モチーフが決まった展覧会は個性が爆発しやすい
念願の山種美術館へ行ってきました!
実施されていた特別展は「富士と桜〜北斎の富士から土牛の桜まで〜」ということで、富士山や桜がテーマの絵画を50点近く鑑賞できました。
モチーフが決まった展覧会には意外と行ったことがなく、新鮮でした。同じモチーフだからこそ、個性がありありと伝わる。モチーフの切り取り方、見方、見せ方などが、作家によっても作品によっても違っていて面白かったです。
基本的に撮影NGだったので、5月14日までにぜひ足をお運びください!
以下、心うごいた作品たちの覚え書き。
葛飾北斎『富嶽三十六景 山下白雨』
→グラデーションが素敵。雲がかわいい。
歌川広重『東海道五十三次 川崎・六郷渡舟』
→人の動きや表情が特にかわいい。
歌川広重『東海道五十三次 原・朝之富士』
→山頂が版画の縁から飛び出たデザイン。
松尾敏男『湧雲富士』
→よーく見るとドラゴンが浮き出てくる。説明書きにもなかったので、謎解きのよう。
平福百穂『霊峰』
→前景が、ムンクみたいな力強さとぼかしだった。凝視すると富士が浮かび上がる仕様で乙な感じ。
川崎春彦『霽るる』『赤富士』
→どちらも、宇宙を感じさせる作品だった。
野口 小蘋『箱根真景図』
→屏風みたいな金色の紙に描いているんだけど、金色の活かし方が好き。点描のようなグラデーションになっている。
橋本関雪『夏日富嶽』
→爽やかでリフレッシュできる。山のむこうの街から声が聞こえる。
奥村土牛『醍醐』
→光の使い方が大好き。師匠の法事の帰りにインスピレーション湧いたっていうのも良い。
奥村土牛『吉野』
→もはやあの世を彷彿とさせる、夢のような世界。土牛さんの目には、吉野桜はあんなふうに映るんだなあ。
菱田春草『桜下美人図』
→背景の植物と、前景の人物とで、全く線が違う。人物の表情が好きだな~。植物の右下の動物、いったいなんだろう?犬でも猫でもないなにか…
東山魁夷『春静』
→兄妹の物語が浮かんできた。魁夷様の作品はいつもそうで、キャラクターと物語が浮かんでくるんだよなあ。
加山又造『夜桜』
→ロマンチ〜ック!
千住博『夜桜』
→枝を余白で表現している?からか、情報量が少なく感じて、想像の余地が多い。確かに夜桜が描かれているんだけど、抽象画のよう。