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【論】人間はどうやったら真理に辿り着くのか。

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思考が自分なのか、意識が自分なのか。思考は私の意識に現れては消えていく。意識は私に姿を現わそうとはしない。いつまで隠れ続けるつもりだろうか。様々な事象に真理の片鱗が現れる。それを…
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2020年10月の記事一覧

【論】現状肯定か現状否定か? どちらも正解ではないんだ

対立なんて古い。思考は奥へ奥へと進めるものだ。 或る人が言った。 「改革ッ、改革ッ、現状維持は悪。パラダイムシフト、改革こそ善で、構造基盤を変えなければ変化を与えられない。現状維持を打破する必要がある」 また或る人が言った。 「世界は複雑なんだ。構造を変えてしまったら、今までの蓄積が消えてしまう。話を簡単にしようとする奴には気をつけろ。改革を連呼する奴は馬鹿な大衆を洗脳しようとしている」 まぁ、実はどっちでも意味はないわけだ。未来は人間が考えるような簡単な理屈で構築され

【論】思考の複雑系構造を解明せよ

思考は2種類ある。伝搬する思考と、伝搬しない思考である。 伝搬する思考とは、表面的な事象である。例えば、喜怒哀楽とか一次的な感情などは非常に伝搬速度が速いのである。特に恐怖が最も速い。 また、伝搬しえない思考とは、複雑な構造を有する事象であり、その最上級が悟りと呼ばれるような真理である。つまり悟りとは伝搬されるようなものではない。きっと訳の分からないゴミを掻き分け、やっと見つけたのが汚い小さなネジで、そのネジを延々と組み上げていって思考を再構築する。そしてひと粒の涙が流れ

【論】『時間』という異分子排斥システムがある

「みんなに聞きたい。あの頃のままなのは私だけなのか」 私は歳をとってしまってがっかりしている。時間が経って、私たちが若かりし頃に憧れていたものが幻想だったんだってわかってくるんだ。 あの当時、私は何に憧れていたのか。若かりし頃に憧れていたロックンローラーとか、スーパースターたちが今、どうなっているか、知っているか。今もまだ順風満帆に活動を続けている奴らなんて完全に人気商売になっちまっている。人気を継続し、定期的な利潤を得ることが目的になっている。なんてシステム的人間になってし

【論】ドストエフスキーによる量子論の多世界解釈

ドストエフスキーの『罪と罰』は文学史に燦然と輝く名著であるのは勿論だが、私がこの作品を読んで一番驚いたところは、量子論の『多世界解釈』や『量子の重ね合わせ』のような概念を作品の中で語っている場面だった。『罪と罰』自体が1866年の作品なので、量子論が誕生するより、40年近くも昔の話である。プランクの量子仮説が1900年であり、アインシュタインの光量子仮説が1905年である。つまり、ドストエフスキー自身は量子論という概念を持ち合わせていなかったことは確かだ。 思考に思考を重ね