本音で生きる人の言葉は、あっという間に心をつかみにくる
書く仕事をたのしく続けるMarbleコミュニティのイベントで、エッセイスト、旅行ライターの中村洋太さんのお話を聞きました。コミュニティメンバーからの質問に中村さんが答える形式です。
告知からずーーーーっと楽しみで仕方がなかったこちらのイベント。
というのも少し前に海外旅行をしてから旅行の話題に敏感なんですよね。
確かにYouTubeやブログを見たり、ツアー会社の旅行プランを見たりするのも楽しい。でもやっぱり、トラベラーから直接話を聞ける楽しさは別格だと思いました。
スタバで静かにアウトプット、旅でアクティブにインプット
中村さんの経歴を見ると、365日ずっと旅行しているイメージでした。しかし実際は、スタバで執筆などをしている時間が多いそうです。
これはアーティストと似ているなと思いました。ライブをする時間よりも、スタジオにこもって楽曲制作している時間のほうが多い、みたいな。
アウトプットで意識していることは、やはり読者目線だそうです。そして一流に触れること。
かつ、仕事として執筆する時は、クライアントのニーズを汲み取るのが大切だとおっしゃっていました。よく聞く内容ではありますが、これを徹底できているからこそ、仕事の継続発注につながっているのだなと思いました。
ちなみに、読者目線を意識していれば、自分語りもOKとのこと。逆に、発信するのであれば、仕事かプライベートかにかかわらず、自分しかわからないような書き方はよくないです。
総合して「内輪ネタ」と表現されていたのが印象的でした。身内だけがわかる内容も、自分だけがわかる内容も、確かに「内輪ネタ」ですもんね。
もともとは本音が言えない性格だった
高学歴、海外添乗員の経験、大手メディアでの執筆など、一見キラキラした経歴の中村さん。しかし、10~20代の頃は迎合しがちな性格だったそう。本音がなかなか言えず、人の誘いを断れないなど悩んでいたんですね。
それを解決しようと、心理学の本を読んだり、書いている内容を実践したりしていきました。完璧主義をゆるめるようにしていったんですね。
また、大学生のときに自転車で旅したことをブログで発信し、全く知らない人から応援されるという経験もしました。自分がやりたいことをやって人に喜ばれる経験は、中村さんの理想の生き方の原点となったそうです。
なぜ、理想を実現し続けられているのか
中村さんは自己改革を経て、今では「本音で生きる」ことを軸にしています。
とはいえ、理想を実現し続けるには、日々の努力が欠かせないはず。
中村さんの場合、日頃から自分と向き合うことを大切にしているそうです。日々の生活のなかできっかけを得たら、その都度自分と向き合うのですね。
例えば、なんだか不安で夜目覚めたとき、自分は本当はなにがしたいか?を問います。そして「行動」にうつします。旅をしてブログを書きたいのにお金がない、ならばクラウンドファンディングをやろう、と実際に支援金を募ったように。
この「行動」が、理想を実現し続けられるかどうかの分かれ道だと感じました。
「やりたいこと」って、机でウンウンうなっても出てこないイメージがありませんか?中村さんも、ランニングやお風呂の時間などにアイデアが浮かびやすいとおっしゃっていました。
インプット(=旅行)のための体力をつける目的で続けているランニングに、こういった効果もあるのですね。脳を休めたり、血流を良くしたりすることはやっぱり大切だな~と共感。
ちなみに、自己投資は早い方がいいと考えているそう。お金は稼げばいいけど、時間や体力はどんどんなくなっていくからです。
確かに30代に入ったあたりから、同年代の健康状態に差が出ていると感じます。貯金を病院に使うのか、旅行に使うのか……私は後者であり続けたいですね。
「旅」と「書くこと」についてのQ&A
今回のイベントでは、「旅」と「書くこと」についてのQ&Aも多くありました。その中から2つご紹介します。
1つ目は、旅行の記事は切り口が多くて悩むというもの。
中村さんは「記録」「作品」のどちらで書くかを決めているそうです。「作品」の場合、「記録」をベースにしつつも、テーマや取捨選択や編集をふんだんにします。
また、出来事だけ書くのではなく、感情を一緒に書くほうが価値があると思うとおっしゃっていました。
2つ目は、過去の旅をいまさら発信していいものか……というお悩みでした。
これに対しては、「愚問です、発信していいと思います」とのこと。最新の情報にだけ価値があるのだとすると、ガイドブックだけ存在すればいいということになりませんか、とおっしゃっていてドキッとしましたね。そういえば私も似たようなことを考えていたな……と。
中村さんが例に出していたのが、30年以上前に出版された『台湾紀行』(司馬遼太郎)。最新の観光スポットは載っていないけれど、国民性や文化など今も変わらないものを知れるとおっしゃっていました。
歴史を学ぶことと似ていると思いましたね。この道を◯◯が通ったのかと思うと、もうただの道には見えなくなる、というような。
イタリアに行った時「漫画に出てきたイタリア人と、実際のイタリア人が、同じ言葉遣いをしている!!」と感動したことを思い出しました。こんなに人懐こい喋り方をするのかな?と思っていたら、本当にそうだったんですよね。
まとめ
お話を聞いていて終始「本音で生きている、心と体が一致している人」という印象を持ちました。心身の乖離に悩む人は多いと思うので、貴重な存在だなと。
単に旅について語っているだけでなく、自分との向き合い方やなども含め、受け手を想像しながら発信している。だからこそ応援する人が多いのだと感じました。
中村さんご自身も今回のイベントについてnoteを書かれています。ぜひご覧ください!
Marbleコミュニティが気になるという方は、こちらものぞいてみてくださいね!