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clean_eel923
夕立を眺めて。
なんの前触れもなく、ふっと空が暗くなる。わずかに世界が色を失う。
風がざわめき、不安げにゆらめく。
地を裂くような雷鳴がとどろき、次の瞬間、文字通りバケツの水をひっくり返したように雨が降る。
あ、やばい。そう思っているうちに、もう雨足は弱くなっていく。そして、駆け足で雲はどこかへ去っていく。
その雨の名は、夕立。
__夕立の突然さに驚き、慌て、洗濯物を入れて窓を閉めます。
最近、そんな夕立に遭う日々が続いています。
夏ですね。
意外と、その短い時間が、僕は嫌いではありません。
その果てしなさから、なんとなく心が広そうだなあと思う空にも、こんな一面があるのだなと、わずかに親しみを覚えます。
誰にだって辛い時があります。
でも、どんなに苦しくても、怖くても。
それはずっと続くわけではありません。
雨が降るたびに、そうやって雨に励まされている気がします。
夕立が通り過ぎれば、昼間の暑さはどこかへいってしまって、涼しさを感じます。
すうっ、と気持ちの良い風が通り抜けていきます。
夏特有の、眩しい色が、より鮮明になって世界を彩ります。
案外、夕立も悪くないなと思う戸鞠でした。