美しきアゲハチョウ

きれいだね
どこからともなく舞い降りてきた
アゲハチョウ
きみはこの夏を運んできてくれたアゲハチョウ
遠い子どもの頃の夏につないでくれたアゲハチョウ
きみはここで生まれて
ここで育って
やがてどこかへ旅をして
今日はふるさとに帰ってきたのかい？
羽を休めて
美しい呼吸をしている
羽を閉じたり　開いたり
朝日に照らされたきみは
まるで芸術作品みたいだ
いや、人がどうやったって再現なんて
到底できっこない美を
きみは有している
その美を自分のものにしたかったり
だれかに見せてあげたかったり
未来永劫残したかったりして
絵を描いたり写真を撮ったり
土や石を焼いたり
歌を作ったりするのは
人間のエゴだろうか
それともやさしさだろうか

きみもぼくのゴーヤが気に入ったのかい？
いつまでもここにいていいんだよ
だけどきみは　
ぼくが目を離した隙に
いなくなってしまうだろう
ぼくも一日中きみを見つめているわけにはいかないんだ
人間にもやることがたくさんあるからね

きみはやがて恋をして
次の命を抱く時
もしかしたらまたこの場所に帰ってくるかもしれない
ぼくはそんな命の移り変わりを
まるでここにずっと生えている木にでもなった気で
眺めていたいんだ

きみとぼくの命の長さはちがう
でもそのひととき
今日ぼくときみはここで出会えた

そのうれしさと
そのうつくしさを
心に刻んでおきたくて
ぼくは詩を紡いだんだ

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明日もあなたに良いことがありますように♪