Windows パソコンの最低スペックは?
文部科学省のサイト内に、以下のようなページが存在していて、各種の文書が掲載されています。
来年度から本格化する「GIGA第1期」に導入されたパソコンの更新を、「GIGA第2期」どのように行うのかがまとめられているものです。
ページのタイトルにあるように、いわゆる「基金」によって補助が行われる義務教育段階の学校の端末が対象になりますが、高等学校で導入される端末にもこれらの文書の内容が影響されてくるもの、と思います。
特に、以下の文書で規定されている最低スペックが興味深い。
GIGAスクール構想の実現 学習者用コンピュータ最低スペック基準(令和6年1月30日)
https://www.mext.go.jp/content/20240201-mxt_shuukyo01-000033777_3.pdf
文部科学省の想定する端末の最低スペック
「GIGA第1期」と同様に、3OS についてそれぞれのスペックが記載されています。
参考:「GIGA第1期」の最低スペック
ちなみに、「GIGA第1期」の最低スペックは、以下のような感じでした。4年前の時点では、最低スペックとは表現されておらず、「標準仕様」と称されていました。
GIGAスクール構想の実現 標準仕様書(令和2年3月3日)
https://www.mext.go.jp/content/20200303-mxt_jogai02-000003278_407.pdf
Microsoft Windows端末
OS と CPU が変更になっているのは経年によるものとして、メインメモリについて、以下のような注釈が付されているものの、4GB → 8GB に変更になっています。
以下のような補足があるとはいえ、
これは言い換えるなら、「ブラウザ以外の用途で利用するのであれば、メインメモリは 4GB では不適切」という感じ。「Windows 11 の仕様とシステム要件 | Microsoft」によれば、Windows 11 のシステム要件としては 4GB ではあるものの、文部科学省としては実質の推奨スペックとして 8GB を指定したという感じなのでしょう。
Google Chromebook
CPU が Windows と同様に変更になっているくらいで、あまり変化がありません。
iPad
iPad の最低ストレージが変更になっていることもあって、ストレージ容量が 32GB → 64GB となっています。
「外部接続端子」の説明として
と書かれているのは、ちょっと気になる。現時点では併売されている iPad 第9世代を許容するのかしないのか、微妙な感じ。
この最低スペックから思うこと?
昨秋、Microsoft が ↓ のようなニュースリリースを出しています。
NEXT GIGA へ自治体、教員、児童生徒の「三方良し」を実現 - マイクロソフト業界別の記事
https://www.microsoft.com/ja-jp/industry/blog/microsoft-in-business/2023/10/17/giga-update-for-education/
いろいろ書いてあるものの、↓ の「GIGA Basic パソコン」「GIGA Advanced パソコン」の二種類を定義付けたことが案内されています。
この辺りは、各種のニュースサイトでも扱われ、↓ のように記事にされています。
Microsoft は ↑ の記事では、以下のように説明されているように、
と「GIGA Basic パソコン」をブランディングしたにもかかわらず、文部科学省はこの仕様のパソコンを仕様からは除外したのです。何だかキナ臭いですね…
わたし自身が一昨年 7月の時点でパソコンを購入するときでも、メインメモリは 8GB ではなく 16GB にしました。わたしが購入するパソコンと、最低スペックと称されるスペックは違うのかもしれませんが、現状の Windows パソコンで 4GB というのは、スムーズに動作するとは言い難いスペックだと思います。
そんな低スペックのパソコンを使っていたら、苦行みたいなもので、パソコンを使いたいと思わなくなってしまうような気がします。😖
文部科学省の注意書きを覆してまで、4GB な Windows パソコンを導入する学校や自治体は多くないと思います。そうなると、必然的に前回(GIGA第1期)よりも高価な端末になってしまうわけで、Windows パソコンを使っていたところは、更新を機に Windows をやめてしまうところもあるように思います…
さて、どうなるか? 来年度の下期には状況が見えてくるでしょう…