のらねこ、ゲーム作りのビジネス基盤を考えたい
“全くやったことのない新しい挑戦をする”
そういう企画で、僕は新しいビジネスの設計をしています。
同人制作を行き当たりばったりでやるんじゃなくて、ビジネスとして成立するゲーム作りってこと。
ただし、現在決まっていることはまだ2つだけ。
1つ:最終目標は、自分が作ったゲームを20人に売り上げること
2つ:魅力的なアイデアを出す能力を鍛えるためのゲームを作る
なので次は、ビジネスの基盤を作るとき、必ず決めないといけないことについて考えていきます。
いつもお読みいただきありがとうございます。
初めましての方や、久しぶりの方もとても嬉しいです。
僕は目標管理Webサービス Project Sylphius の開発・運営をしています、TOMCAT HEART の中島です。
何かがしたい。でも何もできない。何も思いつかない。
いつもそんなふうに考えがちな人に足りないのは、神がかり的なアイデアの降臨を待つことではありません。
“目標管理スキル” です。
目標が管理できないから、新しいことが何も始められないのです。
この のらねこに何ができる? では、正しい目標管理のやり方を皆さんとシェアすべく、僕自身が計画して僕自身でやってきた様々なことを、なるだけ面白く書く趣旨となっています。
現在は “のらクリエイターに何が作れる?” シリーズを連載中です。
僕自身も作ったことがない全く新しいモノづくりに、完全に0の状態から挑戦しています。
1. 新規ビジネスを作るときの5本柱
僕の場合に限らず、新規ビジネスを作るときには、考えないといけない観点が ≪5つ≫ あります。
この5つを適切に決めないと、どんな商売だって商売として成立しません。
僕はその5つを、それぞれの頭文字をとってVCSDMと呼んでいます。
(ごめんね、覚えにくいね、、、)
Value
そのビジネスの商品。または商品価値となる何か。何を売るか。Commercial
そのビジネスをどうやって宣伝するか。Sales
宣伝した結果来てくれたお客さんに、いかに買う決意をしてもらうか。Delivery
買ってくれたお客さんにどうやって商品を届けるか。Money flow
その商売のどこで、どういう形でお金をもらうか。
比較的大きな予算投資で小さな個人経営をやる場合なら、この5つは何となくふんわりでもいいかもしれません。
ですが、今回の僕のように完全なノーアイデア/ノーマネーの状態から出発する場合、これらをキッチリ作り込む必要があります。
とりわけ銀行からお金を借りたい人は、これら5つの作戦を考えたうえで、それらがちゃんと売り上げにつながることまで証明しないと融資は受けられません。
(もっとも今回はブログの記事にすることが商売の目的ですので、銀行融資は利用せず無借金経営の方向でやりますが)
まずはこのビジネスの5本柱なるものについて、だいたいの作戦方向性を考えていきます。
1. それぞれの柱のザックリした方向性
1. デリバリープランは必ず最初に!
5本柱の中で必ず最初に作るのがこれ。
デリバリープラン。
商品それ自体を作るよりも、
その商品をどうやって宣伝するかよりも、
その商品をどうやってお客さんに届けるのかを、まず最初に考えるんです。
まっさらな状態で真っ先にそんなこと考えるのって意外?
先に売るものを作ったり、どうやって宣伝するか考えた方がいいと思う?
でもよく考えてみて?
メルカリで何かを売る人ってさ、まず最初に “メルカリで売る” ことを決めてから、次に「何を売るか」と考えるでしょ?
なぜって、まず最初にメルカリで売ることを決めないと、どんな人が買うのかが決まらないから。
同じメルカリ利用者でも、個人で中古本を処分したい人は、処分したいモノが準備できてから「さてメルカリとブックオフのどっちがいいかな」って考え始めます。
けど、商売でモノを販売する人はそれだと商品が用意できません。
どんな人が買ってくれるか? それ以前にそもそも売れるのか? あるいはどうやって商品を用意するかも変わってくるからね。
今回の場合、作る商品が “ゲーム” であることだけ決まっています。
そういう状況で僕の立場でとりえる作戦は3つ。
作戦1. 本格的なカードゲームを Makuake や X で売る
あるていど綺麗な装丁のカードゲームを作って、それをSNSで宣伝して売る方法。
この場合、お金として必要になるのは “カードの印刷代” です。
本格的なカードゲームには本格的なプリンターが必要で、現状そんなものを僕は持っていないからです。
検索してみたところ、以下の会社なら僕が欲しいもの(カードと化粧箱)を全て取り扱っているようです。
プレス・トーク ダイレクト
https://www.presstalk-direct.jp/
仮に、この会社に発注するものとして予算を調べます。
カードの枚数が1セット40枚になるゲームを作ったとして、目標販売数は20セットですから、必要になるカードは800枚です。
以下の料金表を見ると、普通サイズのカードを800枚印刷する料金は ¥26,300 になる様子。
https://www.presstalk-direct.jp/product/498
ただしこの計算だと価格を ¥2,500 ~ ¥3,000 まで上げないとペイできない計算になります。
そんなに高級感のあるゲームが作れるのか?
