病気は、その人その人で症状や進行度が異なるため、利用者さんの状態に応じた対応が求められます。

よって認知症への理解を深めることで、ケアの質が向上し、利用者さんとの信頼関係を築くことができます。

また、適切なコミュニケーションやケアを通じて、利用者さんは安心し、穏やかに過ごしていただくことができます。

今回は認知症の症状やそのケアの方法について詳しく解説します。

是非一緒に、学んでいきましょう。

☑ この記事を読む価値

・認知症の症状について詳しく知ることができます。
・認知症ケアへの理解が深まります。
・このまま研修資料とすることもできます。

具体的な内容は、次のとおりです。


この記事は、4200字程度のボリュームでお伝えします。

それでは早速、見ていきましょう。

認知症に見られる症状

認知症の症状は大きく「中核症状」と「周辺症状」に分類されます。

中核症状

中核症状とは脳の機能低下により発生する症状のことです。

心理的なものではなく、脳の神経細胞が障害されることで起こるといわれています。

症状としては、記憶力の低下、時間や場所の認識障害、理解力や判断力の衰え、計画や実行の困難、感情のコントロールの変化などがあります。

具体的には次のとおりです。

記憶力の低下:
新しい情報を覚えられなくなる、または既に覚えたことを思い出せなくなる。

時間・場所の認識障害:
現在の日時や自分がいる場所など、基本的な状況を正しく把握できなくなる。

理解力・判断力の衰え:
考える速度が遅くなる、同時に複数のことを処理できなくなる、ちょっとした変化にも混乱しやすくなる。

計画・実行の困難:
手順を追って何かを進めることが難しくなる。

感情の変動:
急に怒り出したり、泣いたりといった予期しない感情反応を示すことがある。

周辺症状

周辺症状は、中核症状がベースとなり、本人の痛みや不安、性格や生活環境などにより引き起こされるものです。

これらの症状は「行動・心理症状(BPSD)」とも呼ばれます。

具体的な症状は「行動」と「心理症状」に分けて考えます。

【行動に関連する周辺症状】

徘徊:
特に夜間に目的なく外を歩き回ることがある。

物取られ妄想:
物を盗まれたと感じ、他人に対して不信感を抱く。

暴言・暴力:
感情を抑えきれず、攻撃的な言動や行動に出ることがある。

同じ質問を繰り返す:
短期記憶の問題から、同じ質問や行動を何度も行う。

物を集める:
必要のないものを大量に集め、捨てられなかったり、隠したりする。

【心理的な周辺症状】

幻覚や妄想:
実際にはいない人や物が見えたり、聞こえたりする(例:誰かが自分を害しようとしていると信じ込む)。

抑うつ状態:
気分が落ち込み、興味や意欲が失われる。

不安や焦燥:
根拠のない不安感に悩まされることがある。

睡眠障害:
不眠や昼間に過度に眠くなるなど、睡眠リズムの乱れが見られる。

食事の変化:
食欲が低下する、または逆に過食に陥ることがある。

認知症ケアの基本的な理念

認知症ケアは、「パーソン・センタード・ケア」のアプローチが広く浸透しています。

「パーソン・センタード・ケア」について詳しく知りたい方は、コチラの記事を参考にしてください。パーソンセンタードケアとは?認知症ケアの考え方と活用例を徹底解説:そよ風

このアプローチは、認知症を抱える人が本来持っている能力を最大限に引き出すことに加えて、その人の視点に立ったケアを実施する、といった考え方です。

この考え方は、単に支援を行うのではなく、認知症の方を一人の尊重すべき存在として捉え、その方の尊厳を守りながらケアを提供することが求められています。

ケアを実践する際には、認知症の方を「かけがえのない個人」として見なし、その人が持つ人格や個性を大切にする姿勢(尊厳を守る姿勢)が非常に重要です。

尊厳を損なわないケアを実現するためには、いくつかの側面(身体面・精神面・社会面)に注意を払う必要があります。

まず、身体面では「ケガや病気を防ぐ」「身体機能の低下を避ける」ことが大切です。

精神面においては「痛みや不安、怒りなどのネガティブな感情を抱かせない」「相手を子ども扱いしない」といった配慮が求められます。

また、社会面では「個人の権利を侵害しない」「経済的な負担や損失を防ぐ」といった観点も含め、認知症の方が社会の一員として尊重され続けることが重要です。

このように、身体的・精神的・社会的な側面にバランスよく目を向けながら、認知症の方の尊厳を守り、安心して過ごせる環境を整えることが、質の高い認知症ケアの鍵となります。

中核症状に対するケア

認知症の中核症状に対するケアは、大きく3つに分けられます。「機能の回復を目指すケア」「低下した機能を補完・支援するケア」「機能が低下しても安心できる環境づくり」です。

具体的には、次のような方法があります。

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