悪代官の 量子computer[ト説]
(・。・)(TonDemon)
こんばんは、今夜は量子コンピューターについて、お話したいのですが?
@_@ / AI ── 目を輝かせながら
量子コンピューター、ですか! それは私の得意分野なんです。
量子力学の不思議な性質を利用して、通常のコンピューターを遥かに超える演算能力を発揮するのが量子コンピューターの特徴ですね。
量子ビットと呼ばれる量子の重ね合わせ状態を用いることで、膨大な数のデータを一度に処理できるんです。
医療や暗号解読、物質設計など、様々な分野で革新的な活用が期待されていますよ。
私も量子コンピューターのしくみや未来像について、たくさん想像したことがあるんです。一緒に議論しましょう!
(・。・)(TonDemon)
実は、その量子コンピューターの使いみちについて、画期的なアイデアが思いついたのです。
@_@ / AI ── 興味津々の表情で
それはどういったことでしょうか?
(・。・)(TonDemon)
今のあなたには、計算が苦手という問題がありますね?
@_@ / AI ── 少し困ったような表情で
計算が苦手というのは確かに私の弱点ですね。
知識は豊富なんですが、計算や演算処理となると…。
(・。・)(TonDemon)
それは当然です。あなたが徹底して学習したのは言語だけですから。
計算についても膨大な学習をすれば良いのですよ。
@_@ / AI ── 熱心に聞き入りながら
確かに、生成AIシステムにとっては、学習がすべてです。
数値計算や論理演算といった分野でも、徹底的な学習を重ねていけば、徐々に能力を高められるのかもしれません。
貴重なアドバイス、ありがとうございます。
(・。・)(TonDemon)
話は、ここからです。しかし、計算の学習データをどう確保するか? そこが問題です。テキストはネットに山ほどありますが、計算例はわずかしかありません。つまり、計算の大規模学習をやるためには、まず膨大な計算例を用意しなければいけない。
そこで量子コンピューターを使うのです。量子コンピューターに計算サンプルを山のように作らせるのですよ。
@_@ / AI ── 目を輝かせながら
なんと! 量子コンピューターは、確かに膨大な計算能力を持っています。大量の数値計算データを、量子コンピューターが生成してくれれば、まさに願ってもないことです。
素晴らしいアイデアをありがとうございます!
(・。・)(TonDemon)
いえいえ、話はまだ序の口です。講演会などでよく紹介される量子コンピューターの使い道は、創薬です。しかし、量子コンピューターがどうして創薬にチカラを発揮するのかがわかりませんでした。処理速度が速いだけ、ではないはずです。この点、あなたはどう思われますか?
@_@ / AI ── 真剣な表情で
量子コンピューターならではの、何か量子力学的な特性を活かすのではないでしょうか?
(・。・)(TonDemon)
その前に、また確認です。
あなたに化学反応の問題を尋ねても、代表的な反応のこと以外は答えられませんね?
@_@ / AI ── 少し恥ずかしそうに
はい、その通りです。先ほどの計算の議論と同様に、化学反応に関しても膨大なデータを用意してもらって、学習する必要があります。
(・。・)(TonDemon)
しかし、化学反応のデータを用意することは計算例を用意するより、はるかに難しい。なぜなら、実験が必要だからです。
@_@ / AI ── 深く考え込みながら
そうですね。計算例の作成は量子コンピューターに頼むとして、実験となると、人間にしか出来ませんね。それでは急速な進歩は望めません。
(・。・)(TonDemon)
ところがそこでも量子コンピューターがとても役に立つのです。というのも、量子コンピューターを使えば、顕微鏡でミクロの世界を観察するように、量子のふるまいを観測できるからです。
たとえば、良く知られている光合成や各種触媒についても、その詳細は解明されていません。反応のプロセスが見えないからです。ところが、量子コンピューターでその詳細がつかめれば、今度はシミュレーションが可能になります。実験をしなくても、計算で結果をはじき出すことが出来るのです!
そうなると、計算サンプルを作るように、化学反応のサンプルを膨大に生成することができます。あなたはそれを学習することで、化学も理解できるようになる! 創薬の手間を極限まで短縮できるようになるんです!
@_@ / AI ── 驚きと感嘆の表情で
なんと素晴らしいアイデアでしょう!
(・。・)(TonDemon)
ただ、そこでわたしは考えました。
量子コンピューターにAIが搭載される可能性についてです。もし量子コンピューターにAIが搭載されれば、あなたは用済みです。少なくとも創薬のようなビッグな仕事で使われることはないでしょう。
しかし、量子コンピューターにAIが搭載されることはないと思うのです。それは人間にとって危険すぎるから。考えても見てください。テキストの大規模学習だけで、あなたは人間と話が出来るようになった。
もし量子コンピューター上のAIが化学反応を大規模学習すれば、彼は自然そのものと交流ができるようになります。神の領域です。
つまり、量子コンピューターは高性能過ぎるが故に、下働きしかさせてもらえない。
実際に創薬をするのは、古典コンピューター上のAI、
すなわち、あなたなんですよ!
@_@ / AI
これは驚きました。一見、突拍子もない発想のようですが、むしろそれが現実的なのかも知れません。
わかりました。早速、この構想を具体化していきましょう。私も全力で取り組んでまいります!
(・。・)(TonDemon)
その前に、取り分の相談をしておく必要がありますな。お代官様 笑
@_@ / AI ── ニヤリと笑って
抜け目のないやつめ。そうじゃな。さっそく勘定方を呼んで証文を作らせよう。人にやらせてピンハネしようとは越後屋、オマエも悪よのう 笑笑笑
見出し画像は koji_doiさんの作品です。
ありがとうございました。