【#8サイエンスコラム】代理出産ツーリズムとは?
精子と卵子の研究をしているRYUSEIです
今日は、海外に代理母出産を目的として渡航する”生殖ツーリズム・代理出産ツーリズム”という言葉が授業で出たので、代理母出産について調べてみました
Topic💡:代理出産ツーリズム
1.代理出産とは?
子どもを望む女性がなんらかの理由で自らの子宮を使って妊娠・出産できない場合、夫と自分の受精卵を第三者の女性の子宮に移植し、出産を依頼すること。(*コトバンク参照)
代理出産はガンなどによって子宮を摘出したり膣欠損症といった生殖器の病気を抱えている女性や、不妊症や不育症のため子宝に恵まれない女性にとっての課題を解決する選択肢です
つまり、代理出産ツーリズムは、海外で代理出産を行いにいくという意味になります
2.日本では代理母出産できる?
現行の制度上、法律違反ではないが、認められていない
正確に言うと、産婦人科学会が自主規制しています
産婦人科協会の代理母出産が認められない理由として
1)生まれてくる子の福祉を最優先するべきである
2)代理懐胎は身体的危険性・精神的負担を伴う
3)家族関係を複雑
4)代理懐胎契約は倫理的に社会全体が許容していると認められない
が言われています(*参照資料👇)
また、他に考えうる課題点としては、
・生殖補助医療には主に宗教的観点や倫理上の問題点
・出生する子の生活環境や福祉の問題
・妊娠及び出産に関わる心身のリスクを代理母が背負う
・出生する子の生活環境や福祉の問題
・母親を誰とするかという親子関係の問題
・代理母が産んだ子に対して愛情が芽生えて引き渡しを拒否するケース
・依頼した夫婦が障害などを理由に出生した子の引き取りを行わないという問題
などなど…倫理・身体的リスクなど様々な問題を含んでいます
3.代理母出産した場合に、日本の法律で起こりうる問題はあるの?
現行の法律では、卵子提供者と出生届を提出する子の母が同一人物であっても、親子関係を認定することができないのです。
つまり、代理母出産だと、精子と卵子が親のモノで、血縁上でも親子関係であるのに、書類の手続き上”親子でない”という扱いになります
過去に、裁判所で、「嫡出子とは認められるが、母子関係ではない」という判決がでたそうです
4.海外で代理母出産を行う費用と確率はどのくらいか?
相場は国ごとに異なります
アメリカでは2000万円
一番安価な東南アジアでは、200~400万円と言われていました
成功確率は、場所によって異なりますが、環境が良いとされるアメリカの中で、設備や母体や精子卵子の状態が整った状況では75~85%と言われています
5.一部の国ではビジネスとなっている
代表的な国はアメリカ・ロシアなどなど
近年ではウクライナが「世界の赤ちゃんストア」と言われているらしく、毎年2500~3000人の外国人の赤ちゃんが、代理出産で生まれている。顧客の約3割が中国人だそうです
一時期は、インドやタイなどの東南アジアがブームであったが、インド・タイは脱ビジネスを図り、2015年に外国人向けの代理母出産を禁止した。2019年に商業目的を禁止とした
代理母出産は、高額な収入を得る一つの手段であるため、法律による禁止によって職を失う人が多くでてくる現実もはらんでいるらしい
6.必要とする人がいる社会の中で、数ある課題を乗り越えていくには、多くの人が問題に向き合う必要がある
例えば、スポーツ選手
自分のキャリアを続けたい。でも高齢で卵子と母体の妊娠機能の低下がある場合。近い未来、卵子の凍結技術が向上すると、若い内に卵子を凍結保存を凍結保存する。そして、キャリアを終えて高齢期に差し掛かっていても、代理母を借りることで、より高い確率で子供を授かることができる可能性があります。つまり、必要とする人がいて、その人のキャリア選択しが広がっていく
科学技術は日々向上する中、倫理や社会の適応が徐々に追いついていない現状が広がっているように感じます。
技術の進歩や見たことのない価値観が出てきて、新しい選択肢が増えてきた時に、必要とする人がその選択肢を当たり前に選べるような社会の受容や倫理のアップデートが起きていくと、より誰もがいきやすい社会に進むのではないでしょうか?
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?みなさんは、代理母出産についてどんな考えを持ちましたか?
*まだ、科学分野の者として日が浅いため、誤りが出てくる可能性があります。もし、内容が事実と異なる場合は、教えていただけると嬉しいです。
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