会社員とフリーランスの働き方をエンジニアリングする会社〜Twitterで広がるパートナーシップ
みなさん、こんにちは。運営事務局の松澤です。今回の記事はリベラルエンジニアズ 金子周平さんによる講演内容をまとめたものになります。テーマは『Twitter採用を獲得しつづけるブランド発信術』です。
サロンの主宰者であるチカイケ秀夫さんとは、お互いに無名の時代からの付き合いで、現在も社外CBO(最高ブランディング責任者)としてパートナー関係にあります。
金子さんは、エンジニアを継続的に採用しており、流入の多くはTwitterが占めています。「エンジニアをもっと自由に。」を掲げ、業界にいまある雇用形態や働き方を根本から見直し、根強いファンを獲得しています。その背景にある思想から、具体的な手段のお話までを語っていただきました。
どうぞ最後までお付き合いいただければと思います。
(チカイケ秀雄主宰「TOKYO BRANDING.大学校」にて、2019/11/28に登壇いただいた際のお話です。詳細・入会はこちら)
会社員とフリーランスのいいとこ取り
まずはじめに、業界の現状をお伝えします。エンジニアの7〜8割りが派遣として雇われています。これは本当にまずいんじゃないかと僕は思います。エンジニアで幸せそうな顔をしている人が少ないんです。
私自身も、ずーっとエンジニアで活動を続けていたんですけど、キャリアに限界が見えてきて。いまこの会社をやっているのも、自分自身が当事者であることが強い原動力になっていると思います。
「リベロ」という働き方を提唱しています。それは、ちょうど会社員とフリーランスの間に位置するような働き方です。メンバーは会社には属してもらうんだけど、社員というよりかはパートナーといった感じです。個人でバリバリやりたい人もいれば、相談する相手がいた方が安心できる人もいる。そういった「個々人が持つ会社との距離感」を大切にしています。
話の流れとしては、理想の働き方を模索していたことから始まります。「いろいろ横槍がなくて、規則があるのはめんどくさいよね」「うんうん」「でも、厚生年金とか、会社でしか持てないやつ、欲しくない?」「それ使おう!」そんな具合で、バランスを取って行きました。法人格をシェアしたビジネスパートナーという立ち位置です。
会社が巡らせるべき”resource(リソース)”
いまチカさん(チカイケ秀夫)とやっているプロジェクトで、弊社の世界観をヴィジュアライズしています。
(制作過程の世界観ヴィジュアル。これに色を加え完成となる。)
小さいのでちょっとわからないかもしれないですが、僕は山の左側で水車を回しているんですね。会社のトップとしてできることって、お金を巡らせることでしかないと思っていて。その水の流れを、みんながいい感じに利用してくれています。
例えば、個々人ではスキル習得に不安がある方に、ベテランメンバーに講師をしてもらい勉強会を開きます。このときのお金は会社持ちです。価値を生んでいるので、もちろんお金を支払います。
他のエピソーゾで言えば、メンバーがクライアント先で問題を起こしてしまった。フリーランスのように働きながらも会社の看板を背負っているので、責任はきっちりウチが取らないといけないと思っています。すごく稀なケースですが、損額分をウチが出したこともありました。
この会社は、例えるなら「船」なんですよね。エンジニアのメンバーがいて、チカさんみたいな社外のメンバーもいて。そういう人たちそれぞれが主人公で、全員を乗せて空を航海していくイメージです。いま自分自身が発信していますが、のちのちは、メンバーが発信をしていて自分は引っ込む未来を見据えています。
(金子さんの好きなレトロなイラストをブランドヴィジュアルにしている)
Twitterは、過去の自分視点で
私のTwitterアカウントを見てもらうとわかると思うんですが、フォローワーに対してのエンゲージメント数がとても高いです。
工夫としては、当時の自分だったらどう感じるかをイメージしながら情報発信をすること。発信する内容を選ぶときも「当時悩んでいた頃の自分にも刺さる内容か?」と精査します。発信する文章も、当時の自分視点で感じることを織り交ぜます。
応募があった人とは、職務履歴などを参照して、面談に移ります。採用する人は「良いやつ」かどうか。もっと言えば、コンプレックスを抱えている人なんかも信頼できると思っています。ネガティブな体験をしている人ほど、その跳ね返りで自分の人生を生きようとしています。
未来はもっと面白くなる
今後の展望で言うと複数の企画を進行中です。
1つは「エンジニアGO」という人材マッチングサービス。ポケモンGOをもじっていて、リアルで会っちゃうHRテックです。
今の仕事って、職歴や年収によって階層があるとしたら、それと同じ階層の企業・クライアントからしか仕事がいかないようになっています。でもそうじゃねえだろって思うんですよね。まだまだ小さい規模で活動してても、話してみたら意外とイケちゃうみたいなことってたまにあるじゃないですか。便利な世の中になってきているからこそ、そういう「不合理な世界」「偶然性から生まれるなにか」の価値が高まるんじゃないかなと思っているんです。
(ダイレクトリクルーティングを会ってやる「エンジニアGO」)
もう1つ紹介すると、エンジニアサービスを店舗型で提供する企画です。
IT屋さんの路面店って聞いたことないと思います。「ちょっとこの部分、わからないから聞きたいな」みたいなときに、相談しにこれる。そのまま案件として契約が入ることも可能性として十分にある。これはそれなりの初期投資もあるので、時期を見定めながらオープンさせられればなと思っています。
(世界初、路面店のIT屋さん構想)
世界観の船の話に戻りますが、全体像はピースになっています。こういう企画が新たなピースとなって、どんどん連結していけば大きな船になって、メンバーのキャリアにも幅を持たせられると思っています。
こういう活動をしてきて印象に残っているのは「カフェに入るのに抵抗がなくなりました」という言葉です。いままでの派遣ではなかなか実現できなかった働き方と給料基準によって、リソースが各員に届いています。
これからもエンジニアがもっと自由に働ける世界を実現していこうと思います。
編集後記
金子さんのお話は活動も実績も耳を傾けるに値するのですが、なによりも「話し方」によって人を惹きつける魅力を持っています。
エネルギッシュで、すごいスピードで深い洞察のあるお話が展開されていくので、あっという間の1時間でした。参加者のみなさんも同様らしく、中には自身の身近な問題はぶつけて意見を求める質問者の方も。
オフィスは渋谷にありますが、移転する予定があるそう。ブランドを軸に面白い企画が飛び出すリベラルエンジニアズの今後が楽しみです。
会社概要
Brand Message
「働き方」はもっと選べていい。
エンジニアの雇用形態に革命と革新を。
既存の枠になんて、とらわれるな。
新しく自由なエンジニアの働き方。まだ見ぬ働き方。
それを僕たちが、カルチャーとして日本に根付かせる。
ここから始まり、そして広げていく。
エンジニアに光をあてて、SES業界の常識を打ち破る。
それが、リベラルエンジニアズ。
会社HP:http://liberal-en.jp/
Twitter:https://twitter.com/skaneko414
※東京ブランディング大学校では月1で外部から講師をお呼びしているので、ブランディングの学びを深めることができるコミュニティです。
イベントの詳細(Doorkeeper)はこちら
(ライター・松澤直輝)