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怒活メソッドとは②~『怒り』が起こるメカニズムと、その役割~

『怒り』が発生するメカニズム

前回の記事で、感情を成熟させるのに
怒活メソッドでは『怒り』を使うと書きました。

前回の記事はこちら。

怒活メソッドとは①
~怒りの感情を抑圧すると起こってしまう問題~
https://note.com/tomo10nov/n/n3ca9037b3958


その話をする前に、
『怒り』の感情が発生するメカニズムについて
ふれておきましょう。


そもそも『怒り』というのは、
もともとは、動物が自分や
自分の大切な存在を守るために発動する
必要不可欠な感情
です。


『怒り』のパワーのおかげで、
どんなに怖いことがあっても
人間を含む動物は、自分や自分の大切な存在を
守る力を発揮できるのです。


例えば、サバンナで考えてみましょう。
あなたは、草食動物のキリンです。


ある日、木の葉っぱを夢中で食べていたら
ライオンと出くわしてしまいました。


あなたはどんな気持ちになりますか?
そして、どんな行動に出ますか?



ライオンと出くわしたことで、
「逃げなきゃ!食べられちゃう!」という
『恐怖』が生まれるはずです。


そして、その『恐怖』のパワーを使って、
全力で一目散に逃げるでしょう。



では、もう一度、キリンになってみてください。
今度は、あなたはキリンのお母さんです。
子供と一緒にお散歩していたら、
ライオンと出くわしてしまいました。



あなたはどんな気持ちになりますか?
そして、どんな行動に出ますか?



今度は、一目散に逃げるという人は
減るのではないでしょうか。
なぜなら、あなたが一目散に逃げたら、
子供が犠牲になるのは目に見えているからです。


子供を後ろに隠して、守る。
ライオンに立ち向かう、そんなお母さんが
多いのではないかと思います。


では、感情の面ではどうでしょうか?
恐怖は感じていないのでしょうか?

もちろん、殺されかねない状況ですから
きっと恐怖でいっぱいですよね。


それでも逃げない理由。その理由はただ1つ・・・

『子供を守りたいから』


この時、キリンのお母さんは、
恐怖を怒りに変えます。


怒りのパワーをフル活用して、ライオンに立ち向かうのです。



怒りの感情が持つ役割


このように、怒りの本来の役割というのは
『自分や自分の大切な人を守ること』なのです。
恐怖を感じた時、大切な存在を守るために、
人や動物は、怒りを使って
恐怖を自分の脳の中から追い出す
のです。


『恐怖』を感じた時、
人は恐怖を自分の脳から追い出そうとします。
ですが、実は『恐怖』単体では、
脳の外に出て行くことができないと言われているのです。


では、どうやって外に出すかというと
『怒り』か『哀しみ』の感情を使って出します。
なので、『怒り』や『哀しみ』を素直に出せること、
すなわち、『感情が成熟していること』というのは
『恐怖』を脳の外に出すために、
とっても重要なことなのです。


また、怒りや哀しみなどの感情を、
正常に処理することで
人は自分自身を愛することができるようになります。




例えば、あなたが職場の人から
ひどいことをされたとしましょう。


あなたの感情が成熟しているならば、
ひどいことをされた時にまず、
「あんな事をするなんてひどい!ムカつく!!」
と怒るはずです。


怒った後
「なんでこんな事を
 されなければいけないんだろう・・・」

哀しみがあなたを襲うと思います。


「こんな不当な扱いを受けるなんて・・・」
「どうして私がこんな目にあうんだろう・・・」


この哀しみの根底には
「私はこんな扱いを受けるべきではないのに」という
自己に対する愛が眠っているのです。





ネガティブな感情を、
抑えこまず正常に処理すれば
このように、自分自身を愛する気持ちや
自己肯定感が育つ
のですが・・・



ネガティブな感情を封じ込める国、日本


ところが、ほとんどの日本人は、
怒ることや怒りの感情が悪いものだと教わります
そして、そのネガティブな感情にフタをするように教わります。
すると、以下のようなことが起こるのです。


恐怖を感じ、
怒りや哀しみを使って外に出そうとする。
でも、それを周りの人にとがめられ、
押さえつけようとし、自分の中に戻す。


頃合いを見て、また恐怖は怒りや哀しみに変わって出て行こうとする。
でも、また押さえつけられる。


そんなことを、しばらく繰り返していくうちに
その恐怖は脳の外に出て行くことを諦め、
顕在意識から潜在意識の中に移動する
と言われています。




ということは、ネガティブな感情を抑圧し続けると
あなたの潜在意識には、
どんどん『恐怖』が貯まっていく・・・

そして、あなたの人生を
どんどん生きづらくさせてしまう・・・
という、恐ろしいことが起こってしまうのです。


その結果、現代の日本人は
いったいどうなっているでしょうか?


2020年度に実施された、
国連の世界幸福度ランキングにおいて
日本は先進国として豊かな国だと言われているにもかかわらず
全153もの国・地域の中で
62位
という結果に終わっています。
(2019年度より4位後退)


出展:World Happiness Report 2020
https://worldhappiness.report/ed/2020/social-environments-for-world-happiness/


また、自己肯定感の調査でも、
日本の若者は諸外国に比べて
自分を肯定できない人の割合が
非常に高い
ことがわかっています。


出展:日本を含めた7カ国の満13~29歳の若者を対象とした意識調査
(我が国と諸外国の若者の意識に関する調査(平成25年度))
https://www8.cao.go.jp/youth/whitepaper/h26gaiyou/tokushu.html
対象国:アメリカ・イギリス・ドイツ・フランス・スウェーデン・韓国・日本


『自分自身に満足している』
『自分には長所がある』
『将来への希望』
『うまくいくかわからないことに対し意欲的に取り組む』
『家族といるときの充実感』
『友人関係への満足度』
『学校生活への満足度』
『職場への満足度』
という項目はそろって最下位。


反対に
『つまらない、やる気が出ないと感じた』
『ゆううつだと感じた』
という項目では、トップに立っています。

もちろん、これらの結果が、
ネガティブ感情を抑えこむ国民性によるものと
断言はできません。


しかし、感情が成熟していない人が
増えていることが
自己肯定感を下げ、夢や希望をなくし、
無気力になっている人が増加している
原因の1つになっていると思えてならないのです。


感情を抑圧することは、とても不健康なことです。
日本では、喜怒哀楽の喜と楽は出してOKなのに、
怒と哀は出すなと言われることが多いですよね。
そして、愛は出せと言われる。


イヤイヤイヤイヤイヤイヤ。


それ、無理ですから!!
生理現象である感情の一部を押しつぶしたら
他の感情もつぶれます。


そして結果的に『愛』もつぶれてしまうのです。
こんな悲しいこと、ないですよね。


私たちは、怒活メソッドを通して
より多くの方々の感情を成熟させるお手伝いをしたいと思っています。
そして、微力ながら、
1人1人がありのままで生きられる社会に変えていきたいのです。


もし、あなたがこの記事を読んで
怒活メソッドに少しでも興味を持ってくだされば
こんな嬉しいことはありません。


次の記事では、
あなたの感情が成熟しているかどうかをチェックする方法と
感情の抑圧によって起こる具体的な問題、
そして、すぐ実践できる怒活メソッドの一部をお伝えします。


次の記事はこちら。

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