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背中の痛み(脊椎痛、肩甲骨間痛)の鍼灸治療

疫学:腰背部中心に限局された浅部または深部の鈍痛。局所に圧痛や叩打痛が見られる。

原因:腰背部筋群の異常、腹部内臓器の異常、腹部大動脈瘤、脊椎性疾患など。

注意点:腹部内臓器の異常、腹部大動脈瘤、脊椎性疾患などによる疼痛との鑑別が必要。

一般的な治療法:対症療法。

当院の治療法:脊椎、椎間板、靭帯に異常が見られる場合は、鍼灸治療は適合しません。器質的異常が無く、筋肉のコリが原因であるような場合は、鍼灸治療が最も効果的です。基本的に、背中の筋肉が硬い場合は、脊椎付近で自律神経節や肋間神経が圧迫されている可能性があり、背部痛以外に、不眠、イライラなど多彩な自律神経症状の他、深呼吸ができない、肋間や胸が痛い、乳腺炎を繰り返す、胃が痛む、などの症状が見られます。起立筋群への刺鍼がメインになりますが、必要があれば、頭部、頸部、腰部へも刺鍼します。顎関節症(食いしばり、歯ぎしり)がある場合は斜角筋や胸鎖乳突筋が収縮したり、交感神経が優位になって、自律神経に異常を来すことがあるため、顎への刺鍼も必須となります。軽症であれば、1~3回の刺鍼で背中の痛みが減少するか消失し、自律神経症状も徐々に減ってゆきます。背中に強いコリがみられる場合、細い針やマッサージなどではほとんど効果がみられないことが多いため、当院では特注の太い針(1本50円)を20~40本ほど使用します。

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