ひとりカフェ[Story+image]
イソーローAIに美人画をどんどん描かせて、それでこっちも愉ませてもらうつもりだったが、飽きてしまったんだ。「ナントカは三日で飽きる」というのを実感したよ。まあ、オレの場合は、じきにまた鼻の下が伸びるだろうがな。
ということで、今回は目先を変えて、「カフェで居合わせた他人」というお題にした。たまたまそういう絵を見かけて思いついたのだが、あれはなんとも不思議な光景だ。
わからない?
そりゃあ、お前が都会で暮らしているからだ。
田舎じゃ、他人のそばであんな無防備な状態になることはない。知り合い同士ならやりとりが始まるし、他人なら意識してカタくなる。すると疲れるから、すぐに席を立つ。
都会の人だけだよ。他人同士が至近距離で無防備に過ごしているのは。田舎もんにはとても真似ができん。
嫌だといってるんじゃないぞ。どっちかというと、ひとりもんにはちょっとうらやましかったりするんだ。まあ、云ってもわからんだろうな。お前にはデリカシーというもんがないからな。
で、それだと思ったわけだ。そういうデリカシーをAIが理解できるのか、試してみたくなったんだ。
それがこれらの作品だよ。
一見すると、何の変哲もない絵で、どんな意味があるのかもわからないと思うが、喫茶店でひとりでいる客らしさが出てれば合格だ。それこそがオレの求めた画題なんだ。
どうだい? 結構、いい線行ってないか?
わからない?
お前に話したオレがバカだった。
お前なんかより、AIのほうがよほど繊細だよ!