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普通にやってるかも?「無意識のガスライティング」
無意識のガスライティングとは、意図せずに他者の現実を歪め、否定して、頭がおかしいと認識させたり、相手に自分自身を疑うようにさせる現象を意味します。
無意識のガスライティングに悪意はありませんが、受けた相手からすれば、認知的虐待、感情的虐待のひとつと言うことができるでしょう。
無意識のガスライティング?
ガスライティングは古典的な意味で、意図的に相手に疑心を植え付ける認知的戦術と、恐怖と屈辱を使用する感情的虐待を組み合わせたものと考えられます。
それに対して、意図しない無意識のガスライティングは、悪意を持って行われるものではありません。
それだけに、意図的なガスライターは一部の人だけかもしれませんが、無意識のガスライターはどのような人でもなる可能性があるのです。
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なぜ無意識のガスライティングが起こるのか?
無意識のガスライティングが発生する理由はたくさんあります。
例えば、友人が前向きになるようにサポートをする過程で、その友人の気持ちを無視していたり、支配的な両親が子供に対して謙虚な提案をしている場合などです。
このようなガスライティングは、意図せず日常的に起こっているのです。
無意識のガスライティングの影響
どのような人でも無意識のガスライターになり、その犠牲者にもなる可能性があります。
実際、ほとんどの人は無意識のガスライターになっていることも、無意識のガスライティングを受けたこともわからないのです。
なぜなら、無意識のガスライティングはとても簡単なことだからです。
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無意識のガスライティングについては、被害者になるリスクが高い人が存在します。
それは、以下のような人です。
・自尊心、自己評価が低い
・自分の直感を信じることが難しい
・共依存の兆候がある
上記のような人は、無意識のガスライティングの餌食になりやすいと言えるでしょう。
無意識のガスライティングの例
有毒な積極性
有毒な積極性は、無意識のガスライティングの例としてお手本のようなものです。
・失敗など存在しない
・頑張るしかない
・ポジティブが絶対
・すべては理由があって起こる
・もっと悪くなるかもしれない
・ネガティブになってはいけない
・他人は自分よりも悪い状況
・常に幸せだと思いなさい
・乗り越えられないわけがない
・常に明るい面を見ましょう
・ただ前向きになりなさい
上記のような言葉や考え方は、「有毒な積極性」にあたります。
これらは、相手に対して最善のアドバイスだと思っていても、相手からするとあまり的を得ていなかったり、押しつけになる場合があるので注意が必要です。
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人の意見を無視する
無意識のガスライティングは、他人の意見や意思を認めなかったことに起因する可能性があります。
たとえ無意識であったとしても、相手を無視して自分の考えや感情、何かしらの認識を「推す」行為は、ガスライティングを構成するのです。
言い訳をつくる
状況や行動に対して言い訳をつくる行為は、ガスライティングの方法のひとつになってしまいます。
簡単な例としては、
「すみません、その質問を理解できてなかったです」
「ごめんなさい、それがあなたが望んでいたものだと思ってました」
人は言い訳をつくる時、上記のようなセリフを言うのです。
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絶対宣言
「絶対」という言葉を使っていなくても、
「あなたはいつも」
「私たちは決して」
などは、絶対宣言の例です。
絶対宣言は、しばしば欲求不満からの誇張表現として使用されます。意図的な言葉選びではありませんが、これは穏やかなガスライティングとなります。
白い嘘
白い嘘とは、相手を傷つけるのを避けるためにつく嘘のことです。これも無意識のガスライティングとなる可能性があります。
例えば、誕生日パーティーに招待されなかった相手に、「こないだのパーティーは全然面白くなかった、行かなくて正解だったよ」というようなイメージです。
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相手の記憶を否定する
私たちの記憶は思った以上に曖昧なものです。
人はそれぞれ(自分も含めて)自分の見たいものを見て、それを何となくおぼえているだけ、ぐらいに思っておきましょう。
また、それを思い出す時も、自分自身のフィルターを通している場合がほとんどです。
自分自身の頑固さから相手の記憶をねじ伏せるような行為は、無意識のガスライティングを起こします。
自分の記憶も相手の記憶も、お互いに間違いがあるという前提を認識しておきましょう。
無意識のガスライティングの影響
無意識のガスライティングは、繰り返し行うと人間関係に大きな影響を与え、相手が人間不信となる可能性があります。
頻繁な無意識のガスライティングは、相手の不安や緊張などの長期的な精神的影響につながり、うつ症状などを引き起こす場合もあります。
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無意識のガスライティングの影響は、以下の通りです。
・不信感の高まり
無意識のガスライティングを受け続けると、徐々に人を信頼できなくなり、修復が困難となります。
・人間関係の満足度の低下
人を信頼できなくなることで、恨みや否定的な感情が蓄積します。これは人に対しての軽蔑感につながる可能性があります。
・うつ症状リスクの増加
自分の現実に疑問を抱かせる人間に囲まれている場合、うつ症状リスクを高める可能性があります。
無意識のガスライティングへの対処法
