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ラスベガスで映像の未来を考える

映像の起源をご存知でしょうか。

エドワード・J・マイブリッジというイギリス出身の写真家が1878年、カメラを12台並べ、疾走する馬の連続撮影を成功させました。

画像: エドワード・J・マイブリッジ

多くの人はここで初めて「馬がどう走るか」を知ったといいます。マイブリッジは他にも様々な動物や人の動きを収めた連続写真集を刊行。それを見たトーマス・エジソンが「映画」を発明する契機となったといわれてます。

1891年に映画を見る装置キネトスコープが誕生し、1911年には農村だったハリウッドに最初の映画スタジオが誕生。

それまでニューヨークを中心に活動していた多くの映画製作者がハリウッドへと移っていった。

そして2024年、春。
そんなハリウッドを僕は文字通り斜めから見ていた。

大谷翔平の試合を観戦した翌朝、グリフィス天文台のある山の頂上まで登ると、ハリウッドサインとロサンゼルスの眺望が見えた。

山を降りてからラスベガスへ向かった。

荒野の山並みを飛行機の窓からぼんやり眺めていると、突如としてその街は現れた。

何だこれは!?

まるで街全体が巨大な映画のセットではないかと思うほど、極めて人工的な街が現れた。

そして空港に着陸する瞬間、一瞬、目を疑うものを見つけた。巨大な球体LEDディプレイSphere(スフィア)だ。

何だこれは!?

と僕と同じように思ったあなたのために参考動画を貼っておきますね。

いきなり映像の未来を見た気がした。VRやARだけが映像の未来ではない。多様であることを教えられた気がした。

ラスベガスの空港に到着すると待合ロビーに所狭しとスロットが置かれている。ラスベガスといえばカジノだ。

しかし2024年、大谷翔平の試合を見て、ラスベガスのカジノに行くという流れは、どうしても一人の通訳を思い出してしまう危険な流れだ。気をつけよう。

そして空港のコンビニでミネラルウォーターを買う。

日本円換算で892円……。
いろはすが恋しい……。

円換算しないマイルールをあっさり打ち破る衝撃。
スタバのタンブラーもご覧のとおりラスベガス仕様。

この街がどういう街かをタンブラーが教えてくれる。

そして今回の旅の目的の1つでもあった世界最大の映像・放送関連展示会NAB Show 2024の会場へ。

映像制作を生業とする者としては、ずっと訪れてみたいと思っていたイベントだ。

ざっと見ながら感じたのは、ハリウッド映画のような撮影をより身近に感じさせる技術の進歩とAIの台頭だ。

「人生の1/3がレンダリング」に費やされると苦闘していた10年以上前のことを思えば、AIが映像制作の効率を上げていく流れは歓迎すべきことだ。

そしてバーチャルプロダクションが賑わいを見せていた。

バーチャルプロダクションは背景映像の仮想空間と実物の被写体を同時に撮影し、合成する制作環境を実現すること。カメラの動きに併せて背景の映像も連動して動く。

世界を旅する壮大なスケールの恋愛映画も、1つのスタジオで全部撮れるというわけだ。 

SONYのブースは一際大きく隅の方で異様な存在感を放っていた。やっぱり世界のSONYだよ。

欲しいと思ったカメラは500万円を超えた。

改めて全体を通してみた感想としては、そこまで急激な変化を予感させるものはなかった。どちらかというと、AIによる進化やバーチャルへの過渡期という空気を感じた。

一方でiPhoneによる撮影をサポートする機材も多く見受けられた。iPhoneで撮影される映画もこれからどんどん出てくるだろう。機材も技術も表現も多様化する未来が来る。

これだけ手段も媒体も多様になる未来がもう間近にきてるなら、結局の自分は何のために映像をつくりたいか、どんな映像をつくりたいかが一番大事になる気がした。

日帰りラスベガスという強行スケジュールでわずか4時間の滞在だったので、ラスベガスの基本をおさえておくためにベラージオホテルへ。

有名な噴水ショーを観る。
多分夜のほうが良さそうな気がした。

ベラージオホテルの中も絢爛豪華。

さすがに4時間の滞在では、ラスベガスを語れるほどのものは掴めなかった。

でも今回の旅を総じてみれば、ポートランドからサンフランシスコ、ロサンゼルス、ラスベガスの旅は僕にとって一生忘れられない最高の旅となった。

旅の記録をnoteに書くことで、旅の楽しみをもう一度反芻できるし、その時々の旅の意味を自分なりに考えられるのも良いなと思った。

夜に飛行機からラスベガスの街を眺めると、街と荒野の境界線がより一層際立った。

ESTAを取り忘れて飛行機に乗れないというまさかのハプニングから始まった旅ではあったし、一瞬、アメリカ行きそのものをやめることも脳裏によぎったが、最悪すぎるスタートは、期待値を極限まで下げられるので、それ以降の旅の幸福度をあげてくれる、と改めて実感した。

帰りの便ではまた次の旅に思いを馳せていた。

(↓今回の旅を最初からご覧になりたい方はこちらから)


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