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精霊の国日本 東京寺院 江戸時代の建物が残る 橋場不動尊
隅田川・白髭橋近く。石浜神社の帰りに寄ってみました。
参拝するまで知らなかったのですが、こちらは関東大震災、アメリカ軍による空襲にも燃えずに残っています。
すごい!
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早朝でしたが、もうお堂は開いていました。
建物が江戸時代のものですよ。ありがたい、風情がありますよね。
江戸時代の名所図会にも載っています。もしかしてこの場所からずっと、動いていないのではないでしょうか?
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手前が隅田川なので、ま横に並んでいるのは増水対策の堤防だと思います。大きな道路から小道に入って行くところは今と同じような気がする…。
江戸は川の洪水、火事、地震、20世紀は関東大震災、アメリカ軍による空襲と、災害多発地域。
ご神仏が同じところに鎮座するというのがなかなか難しい場所。
もし悠久の間ここにおられるのなら、すごいの一言。
こちらのお不動様は奈良の東大寺の開祖・良弁僧正作のものとか。
その弟子・寂昇上人が師匠から不動像をさずかり、旅の途中でこの地で「霊告を得て有縁の地たることをしり、ここに安じ、則ち村老野人にかたらひて草堂を営み、砂尾不動と号す」(※橋場不動尊のHPより)と開山したお寺。
良弁僧正といえば、手塚治虫の
漫画に出番は少ないけれど主人公を導く重要な役として出ていました。
彼は東大寺の大仏の建立に尽力、聖武天皇に信任された僧で、神奈川県の大山寺の開祖。
生涯を時系列にするとこんな感じ。
・持統3(689)年 誕生
2歳のとき鷲にさらわれて,奈良の春日神社の杉の木に捨てられ,義淵僧正に育てられたという逸話あり
・天平勝宝4(752年)4月の大仏開眼供養会のあと、5月1日に初代東大寺別当に任ぜられる。鑑真一行が東大寺に詣でたときはこれを迎えた。
・天平勝宝七(755)年 大山寺を開山
・天平宝字四(760)年 橋場不動尊が寂昇上人によって開創
・同年 光明皇后が崩御
・天平宝字6(762)年ごろ,石山寺(滋賀)を開山
・宝亀4(773)年 遷化(死去)85才
逸話がいろいろありすぎる方でした。
お姿はこちらに秘仏が掲載されています。
お不動様は空海が日本に広めたものと思っていましたが、それ以前にも密教は日本に持ち込まれており、古密教と呼ばれるものとか。
良弁僧正が彫ったのは、お不動様の原始的な形、憤怒の顔をした菩薩像だったのかもしれない、と妄想が進みます。
秘仏なのでお顔を見ることは出来ないんですけどね。
良弁僧正はサンスクリット語をあの道鏡に教えた師匠でもあったという記述がありました。
道鏡は孝謙天皇の信を得て天皇にまでなろうとした、怪僧です。
ということは道鏡と寂昇上人は、師匠を同じくする兄弟弟子?
2人に接点はあったのでしょうか?
2人の人生があまりにも違いすぎる…。
一方は権力の極みまで上り詰めて、一方は「村老野人にかたらひて草堂を営み」です。寂昇上人の質素な暮らしぶりが推察される文章。
本堂から後ろを振り返ると、こちら
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優しい銀杏のご神木です。
お不動さんは怖い顔をして魔を払う、けれどその内面は仏の慈愛あふれるご神仏。
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境内の優しい雰囲気といい、こちらのご神木もお不動様の内面を映した木ですか?と、聞きたくなるほど、そばに立つと気持ちがやわらぐのです。
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優しい参拝が出来ました。ありがとうございます。
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