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料理探究家のトリセツ。

壱岐商業高校の探究の時間に呼んでいただき、高校生と向き合って座った。


以下、探究質問事項。


Q あなたを表すハッシュタグは何ですか?

A 料理人。


料理探究家じゃないんだ~と思ったあなたは、そうとう私の活動を見守ってくれている人でしょう。w

ありがとうございます。


フリーランスになってから、肩書きにはひたすらに悩んでいる。この時代なので、きっと自分の肩書きで悩む人は多いんだろうな。

おいしいなんでも屋。ウロウロ系フリーランス。コミュニテイフーディスト、コミュニケーションフーディスト、料理家、料理探究家、、だいたいなんとなくその場のノリで答えて来た。結果、料理人は一番自分に肌馴染みが良いので、高校生相手に料理人と書いた私。

今後、なんと名乗ろうかまだ悩み中、、、


料理人として、いろいろな経験や仕事をしてきて、渋谷や、吉祥寺の飲食店で料理人、店長、料理長、BARやホール、ドリンカー、阿佐ヶ谷のレストランで、アントレ、デザート、サービス、北海道のホテルで、アクティビティのカフェスタッフ、レストラン厨房スタッフ、洗い場、ベッドメーキング、バイキングスタッフ、果物やのパフェスタッフ、スパイスカレー屋の店長兼料理長などなど、飲食や宿泊に関わるたくさんのセクションに関わってきた。


その全てで、地域性やブランディングと、生き残り戦略、食材の重要性や、エンターテイメント性を吸収させていただき、器用貧乏ではあるけれど、かなり広い範囲で食の関連性の知識が深まっていった。

好奇心があって、その都度、あんまりサボらないので何とかフリーランスになっても様々な経験から拾い上げた知識のおかげで生活できている。    

出逢えた経験に多謝です。


料理探究家と名乗ったのは、わたしが日々何かを探究していることには間違いがなく、興味の範囲が広すぎるので、料理に関連することを探究している人。ということにしていくか。という落としどころでした。

そして、40歳を迎え、自分の取扱い説明書を増やして行った結果、よくわかっているのは、常に少しなにか挑戦をしていることと、発見していること、美しさに触れていること、をしていないと”うつ”気味になってしまうということである。


この感覚に、私は”退屈”と名づけている。
(一般の退屈とは、すこし違うかもしれない)

”退屈”をそのままにしておくと、本気で”虚無感''がやってきて、動けなくなる事が人生で何度かあった。



坂口恭平さんという、芸術家がいる。

わたしは昔から芸術に興味があり、日頃定期的に美術館や博物館に通っている。

東京に住んでいた頃は、休日に行けるだけの箇所芸術に触れる場所に行って、映画を一本見るというルーテインで生きていた。料理と人と美しいものってなんだろうということと一緒に生きていた。


坂口さんのパステル画

熊本で坂口恭平さんの展示会に行った時に、''芸術がメンタルヘルスに及ぼす影響''という大学の実験がセットであって、うつ病の度合いを調べるシートに回答記入して血圧を測った後に、坂口さんの書いた絵を見てから、最初に回答記入したシートにもう一度回答、血圧を測って、芸術がメンタルヘルスに及ぼす影響を調べるものだ。


海外では、すでに、確実に良好な変化をもたらすものとして、健康的に生きるための手立てとして積極的に、公共の場で連携、取り入れられているらしい。


私の結果も、会場に居合わせた方達の結果も良好で、私が芸術に定期的に触れる機会を自分につくるのは、小さい頃画家になりたかったからであり、富美子という名前に、美が入っているから美しいものに過剰な執着をするのかとか、いろいろ考えてきたけれど、感性を磨くとともに、メンタルを整えに行っていたんだとの理解が腑に落ちた。
確かに、芸術や美しさを伴ったエンターテイメントに救われてきた。


坂口恭平さんは、建築家であり、作家であり、絵描きであり、音楽家である。

そしていのっちの電話という、死にたい気分の人を引き止める活動もしている。

不思議でユニークで普通のサラリーマンから見たら支離滅裂な活動家である。


私は、何の活動で生きていきたいかを考えたときに、自分が作り出すものが、ささやかに喜びになったり、美しかったり、美味しかったり、することで、なんかいい気分とか、なんか機嫌がよくなったり、なんかいい感じに生きていくための存在としてあったらいいなと思っている。
結構あいまいだ。料理人としての評価はなんかおいしかっただけでいい。
(いい時間だったなぁがあればもっと良いけれど)


でもとにかく自分なりに、汗をかいて、一生懸命にしか生きられないのだ。自分の生態として、前向きにあきらめている、

食をとうして得られる時間、すなわち、人生の生きている時間が、なんかいい感じな風に仕上がるために料理していたいと思う。


食事をつくり出すことは、人生の限られた時間の質を高め、また、生み出す行為だ。

それを自分なりに磨いていくことが好きなのです。


食べることは、生きることに必ず結びついている。

常に何かに挑戦していること、発見していること、美しいものに触れていること。

その3つを満たすことのできる。

料理をつくり、探究する人。

愛をもってその仕事をしていきたい。

しっかりと自分にしかできない可能性と役割を担いながら。



人にとってはくだらない、人にとっては、おもしろい、人にとっては何やってるのかよーわからん、でも、もしかしたら素晴らしい、終わりのない道。
自分で道を、風景をつくり、歩んで行く、確かな感覚。

自分で人生を掴んでいる感覚。

飛び込んでくる出来事を楽しみ、自分で自分の道を決める。

それで、それだけでいいんです。


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