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囀る鳥は羽ばたかない 6巻 感想

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私は今のところ6巻が一番矢代の百目鬼への想いが溢れていると思います。物語はひとまずの区切りがつき、7巻へと続いていきます。
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「囀る鳥は羽ばたかない」 6巻巻末描き下ろし 飛ぶ鳥は言葉を持たない

飛ぶ鳥は言葉を持たない  わずか10ページの巻末描き下ろしに込められた意味は深い。  この中で、七原は矢代について物語のキーポイントとなる発言をする。  矢代との関わりをなくしたくない百目鬼は、これからも極道の世界で生きることを決意するのだった。  怪我の治療を終えた矢代は、百目鬼のことを忘れた振りをして、関係を断ち切ると決めた。  矢代のセリフが嘘だとわかっていても、七原と杉本は黙って顔を見合わせるだけだ。  七原は百目鬼を病院の屋上に呼び出す。  青空の下、久しぶ

「囀る鳥は羽ばたかない」 6巻 第35話

第35話   この回で「平田の乱」が決着し、物語には一旦区切りがつく。  私は、矢代が退院前日に百目鬼の顔を一目見ようと病室に向かうシーンが大好きだ。  忘れた振りまでして百目鬼との別れを選んだくせに、やっぱり好きだから自分から会いに行ってしまう。  この矛盾が矢代らしいなと思う。 矢代に撃たれた後、百目鬼は…  物語の時間は、第33話の終わりまで巻き戻る。  額に銃口を突き付けられた百目鬼は、 と覚悟を決めて、矢代の前に跪いている。  倉庫に響く銃声。  矢代が

「囀る鳥は羽ばたかない」 6巻 第34話 

第34話  第46話を読むまで、第34話は私にとって最大の問題回だった。  私はこの回を読むといつも胸が苦しくなる。  だから、第34話の考察・感想は私にとって最もハードルが高く、個人的な体調不良もあってなかなか書き始めることができなかった。 矢代と平田の最後の対決  矢代は、甘栗たちを使って平田から奪った金塊を三角に届けさせる。  どうせ平田の裏金、隠し財産なのだから、甘栗たちにある程度取り分を与えて、残りは自分のものにしてもよさそうなのに(おそらくほかのヤクザならそ

「囀る鳥は羽ばたかない」 6巻第33話

 私は全48話(現時点)の中で、第33話の矢代が一番好きだ。  矢代が百目鬼に「何かをしてほしい」とねだるのはこの回だけだ。 「膝枕」は「囀る」の中で最も印象的な行為だと思う。セックス以上に二人の繋がりを表している。 第33話  雨が降る中、百目鬼の運転するレクサスに乗った矢代は、空港近くの倉庫に到着する。  鳴り響く飛行機の轟音は第34話の布石となっている。  東京近郊の空港と言えば羽田か成田だが、倉庫が立ち並ぶこの場所は海の近くのように思える。 「灰色のデカい倉庫を

「囀る鳥は羽ばたかない」 6巻第32話 巷に雨の降るごとく

 5巻第23話~25話と同様、6巻第32話~34話は物語の大きな山場となっている。  百目鬼を捨てようとする矢代と、矢代の側にいたい百目鬼の葛藤、矢代と平田の対決が描かれる。  何も知らなければ、6巻で終わるのかと思うほど盛り上がる展開に、読者はハラハラしながらページを捲ることになる。 第32話  百目鬼の運転するレクサスの助手席から、矢代は甘栗に電話をかけ と詰る。  部下だった百目鬼に対して、矢代はあえて「部外者」という言葉を使うことで「お前はもう関係ないんだ」と

「囀る鳥は羽ばたかない」 6巻 第30話&31話

 BLパートとヤクザパートが複雑に絡み合って物語が進んでいくのが「囀る」の魅力だが、第30話と第31話ではBL要素はなく、ヤクザパート全開となっている。  私の考察、感想は矢代の心理、矢代と百目鬼の関係に主眼を置いているので、実は今回の2話については取り立てて強い主張がない。  物語の展開において要所となる部分を記載して、次の大きな山場である第32話に進もうと思う。 第30話  第30話の冒頭には、三和会系五代目桜一家組長の綱川が登場する。  天羽と綱川は大学の頃か

「囀る鳥は羽ばたかない」 6巻第29話

6巻第29話  6巻の表紙は雨降る夜の新宿。  煙草を吸いながら横断歩道を渡る矢代を百目鬼が追いかけている。  まるでこの頃の二人の関係のようだが、6巻では矢代の百目鬼への想いを感じる場面が随所にある。  ああ、矢代は百目鬼が好きなのだと、私は6巻を読みながら何度も思う。  百目鬼の幼少期の回想から第29話が始まる。  きっと口数が少なく、まじめな子供だったのだろうと想像がつく。  竹刀を握らなくなった今、百目鬼はどんな時に心が解放されるのだろう。  矢代に置いて行か