松柏美術館
そうだ、京都・・・
は、混んでそうだから奈良行こう!!
というわけで奈良プチ旅行へ。
鹿と寺と食べ物とたくさん思い出ができたのですが、
こちらでは松柏美術館の感想を。
開催中の企画展は「上村松篁 ”創造美術”結成まで」
松園さんの息子さんをフィーチャーした展示会でした。
ちなみに、松園さんの孫、松篁さんの息子である現館長・上村淳之さんは、
昨秋、文化勲章を受章したそうです。3代に渡って受賞し続けるなんて…!
ロッカーにスマホごと預けてしまったので、1枚も撮影していませんが(そもそもOKだったのかな・・・?わからず)、
そのぶん堪能できました。ちょうどお客さんも少ないタイミングだったので、文字通り味わい尽くしたなと。
松園さんは美人画のイメージですが、
息子の松篁さんは圧倒的に「動植物」。
鳥が多めでしたが、うさぎや狐、羊など、あらゆる動物が描かれていました。そこに添えられているかのような植物たちも、とっても良かった。
母親より時代が進んでいることもあるのでしょうが、色使いが鮮やかでより多色に感じました。
また、動物の画にやたら愛情を見てとれるなあと思ったのですが、どうやら、自身で飼っていたようです。
学校でニワトリを・・・くらいなら現代でもありますが、彼は狐や羊も飼っていたというのだから驚きです。
昭和初期、人間と動物が今よりもずっと近しい時代だったのかな。
駅からバスで5分。こじんまりした美術館ですが、外にも中にも庭があって、作品以外も楽しめます。
ぜひ訪れてみてください。
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<気になる作品メモ>
■松篁さん
『閑庭迎秋』:鶏の目。目で会話している。
『仙禽唳光』:鳥たちはもちろん、降り注いで地面いっぱいになっている桜の、淡い表現が好き。
『椿』:4日間で描きあげたら、「えっ、1日目の自分が描いた椿、下手ちゃう??」と、納得いかなくなってまた描いて…を繰り返した作品。そのうち〆切が来てやむなく提出したら、「おっ我ながらけっこうイイやん(意訳)」と感じたらしい。画面の9割が椿なんだけど、その下で小鳥たちが寒そうにうずくまっているのが大変かわいらしい。
『十姉妹』:10羽以上の鳥が描かれていた。家族かな。1匹だけお調子者がいて和んだ。
『水禽』:目と、羽の淡いブルーとグレーのグラデーションが大好き。
『軍鶏』:夫婦鶏か~と思いきや、雌鶏が4匹くらいの子どもを羽の中に抱えていた。宝物みたい。
『晩秋』:推しの子みたいな、青と赤と紫~みたいなグラデーション。あと、鳥の肉の赤がうっすら見える。
『春雨』:美しい。白と、金色の雨。
『早秋』:2匹の中年夫婦狐。成熟さが色と目つきに表れている。まわりの植物が小粒ながら鮮やか。からすのえんどうみたいなのと、青と黄色の丸い葉。
『春』:息吹と風を感じる深くやわらかい緑。一番好き。持って帰りたかった。ポストカード希望。
『青柿』:雨粒の色気。
■松園さん
『人形つかい』:太い線も緻密で美しい。
『美人納涼』:片方の下駄を脱いで、キセルをくわえて、左足だけ正座か何か足を曲げかけている。色気。