三菱の至宝展〜今は器の中に小宇宙を楽しむ〜
2021年7月11日、アメリカの民間企業のヴァージン・ギャラクティック社が宇宙空間に到達しました。また7月20日には同じくアメリカのブルーオリジン社の宇宙船が宇宙空間に飛び立つそう。宇宙旅行が急に現実化してきました。
今はそれぞれの会社の試運転といった感じですが、2022年度からはいよいよ民間人も宇宙に飛び立てるそうです。
費用はヴァージン・ギャラクティック社で20万ドル〜(約2200万円〜)(ブルーオリジン社は未公開)ということで、まだまだ手の届く範囲にはないですが、私たちの孫世代では、「夏休みの旅行に宇宙行ってきたぜ!」とった会話が繰り広げられるんですかね。
テクノロジーの飛躍的な進化によって「いつか見た未来」が手の届く時代になってきました。私が生きている間に、スモールライトくらいは開発されるかな?楽しみです。
さて今日はそんな話もある中で、三菱一号美術館で開催されている「三菱の至宝展」に行ってきたのでご紹介。
三菱の至宝展とは
三菱の至宝展とは、三菱創業150周年を記念して開催されたもので、三菱創業の岩崎家四代(岩崎彌太郎、岩崎彌之助、岩崎久彌、岩崎小彌太)が集めた国宝12点を含む名品が見られます。
名品が見られるだけでなく、なぜ彼らが名品を集めたのかといった背景まで知れるのが面白いところ。
解説によると彼らは「日本の芸術の文化の研究・発展のため」に収集を行なったということ。
展覧会の品々は、軽視されがちであった東洋固有の文化財を愛惜した岩崎彌之助、小彌太親子が集めた品々を貯蔵する静嘉堂や、岩崎久彌が日本を含めた東洋全域の品々をコレクションをしたアジア最大級の東洋学研究図書館である東洋文庫の両館から出展されています。
奇跡の茶碗「曜変天目」の中に小宇宙を見た
展覧会は、岩崎彌之助、久彌、小彌太それぞれが集め残した品々で構成されており、千利休、司馬遷、マルコ・ポーロ、紫式部など世界史や日本史の教科書で見てきた作品の目白押し。
書物や陶磁器の名品だけでなく、古地図、図鑑までさまざまな品が展示されており、その時代(明治〜大正)の時代の教養や感性などが感じとることができとても興味深かったです。
その中でも一番印象に残ったのが、完品は世界に三品しか残っておらず奇跡の茶碗と言われる曜変天目(ようへんてんもく)。
青く小さな器の内側には、縁取られた気泡のようなものが輝きを持って閉じ込められており、私はその器の中に小さな宇宙を感じました。
曜変天目だけでなく、展覧会の作品全てが「普遍的なもの」で、今も色褪せることなく存在しているところに、「文化の研究•発展」を目指した岩崎家の志を感じ感慨深い気持ちになりました。
終わりに
テクノロジーの進化により、宇宙旅行が現実に迫ってきた現代。時代は目まぐるしく変わります。
そんな今だからこそ、岩崎家が残した「普遍的なもの」に触れ、少し立ち止まってみるのも大切だなと感じました。
さて我々は何のために進化していくのでしょうか・・?
それではまた明日。
三菱の至宝展
2021年6月30日〜2021年9月12日まで三菱一号美術館にて開催
https://mimt.jp/kokuhou12/