【読書感想文】滅びの前のシャングリラ - 凪良ゆう
本は基本的には文庫になるのを待ちます。
単行本は机に置いて読む必要があるので疲れやすいことと、スキマ時間に読みたいので持ち歩きづらいという点で、私にとっては文庫本が合っているなぁと感じるからです。
(それでも文庫になるのを待てない時は単行本を買うこともあります。)
『滅びの前のシャングリラ』はずっと気になってはいたものの、やはり上記の理由で今まで手に取らなかったのでした。
最近文庫になっているのを行きつけの書店で発見し、即購入しました。
凪良ゆうさんは『流浪の月』を読んだことがありました。
ありそうでなさそうでありそうなストーリーを書かれる方という印象です。(私の独断です。あしからず。)
私は心理小説が好きなので、凪良ゆうさんは好きな作家さんですね。
あらすじ
「1ヶ月後、小惑星が衝突し、地球が滅びる」と報じられた。
友樹、信士、静香がそれぞれ残された1ヶ月をどう過ごすのか。
世界が荒廃していく中、死までのカウントダウンをされながら懸命に生きる人々。
滅びゆく運命の中で、幸せについて問う。
感想
1ヶ月後に地球が滅亡すると言われて、どう生きるでしょうか。
私は常に明日死ぬかもと思って生きているわけですが、それでもどこかで明日には死なないと思って生きてもいるなと気付かされました。
友樹の友人・雪絵は大好きなアーティストのライブに行くと言って東京へ向かいますが、そういう行動を取る人は相当数いるのではないかと思います。
そして私もその一人かもしれません。
ただ、日本はこの作品に描かれているような荒れ方をするかどうかという点では疑問が残りました。
災害が起きても規律を守る日本人です。(一部では火事場泥棒などの犯罪もおこるにせよ)
地球が滅亡するとニュースで言われているからと言って、仕事を投げ出して好き勝手に生きる人はごく僅かなのではないでしょうか。
私が中学生の時、ノストラダムスの大予言が流行し人類が滅びると言われていましたが、人々は普通に暮らしていました。
あのような感じで、みんな日常を過ごすのではないでしょうか。
この作品に描かれていくような荒廃はないにしろ、登場人物たちのように幸せや愛を問い、最期の日を迎えられるといいですね。
やはりここまで没入させられるとは、ありそうでなさそうでありそうな凪良ゆうワールドだなと思います。