[Black小噺]超マル秘・推奨銘柄[幻聴ラヂヲ]
年末年始、動画サイトで映画を観ていた。印象に残ったのは全面核戦争による終末世界を描いた作品。ありがちな新世界の話ではなく、戦火を逃れた登場人物たちも、結局、死んでいくという物語。原因は放射能汚染だ。
とても商業映画とは思えない内容で、よくプロデューサーがOKしたなあというシロモノなのだが、そういう場合、院ボーロン者たちは、どっかから資金が出ていると疑う。つまり、宣伝映画だ。
何を宣伝したかったのか?
終末に備えて心の準備をさせたかったのか、それとも脅しか……
オレにわかるはずもないが、なんとなく察せられたのは、その日が近づいているということ。その気配はヒシヒシと感じられた。
そしてその後、それに呼応するような幻聴が聞えてきたのである。
例によって、どこかのヨソの星の放送らしいのだが……
今回は「ニュースを切る!」というような番組だった。
対象とされていたニュースは、不治の病に侵された患者の希望を受け入れて、医師が死なせてしまったという事件。
事件が起こったのは最近のことではないのだが、裁判がニュースになっていた。と云っても、判決が出たというのではない。裁判の途中経過が連日、報道されているのだ。まるで国相手の裁判のようである。
変な医者が変なポリシーで殺人を引き受けた…… そんな特殊な事件をどうして繰り返し報道する必要があるのか?
氷山の一角でもなければ、世間に与える影響が大きいとも思えない。だいいち、視聴率が稼げるどころかチャンネルを変えられそうな話ではないか。やはり何かウラがありそうだ。
ちなみにその星では、タダのニュースはコマーシャルだと思え! という格言があるそうである。番組に出演しているジャーナリストや評論家たちもその線に沿って議論していた。すなわち、宣伝だとすれば、いったい何を宣伝しようとしているのか? である。
「不治の病だから死なせて下さい・・・わかりました。引き受けましょう・・・ 事件は正味これだけの話なんですよ。一般の者からすれば、はぁ? という話じゃないですか。バカ云うな!で終わっちゃいますよ。そんなヘンな事件について考えるほどヒマじゃありません。
ところが、繰り返し繰り返しニュースを見せられると、次第に・・・そりゃあ不治の病でごく簡単なことも出来なくなる日が迫ってくれば、殺してくれと頼みたくもなるわな・・・と、一定の理解が芽生えてくるんですよね。狙いはそこだと思うんです。
それは殺した医師への理解ではありません。患者への同情です。しかし、その同情の行きつく先がどこかというと、『安楽死』なわけですよ」
「そのニュースをしきりに流している連中は
『安楽死』容認のタネを撒きたいんです!」
番組はそんな結論で終了した。
いささか短絡的な結論だが、放送としてはそのくらい簡潔な内容にしないと視聴者にアピールしづらいのだろう。
それだけの話なら対岸の火事だったが、はじめにも云ったように核戦争の映画を観た後だったので、背筋が寒くなった。
さいわいオレの感知するところでは、この星に全面核戦争の危機は迫っていない。が、すでに劣化ウラン弾は使用されており、戦術核は次のオプションになっている。すでに配備されている公算が高そうだ。
仮に脅し的に「一発お見舞いしてやる!」というノリであっても、その一発が撃ち込まれた地域の人にとっては「終わり」である。
あまり物騒なことは云いたくないが、先のパパデミックを思い出すと、その一発は世界に一発ではなく、世界各地にまんべんなく撃ち込まれそうではないか。戦略核でなければ、それで星が破滅することはないのだが、かなりの人が「終わる」。
ちなみに映画では、主要な登場人物が「死ねる薬」で死んでいった。終末期の苦痛を避けるためにはそれが当然のことだとでも云うように……
あ、今頃気づいたが、その映画も「安楽死・薬」の宣伝だったのか。
うーむ。ヨソの星の話とこの星の話がゴッチャになったが、「安楽死」ブームが来そうな気がしてきた。
もしあなたが、あのオオクラ大尽と話せるなら、尋ねてみるとよいだろう。「安楽死」関連の株を買いましたか? と。
何しろウワサでは、パパデミックの前にソーギ貝社の株を大量に買ってたそうだから。
まだ買っていないということなら、証券会社の人は営業に行くといい。ああいう人はきわめて察しがいい。いや、本人が応対するとマズイから有能な秘書と話をすることになるのだろう。秘書が独断で買ったことにして、事後報告を受けるのだ。
(ごにょごにょごにょ、例のアレ、これだけ買っておきました)
さて、ここで問題です!
大尽が何と返事すれば、オチになるでしょう?
1, フーン
2, ヘェー
3, マタカ
4, ア、ソ
追記 参考
安楽死が合法の国で起こっていること…「生活保護」より「安楽死」の申請のほうが簡単というカナダの事情
https://news.livedoor.com/article/detail/25696759/
児玉真美『安楽死が合法の国で起こっていること』(ちくま新書)