無意識のガスライティングは、初めは被害者が気づきませんが、多くの場合、最終的には気づくものです。
幸いなことに、無意識のガスライティングに効果的に対応できる方法がいくつかありますので以下にご紹介します。
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第三者の意見
時には、無意識のガスライターの行動について第三者を通して話すと良いかもしれません。
これは、無意識のガスライティングを止めるには至らないかもしれませんが、将来的な防衛と、ガスライティングの減少が期待できます。
真実に焦点を当てる
無意識のガスライティングに対処する際は、感情的なセルフケアを実践できるようにしておくことが重要です。
感情的なセルフケアについては、以下の記事をご覧下さい。
感情的なセルフケアは、認知的戦術による脳や心へのダメージを回復させる方法として、ガスライターと戦うためには必要不可欠です。
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ガスライティングの根源
無意識のガスライティングは、パワー(権力を含む)をコントロールすることが根本原理となっている側面があります。
具体的には、ガスライティングは社会的不平等、歴史、文化、社会的に形成された性差と人間の性に根本があり、特に権力を基盤とした親密な人間関係において効果的に作用します。
このため、無意識のガスライティングは毒性のある人間関係の兆候となります。
だからこそ、ガスライターとの人間関係を終わらせるか、関係性を中断することを検討する必要があるのです。
別の視点を提供する
ガスライティングの被害者に対して、当事者とは違う視点や考え方、代替意見を提供することで、状況に対応する他の方法があることに気づく機会を与えましょう。
うまくいけば、「そのような視点や考え方があったんですね!色々なことに気付けました。ありがとう!」という状況になるでしょう。
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状況を明確化する
ガスライティングに対して被害者にフォローアップの質問をすることで、状況を明確化することができ、真実を理解するのに役立ちます。
意思を考慮する
「ガスライターとは決別を…」という結論を伝えることは簡単かもしれませんが、被害者の意思を考慮するために少し時間をおきましょう。
無意識のガスライティングには悪意がないということを再確認することも、攻略の一歩を踏み出す重要なステップとなります。
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無意識のガスライティングを止める方法
自分が他人に対して無意識のガスライティングをしているとしたら?
会話中にワンクッション置いてみると、そのコミュニケーションの全体像を把握することができます。
また、自分の信頼している人に「私は無意識のガスライティングをしていないか?」と尋ねることも効果的な方法のひとつです。
以下は、無意識のガスライティングを止める方法です。
・有毒な積極性に注意する
困難な状況にある相手に対して「常に明るい面を見ましょう」、「常に幸せだと思いなさい」などのアドバイスをしてしまうなら、これらを変更することで無意識のガスライティングをしてしまう可能性が減少するかもしれません。
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・絶対宣言に注意する
多くの人は「絶対」や「必ず」などとを言います。しかし、絶対宣言をしてしまうとそれ以外の可能性を奪うことになりますので、会話に絶対宣言を使うのをやめるようにしましょう。
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・自分の思考や行動を認識する
私たちは認識していないものを見ることはできません。内観、内省的な視点を使って無意識の自分がしていることを認識することは、思考や行動を変えるための第一歩です。
・常に正しくしようとするのをやめる
一部の人にとって、正しさは自己価値に直結しています。あなたがこの感性を持ってる場合は、もしも自分が正しくない時に表れる否定的な感情に対処できるようになる必要があり、そのトレーニングを実践する価値があるはずです。
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・白い嘘を減少させる
白い嘘は相手の傷ついた感情を最小限に抑えるために使用しますが、白い嘘をつく回数を減らすことで、無意識のガスライティングに従事する回数は減少します。
・相手の言葉をよく聞き理解する
他人の考えや意見にもっと興味を持つことで、無意識のガスライティングの可能性を減らすことができます。
専門家のサポートについて
無意識のガスライティングによって、相手が大きくコントロールされる可能性は高くはありませんが、それが親密な人間関係や家族で起こる場合、ストレスや欲求不満を引き起こすことがあります。
無意識のガスライティングに頻繁に関与してしまう人間関係がある場合は、それを解決する方法論を学び、無意識のガスライティングを解消するためにサポートを受ける価値があるかもしれません。
おわりに
無意識のガスライティングは、全員ではないにしろ、ほとんどの人が時折おこなってしまうものです。
私の経験上、外見的な情報と内面の状況が一致していないような人々は、無意識のガスライティングをおこなうことが多いように思えます。
無意識のガスライティングは、不快感や議論を避けたい時など様々な理由でおこなわれますが、それが頻繁だと人間関係に大きな害を及ぼす可能性があります。
無意識のガスライティングが何であるかをよく理解すると、いままで正常だと思っていた行動が、実際にはガスライティングであったことに気づけるかもしれません。
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