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toB向けウェビナーを1年間で70回7000名集客して学んだ11の経験則

こんにちは、株式会社HERPの冨田です。

スクラム採用を実現する採用管理システム「HERP Hire」を提供しているBtoB SaaS企業でレベニューチームのマネージャーをしています。

弊社のレベニューチームは、2021年4月現在マーケティング・インサイドセールス・フィールドセールス・カスタマーサクセスの4つのファンクションから構成されています。その中のマーケティングチームでは、この1年間ウェビナー(Webセミナー)を活発に運営することで、新型コロナウイルスの流行の影響で大型の展示会やイベントの実施が困難な中でもターゲットアカウントとの接点を確保してきました。

サービスをローンチ2年目というタイミングでハウスリードもまだまだ少ない中、私の30%程度の稼働ともう1名のマーケティング担当の70%程度の稼働で月4~5回のペースで毎回100~200名の集客ができるようになりました。

今回は、2020年3月から毎回テーマの違うウェビナーを70回以上開催し、合計7000名以上を集客して学んだ経験則をシェアしたいと思います。

記事にあるような少しのコツを押さえておけば、少ない労力で多くのターゲットアカウントに良質な体験を提供できるチャネルですので、少しでもヒントになれば嬉しいです。

1. 企画の基本は「誰に?」と「何を?」

「なんか失敗だったなー」と思う企画の原因は、誰に・何を届けるためのウェビナーかがブレたときがほとんどでした。

慣れていないうちに気をつけると良いのは、「誰に?」については既存顧客の中でも特にサービスとの親和性が高いアーリーアダプターの方を強くイメージすること、「何を?」については、ウェビナーが終わった後に参加者にどんなアクションの変化を起こして欲しいかを考えることです。

企画は具体的であればあるほど、参加者としても期待値が明確なので満足度が上がりますし、意外かもしれませんが集客も伸びます。どうしても、集客の取りこぼしを恐れて広く関心に合うテーマを設定したくなる力学が働きますが、恐れずにシャープに絞るのがおすすめです。

2. 「誰に?」がマッチする企業と共催する

ウェビナーを始める目的のほとんどは、新規リードの獲得。主な集客経路である自社のハウスリストはすでに何らかの接点があるリードですので、自ずと同業他社との共催を検討することが多いと思います。

その際に、「誰に?」つまり企画のターゲット像がズレている企業とタッグを組むと誰も幸せにならない企画が出来上がります。これはユーザー視点で考えるとイメージしやすく、せっかく参加した60分のうち半分は自分とは関係のない話を聞かされるか、半分に薄まった話を聞かされることになるからです。

弊社の場合は、例えば「10~300名くらいのIT企業の採用担当・人事責任者でエンジニア採用の母集団形成に苦戦している」くらいの粒度で同じ「誰に?」を握れる企業としか共催しないようにしています。

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(この1年でもっとも満足度が高かったウェビナー。おふたりの採用への本気度合い・こだわり度合いがすごかった)

3. ユーザーや当事者に登壇してもらう

関係者が増えるとロジが複雑になるため避けたくなる気持ちはわかりますが、シンプルに自社ソリューションの説明を目的としたウェビナーでない限りユーザーや当事者に登壇してもらうことはマストと考えた方がよいです

登壇の依頼をする際には登壇者に協力するメリットがないことが気になると思いますが、メリットはほとんどなく負担はかかる前提に立ち、企画の思いに共感してもらって協力してもらう姿勢が大切です。個人として発信できる機会を欲しているビジネスパーソンは多いので、企画の趣旨に賛同できれば前向きになってもらえることがほとんどです。

登壇してもらうときのウェビナーの形式は、ライトニングトーク形式(15~20分程度の短時間でテーマについてプレゼンをしてもらう形式)かトークセッション形式(質問内容だけ事前に決めておき、フリートークで進行する形式)の二択になります。企画内容と登壇者の性格によって使い分けるのがおすすめです。

ライトニングトーク形式のメリットは、話す内容が決まっているので進行の不安が少ないことです。登壇慣れしてなかったり、すでにアウトプットがあることがわかっている登壇者との企画でおすすめです。また、登壇に合わせて資料を作成するため、個人で発信している方にとっては良い機会に感じていただけるケースがあります。デメリットは、資料作成の負担をかけることです。最後にTipsですが、プレゼンは頼んだ時間よりも長くなることがほとんどですので「10~15分で収まる内容でお願いします」と伝えておくのがおすすめです。

トークセッション形式のメリットは、準備の負担が小さいことです。役職の高い方に登壇いただく際に積極的に検討することが多いです。また、ライブ感が高いため、うまくいくと満足度が高まりやすいです。デメリットは、司会のモデレートスキルが一定必要であることです。ここでしか聞けないぶっちゃけ話を引き出しつつ、注意散漫になりやすいウェビナーの環境下で視聴者の方に「今なんの話をしているか」を常に整理し続ける力が必要です。

4. 企画者としてワクワクする・学びのあるテーマを選ぶ

持続的なウェビナー運営の鍵は、企画者自身が楽しむことです。私自身はじめたての頃は「そろそろテーマが尽きるのではないか」と不安になることが多かったのですが、株式会社ROXXの山田さんと企画会議をしているときに「登壇側がワクワクできないと続かないし、参加する人もつまらない」という主旨のことを発言されて考え方が変わりました。

今は、より採用に関して自分自身の理解を深める場所としてウェビナーを活用しています。リードが集まり、顧客に優良な情報提供ができ、業界の最先端の情報も同時に勉強ができるのがウェビナーの魅力です

