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自分の町は自分たちで綺麗にする

私が20年以上住むニューヨークは、世界中から沢山の人々が訪れる、華やかでエキサイティングな街。しかし、きらびやかなイメージの一方で、実は深刻なゴミ問題に見舞われています。路上には、ビールの缶やペットボトル、残飯、タバコの吸殻、マスク、靴や軍手など、ありとあらゆるゴミが落ちています。特にコロナ後は市の税収が減ったため、ゴミ収集などの公共サービスがカットされ、私が住んでいたエリアも、路上のごみが目立つようになりました。

そこで私は、自分が住む地域で月一回のお掃除会を立ち上げました。もともと、ニューヨークの日本人グループによる路上清掃活動に5年前から参加していたので、そのメンバーも協力してくれました。

自分の住むエリアで、小一時間のゴミ拾いをし、その後、地元のカフェ(大手チェーンではない、個人経営のお店)で、仲間たちと美味しいコーヒーを飲みながら交流する。コミュニティもきれいになる上、スモールビジネスの応援にもなるという一石二鳥の活動です。月一度ですが、日曜日の朝の早起きは気分が良く、何より、汚かったストリートがみるみるきれいになるのは気分爽快です。また、この活動を通じて信頼できる仲間もでき、いいことづくめなのです。

道行く人々の反応も様々。全く意に介さず足早に通り過ぎる人もいれば、「有難う!」「スポンサーは誰?」など、声をかけてくる人たちもいます。アメリカ人は、「素晴らしい!」と感じると、それを素直に真似て行動に移す人が多いので、私たちが掃除する姿を見て、他の人にもアクションを起こしてもらうことが、私の真の狙い。だからこちらも、ハロウィンの時にはコスチューム姿、クリスマスにはサンタ帽を被って、といった具合に楽しさを演出します。掃除後にはみんなでセルフィ―を撮り、SNSにアップします。

私たちの活動の影響かはわかりませんが、その後、路上のゴミを拾う地域住民を近所で時々見かけるようになりました。勿論、小さなグループでのお掃除がきれいにできる範囲はたかが知れています。でも、市民の一割でもこういう活動をあちこちで展開するようになれば、その成果は決して小さくはないはず。政府や自治体がニーズを満たせないのだから、市民がやるしかないし、やればよい。人任せで文句を言うのは一番簡単。でも、それでは状況は変わらない。だから自分で動くしかない。だって自分たちの町なのですから。

#未来のためにできること


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