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紙の歴史について述べてみます。
こんにちは。
東杏印刷のオンラインストア「いいすと」です。
今年は5月も後半に入り雨が多くなってきました。
西日本では梅雨入りになり、じめじめとした天気がやってきます。
少しでも気持ちが晴れ晴れとなるような習慣、例えば好きな曲を聴くとか、綺麗な花を愛でるなど、折に触れて気分転換をしたいものです。
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さて、当社は印刷業から始まった、医療のソリューションカンパニーです。
印刷業では、紙を仕入れ、印刷機に合わせて適切な大きさに切り、印刷して付加価値をつけて販売しています。
そもそも紙は如何様にして作られ、広まったのでしょう。
今回は「紙の歴史について」。どうぞお付き合いください。
始まりは中国で。
今からおよそ1900年くらい前です。
当時の中国は後漢(ごかん)という国があり、かの有名な「三国志」の前の時代になります。
蔡倫(さいりん)という方が従来からの技術を改良したと言われていて、この時の製紙方法は、麻布や麻のぼろ、樹皮や漁網を洗って、灰汁で煮て繊維を取り出して臼で引いたものを再び枠で張った網で梳き、網の上の繊維を枠ごとに乾燥させて紙としていました。
その後、材料や技術が更新され、シルクロード(絹の道、中国で織られた絹織物を隊商が西洋に送るルート)を使ってヨーロッパに伝わったとされています。
Paperの由来と概要
今からおよそ2300年前です。
英語のPaperの語源、それはカヤツリグサ科のパピルスに由来します。
ピラミッドのあるエジプト、ナイル河の流域でとれる多年草で、茎を剥いで剥片にし、直交方向に並べて川の水をかけ、圧搾して脱水したものに象形文字や神様の絵を書いていました。
当時のエジプトにはプトレマイオス朝という王朝があり、アレクサンドリア図書館という施設が誕生していました。図書館なので、パピルス紙を利用した記録が多かったといえるでしょう。
ただ、中国から製紙法が伝わっていくに従い、だんだんとパピルス紙が使われなくなりました。
羊皮紙(パーチメント/ parchment)について
今からおよそ2200年前です。
現在のトルコ西部にあったペルガモン王国が起源とされています。
羊や山羊の皮を洗い、水と消石炭をいれた溶液に浸し1週間ほど寝かせ、再び洗って乾燥させ、軽石の粉で磨いたものをシート状に固定したものです。
当時のペルガモン王国も図書館を造り、エジプトのプトレマイオス朝と蔵書数を競っていましたが、エジプトがパピルスを輸出禁止にしたため、代替として羊皮紙を作ったとされています。
ちなみに“ペルガモン”が訛ったのが英語でいうところの“パーチメント”の由来とされています。
和紙、とは
今からおよそ1600年前です。
海外から渡ってきた渡来人が“紙”を持ち込んだという説もありますが、時の権力により戸籍を編集しようという動きもあり、麻や楮(こうぞ)などを原料として、紙漉きの技術の伝来または自然発生的に発生したと言われています。
明治時代になって欧米から伝わった洋紙に対して、日本古来の製法で作られた紙を和紙と呼ぶようになったのです。
終わりに
20世紀に入り、技術の革新とともに大量に生産されるようになり、紙の種類も多くなりました。トイレットぺーパーやちり紙、コピー用紙や新聞紙など、多くの紙が誕生しました。
2000年代の前半は、全世界の紙の生産量は1位アメリカ、2位中国、3位日本、のランキングでした。
少しずつデジタル化が進んでペーパーレスの時代がやってこようとしています。
これを機会に少し“紙”について学んでみるのもいいかもしれません。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
これからもよろしくお願いします。(飯嶋)
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