5. 登壇者がシェアしたくなるバナーをつくる

集客成功の鍵は、バナーデザインです。「登壇者がシェアしたいと思えるか」が品質の基準だと思うと良いです。写真は高画質なもの複数枚もらうようにし、登壇企業のブランドカラーを使ったり、登壇者の雰囲気に合わせて作っていきましょう。

弊社には幸運にも優秀で作業が早いデザイナーがいるので、素材があれば1~2日で仕上げてくれています。自社にデザイナーがいない場合でも、フリーランスで活動されている方もたくさんいますので、副業マッチングサービスなどで見つけたり、ピンとくるクリエイティブを作っている企業を見つけたら思い切って誰に頼んでいるのか聞いてみると良いと思います。

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(個人的に気に入っているバナー。登壇企業の魅力・登壇者の魅力・参加者のメリットがバチっとはまると良いクリエイティブになります。これはタイトル長すぎた反省はあります。。)

6. 集客は2週間前から。当日の集客メールは効果があるので必ずやる

いろいろ試しましたが、2週間前から告知しておけば間違いないです(完全に経験則です)。

また、ウェビナーは参加のハードルが低いため、当日朝の集客メールは効果があります。MAツールを導入している場合は、1回目の集客メールを開封したリードにのみ当日の告知メールを送ることで関心のないリードに対しての体験毀損のリスクを少なくして集客を高めることが可能です

7. オペレーションに落とす

ウェビナーの運営に関わるタスクは細かく、社外の方が関わる内容も多いため気を抜くと詰みます。

まずは、企画の準備から事前の打ち合わせまでロジに関わる実施事項をドキュメントに落とし、どれくらいの時間がかかっているかわかるようにしましょう。

弊社の場合は、実施日を決めたらある程度自動でいつまでにどのタスクが終わっている必要があるのかを算出するシートを作って管理しています。慣れてきたら週1で30分ほど進行チェックをすれば回るようになります。

8. Zoomでやっておけば間違いない

ウェビナー用のツールは色々ありますが、Zoomのウェビナープランにしておけば間違いないです。理由は2つあります。

1つ目は、通信の安定性です。100名を超える視聴者に向けて話す際に、通信の安定性に不安があるのはかなりストレスになります。5種類ほど試しましたが、Zoomがもっとも安定性が高く不安を感じることなく進行することができました。

2つ目は、参加者・登壇者にとって慣れていることです。この1年で圧倒的市民権を得たので、ツールが不慣れなことが負荷になって離脱されるほとんどないです。ちなみに弊社で実施しているウェビナーの申し込みから参加の歩留まりは60%前後になっています。

9. 時間は長くても75分まで。本論へは5分以内で。インタラクティブな仕掛けを

ユーザー視点でのウェビナーの利点は、場所・時間を選ばず参加できることと面白くなかったときに離脱するハードルが低いことです。この2つの特徴を理解して時間配分を設計する必要があります。

・1時間以上、画面越しにひとの話を聞くのはなかなかの苦行です。企画をシャープにして基本は60分以内、長くても75分以内に収めましょう。意味のある情報であれば30分のウェビナーでも満足度は上がります。

・15分以上ひとりの人が話し続ける構成は、話している人も聞いている人も辛くなってくるので、よっぽど話がうまい方の登壇を除いて避けた方が無難です。

・最初の5分が大事です。コメント方法やウェビナーの目的の説明(期待値調整)のご案内をして場を温めることに集中し、冒頭の会社紹介が長くなったり、宣伝色が出ないように気をつけましょう。

CommentScreenslidoといった、視聴者の方とインタラクティブな仕掛けを入れると「ここでしか聞けない」ライブ感が高まり、離脱を防ぐ効果が期待できます。特に、ニコニコ動画のようにコメントが画面上を流れるCommentScreenとトークセッションの組み合わせは相性が良いのでおすすめです。

10. 司会は2人で

ウェビナーの司会者は、トークを回しつつ、コメントに目を通し、時間配分を気にしないといけないため、かなり慌ただしいです。

司会は2人体制にしておき、ひとりが進行に集中し、もう1人がコメントや時間配分を気にしながらフォローできる体制がおすすめです。コメントは副音声代わりになるので、トークの中で出てきたお役立ち情報のURLを載せたり、フリートークのサマリを投稿することで視聴者の方に飽きさせない体験をつくることができます。

11. Giveに振り切る。宣伝は宣伝と宣言する

良い情報を伝え続けれれば必ず返ってくるという原則に立つのが大切だと考えています。

企画次第ではありますが、ポジショントークは基本的に視聴者の方を冷めさせてしまうので、コンテンツ内でサービスの訴求をすることは基本的に諦めましょう。

サービスの訴求をしたいときは、ウェビナーの最後に3分程度で宣言をして紹介をし、アンケートで関心度合いを確認すれば大丈夫です。ウェビナーのメインコンテンツ内ではとにかく参加者へのGiveに振り切り、お土産となる情報を持ち帰ってもらいましょう。

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(計6回ほど実施した人気シリーズ。こちらの写真素材はめでたくSlackのスタンプになりましたw)


以上です!

継続的なウェビナーの実施は、いわゆるリードジェネレーション(見込み顧客の獲得)だけでなく、成約率や既存顧客のリテンションにも効果があり、今後のBtoB SaaSのレベニューモデルのスタンダードとなる施策のひとつだと確信しています。少しでも役に立つと嬉しいです。

最後に宣伝です。HERPでは、「一緒にHR業界を変えるサービスを作っていきたい」、「BtoB SaaS のビジネスモデルを科学し洗練させていきたい」という思いに共感してくれる仲間を探しています。興味がある方はぜひ、カジュアルにお話させてください。

ウェビナー運営について細かいご質問は、TwitterのDMを開放しておりますのでお気軽にご連絡ください。
Twitter:@tomi_dada_shin


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