この夏、私はひとつ夢を叶えてみる。 #4
こんにちは。透明愛好家のtomeiです。「透明アイテムを誰かの手元に届けられる日」を夢みている私がこの夏、ひとつ夢を叶えてみるまでの様子を綴っていきます。
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今回は、現在製作中のアクセサリーの一つ「水晶の琥珀糖シリーズ」のお話。
水晶の琥珀糖シリーズ
お菓子作りが好きなtomeiは琥珀糖が好きです。「琥珀糖」とは、煮て溶かした寒天に砂糖や水飴などの甘味を加え、固めた和菓子のことです。キラキラと光る宝石のような姿はいつも私の心をときめかせてくれます。
上の写真の水晶の琥珀糖はtomeiが一番最初に作った琥珀糖です。鉱物に見立てて、ほんのり透き通る静寂感のある佇まいがお気に入り。これをきっかけに、ルビーやサファイアなど宝石をイメージした琥珀糖をよく作ったものです。
Youtubeのチャンネルを始めた時も当初から「琥珀糖は必ず動画にまとめたいな」と思っていました。寒天が水に揺れる姿や、数日置いて乾燥させる前と後の比較、動画を通すことで、よりいっそう魅力が増すお菓子だなと思います。
そんな琥珀糖をモチーフにしたアクセサリーをこの夏に向けて作ってみました!琥珀糖部分は食べることは…できませんが(笑)本物の水晶を使って作りました。色々なお菓子がある中で琥珀糖を選んだ理由。そのきっかけは琥珀糖との出会いまでさかのぼります。
名前も知らない女の子が教えてくれたもの
琥珀糖との出会いは、ある1人の女の子と会ったことがきっかけでした。当時私は美術の大学に通っていたのですが、学内では常時、作品の展示やパフォーマンスが行われていて公演や展示のチラシを配り歩く生徒をよく見かけたものです。
その日は晴天で、あたたかな風が木々を揺らす、絵に描いたような心地の良い日だったからこそ、よく覚えているんです。散歩日和の昼下がりに学内をふらりと歩いていると、1人の女の子が声をかけてくれました。「展示をしているので、よかったら、来てください。あと、これよかったらどうぞ。」そう言って、3cm角ほどの透明な袋に入った小さな宝石のような欠片を渡してくれました。これが、初めての琥珀糖の出会いでした。
お礼を言って、受け取ったあと初めは食べ物なのかわからなくて、太陽の光に透かして「なんて綺麗なんだろう…」と思ったものです。ほのかにいい香りがして、ふと周りにいる友達が食べているのをみて「これは、食べ物なのか。」と心の中で驚きました。口に運ぶと、砂糖のシャリっとした食感と中の寒天の柔らかい食感にまた驚きました。この甘くて、美味しい宝石を味わったときの幸せな感覚は今でも忘れません。
その時は「琥珀糖」という名前すら知らなかったもので、数年の時を経て琥珀糖という名前を知った時は本当に嬉しかったんです。そして同時に、いつかの名前も知らない女の子の顔がぼんやり浮かんでは消えてゆくのです。時間が積み重なって、今では手元とシルエットくらいしか覚えていないのですが「あの時、もっと話せていたらよかったな。」と、そう思うんです。「名前も知らない女の子がくれた、名前も知らない宝石のお菓子。」そんな物語と小さな幸せな記憶がつまっている琥珀糖をアクセサリーにすることで、いつか、その女の子の元に届いたらいいなと密かに願いながら今日も作り続けています。
制作の背景
そんな水晶の琥珀糖アクセサリーを手掛けて、できあがるまでには、いろんな工夫を積み重ねました。水晶って透明感が強く出ている子もいれば、白く霧のような質感の子もいて個性が本当に豊かなんです。
原石をアクセサリーとして馴染む大きさにカットする時も苦労をしたものです。あえて整えすぎずに、自然が織りなす鉱物らしさや個性を引き立たせるような切り出し方。違うからこそ一つ一つ、向き合い方を変えながら形作っていくことを繰り返していきました。
金具についても何種類か取り寄せて、耳は痛くないかな・・。キャッチはシンプルなデザインのものにしよう・・などひとりごとを呟きながら試作する毎日を過ごしてきました。
伝えたい想い
こうしてできあがったアクセサリー。それぞれが持つ形の良さをいかしたくて、指輪は枠にぴったりと水晶をおさめていない子が多く、それもまた味として楽しんでもらえたらなと思います。ピアスやイヤリングはデザインのシンプルさを追求しました。日常使いも、華やかな装いに身を包む時も耳元に、指先にそのまま寄り添えるようにと想いを込めながら・・。
今日紹介した透明アクセサリーは7月に京都と大阪で展示と販売を予定しています。また、会場の詳細や他のアクセサリーについても今後、noteやTwitterでお知らせしますのでお楽しみに。
透明愛好家が心を込めて手がける水晶の琥珀糖シリーズ。形や風合い、色味も異なる世界でひとつだけの「寄り添う透明」があなたの元に届くことを願っています。
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