ちょっと自信がない。。。
そこで、目標販売個数を、現状の2倍の40個に上げてみます。
1600枚を ¥32,340 で印刷するパターン。
化粧箱は、以下の料金表では40個 ¥14,240 です。
(激安キャラメルタイプと仮定)
https://www.presstalk-direct.jp/product/682
なので商品価格は ¥1,800 ~ ¥2,500 になります。
多少安くなりました。
その他に説明書なんかもいるかもだけど、そういうのはさすがに自宅印刷でいいでしょう。
カード枚数は、今のところ40枚と決まってるわけじゃなく、ゲームの設計によっても変わってくるでしょう。
だから、必要予算はだいたいザックリ “5万~10万円” くらいの感じ。
この段階では、まずだいたいザックリどれくらいになるかを考えることが大事なので、端数は全て切り上げて捨てます。
数値が上振れしなければオッケーだからね。
それから――――、、、
もう1つ超大事なこと。
そのお金をいったいどこから捻出するのか。
ぶっちゃけこれくらいなら、個人の貯金を切り崩して捻出することも可能っちゃ可能です。
けどそれだと、ホントにゲームを個人製作して終わりになる可能性があって、“新規ビジネス作りに挑戦する” という記事の執筆主旨に反してしまいます。
ですので 作戦1. を採用する場合、Makuake で予算を募集して、その宣伝を X でやるイメージとなります。
ほらね?
商品をどうやってお客さんに届けるのかを考えたら、ゲームの内容がまだ何も決まってないのに、予算感(マネープラン)がちゃんと固まりました。
だからデリバリープランを最初に考えるわけ。
作戦2. コンビニコピーゲームを X で売る
さて。
本格的なゲームを作る以外にも、僕が取りえる手段はあります。
コンビニコピーで印刷代を極限まで削減して、簡易な素人っぽい同人ゲームを作る案です。
まぁ、プレス・トークを利用したところで結局同人ゲームであること自体は変わらないからね。
だったらコンビニコピーでもいいじゃん、って考えもアリなわけ。
個人的に知る限りコンビニコピーの紙の品質はローソンが一番なので、そこでやる場合で計算します。
ゲームの販売目標は当初通りの20個として、
A4両面印刷は1枚80円 ÷ 用紙1枚で8枚のカードが取れると仮定
= 1枚10円。
カード総枚数が800枚だから、カード代は ¥8,000 になる。
化粧箱はモノタロウで無地のものを20セット ¥3,000 で買う。
パッケージはローソンのシール印刷2L版で4セット作れるとすると、
5枚×1枚250円=1250円。
商品価格は ¥1,200 といったところでしょう。
ただ、作戦1. のケースがそんなに高額じゃないため、予算の圧縮率が25%ほどにしかなりません。
しかも出来上がる商品は素人まるだしの超安っぽいゲームだからね。
商品価格を落とせる点は魅力的だけど、ゲームの出来栄えが「1200円でこれかぁ、、、」ってなりそう。
なのでこちらの 作戦2. を採用する意味は、今のところそんなにないかも。
Makuake での資金調達に失敗した場合の腹案と思っておくことにします。
作戦3. コンピューターゲームを Steam で売る
最後に、紙のカードゲームではなく、コンピューターゲームとして実装する手段も検討します。
コンピューターゲームなら印刷は不要。
また僕はプロのエンジニアなので、製造に関する不安も特にない。
仮にスタンドアロン型ゲームを Steam で売るとします。
この場合の必要予算は ¥15,000 です。(Steamの登録料)
ただコンピューターゲームとして販売する作戦をとると、大きな問題が1つあります。
それは最近のゲームはそこそこ面白いものが無料だってこと。
同人ゲームに至っては単価は ¥100 ~ ¥200 くらいなのも普通で、クオリティの低い物にそれ以上の値をつけてもまず売れません。
従って目標販売数は150人にもなってしまいます。
エンジニアとしてはよくても、商売人として状況を見たときに非常に厳しい案と言わざるをえません。
なので 作戦3. は、今のところ腹案のさらに腹案とするしかなさそう。
2. 次にバリュープランを作る
はい。デリバリープランがだいたい固まりました。
てなわけで次のステップに移ります。
次はバリュープラン。
つまり、どういう商品を売るか。つまりは商品開発のフェーズです。
ただし、商品内容は当然ながら商売のカナメであり、1日~2日でサラッと作ったものが ¥1,800 で売れるはずもありません。
しっかりと作り込む必要があるので、今回からさっそく商品開発に入ることはしません。
今日のところは開発方針だけ決めておきます。
このとき本来であれば、開発方針を決めるフェーズでは “リリース日をいつにするか” をまず最初に決めます。
リリース日を決めたうえで、「その期間までに作れる商品は?」と考えていくんです。
ですが今回の商品開発は、あくまで のらねこに何ができる? の記事執筆が目的です。
僕にとって記事の執筆は、使える作業時間に限りのある作業で、どこまでも無限には時間をとれません。
短い記事執筆時間の範囲内だけでどれだけのゲームが作れるのかのノウハウ蓄積がないため、現時点ではリリース日を決めることができません。
よってリリース日はもう少しあとになって、全体の工数が見えてから決めることにします。
今回の開発方針
なのでとりあえずこれだけ決めておきます。
知識が足りない部分は、Web検索と手持ちの本で何とかする
作業にあたって無理をしない
平日の1日あたりの作業時間上限を1時間とする
(=のらねこに何ができる? の執筆時間でできる範囲で作業をする)
集中して大きめの作業が必要になったら、土曜日の午前中に行う
開発方針を決めるときのポイントは、開発している状態を完成まで継続できるかどうかを考えること。
途中でお金が尽きないか?
精神力が尽きてしまわないか?
知識不足で開発がストップしないか?
本業の仕事が忙しくなったとき困らないか?
(複数名でやる場合)メンバーが途中で抜けたら炎上しないか?
などなど、開発が止まってしまう理由はいくらでもあります。
それらの妨害をかいくぐり、少なくとも商品の完成までは、開発作業している状態を維持し続けなければいけません。
これは、僕のように全部1人でやる場合も、メンバーと手分けする場合も同じです。
ですので開発方針として最初に考えるのは、“開発している状態を継続できる案” を出すことです。
3. コマーシャルプラン・セールスプラン
さてさて。次です。
デリバリープラン・マネープラン・バリュープランが決まりました。
次は完成したあとの宣伝のことを考えていきます。
ただし商品がまだ準備できていない状態で宣伝のことを細かく考えてもしょうがないので、この段階ではまず “マーケットドメイン” というものを確定させます。
マーケットドメインとは、“誰に売るか” を考えるってこと。
誰に売るかによって商品の内容は変わってくるからね。
これは先に考えておかないといけないのです。
とはいえ、今回のお客さんが “人を惹きつけるアイデアが出せなくて悩んでいる人” であることは前々回すでに決めてあります。
なので今回のマーケットドメインはそういう人ってことになります。
ここで考えるのは、ドメインのより細かな絞り込み。
それってどういう人?
その人は、なぜそんなことで困ってるの?
その人はどんな仕事をしてるの?
どんな暮らしをしてるの?
商品とは、お客さんを喜ばすために作るものです。
ゆえに、“どんな人なら喜んでくれるか” を考えないといけないのです。
いわゆるペルソナ。
もしくは、お客さんのビジュアルイメージ。
たとえばこんな感じ。
適当に作った設定ですが、こんな感じ。
商品開発として、僕は “この人が喜ぶように” “この人が思わず買いたくなるように” と作ればいいわけです。
逆にこういう設定がないと、僕は自分が作ってて楽しいゲームしか作れなくなるのです。
4. 今回決めたことは、いつでも見れる場所にメモっておく
はい、てなわけで、今回までで決まったことはこんな感じ。
目標
自分が作ったゲームを
20人40人に売り上げるそのために:
魅力的なアイデアを出す能力を鍛えるためのゲームを作る
売り方
プレス・トーク ダイレクトに印刷を依頼することで、本格的な仕上がりのカードゲームにする
その予算は Makuake で募集し、出資してくれた人に商品を届ける
加えて X でも宣伝し、それらの人にも買ってもらう
開発方針
知識が足りない部分は、Web検索と手持ちの本で何とかする
作業にあたって無理をしない
平日の1日あたりの作業時間上限を1時間とする
(=のらねこに何ができる? の執筆時間でできる範囲で作業をする)
集中して大きめの作業が必要になったら、土曜日の午前中に行う
対象顧客
人を惹きつける面白いアイデアを出すことができず悩んでいる人
そういう能力を鍛えたいと思ってる人
丸山丸子 30才女 ノベルティグッズの営業マン
これらの情報は、商品開発の根幹となる最重要事項となります。
なので “ふとした瞬間に目に入る場所” に掲げておくことが望ましいです。
僕の場合は、Project Sylphius のプロジェクト情報として入れておけばいいでしょう。
これらをもとに、次回から本格的に商品開発を始めていきます。
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ここまでお読みいただきありがとうございました。
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