「書く仕事」と初恋クレイジー
そのアルバムと初めて出会ったのは小学5年生か6年生のとき。
引っ越しのために荷物を整理していた叔母がくれた4枚のCDのうちの1枚。
CDを聴く機会が減り音楽はサブスクで楽しむようになった今でも、ことあるごとに聴き返すスピッツの名アルバム「インディゴ地平線」。
つい先日も、どうにもこうにも仕事が進まず散歩に出かけたときに聴いていた。
2曲目の歌い出しで私はハッとした。
人に言ったら鼻で笑われるかもしれないが、インタビューライターという仕事に出会ったときの自分の心境そのものだと思ったのだ。
2023年を振り返る機会をいただいたので、「初恋クレイジー」を聴いて溢れてきた想いとともに、書くことと向き合った1年を振り返ろうと思う。
実らせたい想い
2022年に内職程度のライティングからライター人生をスタートした私は、2023年7月からオンラインキャリアスクールで本格的にライティングを学んだ。
それまで、「ネット上の記事を書く仕事」というくらいにしかライターのイメージを持っていなかった私は、講義の中でインタビューライターという職種を知り胸を打たれた。
「私がずっとやりたかったことができるかもしれない。」
自覚はなかったが、昔から「人のいいところを見つけるのが得意だね」と言われた。
そしてこちらは自覚しているが、人という生き物が好きだ。
さらにいうと言葉や文字で伝え合うことが好きだ。
今まで数えきれないくらい誰かの言葉に支えられてきたし、こんな私の拙い言葉でも「心が軽くなった」と言ってもらえることもあった。
「気持ちを言語化できなくてモヤモヤしてたんだよね」
「私の言いたいことをわかってくれてありがとう」
友人からもらった勿体ないくらいの言葉たちは、私の生きがいとなってずっと胸の中にある。
もちろん「この性質があるからこの仕事できそう〜!」なんて簡単な話だとは、決して、決して思ってはいない。
それでも……
インタビューライターとして、それぞれの人がもつ魅力を(本人が気づいていない魅力も含めて)私の言葉で多くの人に届けられたら、なんて素敵なんだろう。
私の紡いだ言葉を受け取った人の心が軽くなるような、インタビューを受けてくれた人が自分の魅力に気づいて自信を持てるような、そんな記事が書けたらどんなに素晴らしいだろう。
やりたい!
そんなことを考えながら、PCの前でほくほくドキドキしていた。
まるで初恋である。
スピッツの歌詞のごとく、インタビューライターという仕事が、平凡な駆け出しライターの私の未来を大きくしてしまったのだ。
それからはインタビューライティングを仕事の軸に据えることを目標に活動した。
初恋のように始まったとはいえ、これは仕事の話。甘酸っぱく破れることなく、必ず成就させねばならない。
いただいたチャンスをものにするため、とにかく行動した数ヶ月だったように思う。
2023年12月からは、noteのマガジンを利用して自主企画インタビューを始めた。「フワリと」というタイトルで、話した人も読んだ人もフワリと軽くなれる場所にしたいという想いで運営している。
↓こちらが記念すべき1本目の記事。
育てたい想い
実際にインタビューにチャレンジすると、やはり自分の未熟さを痛感した。文字起こしのために聞き返す自分の取材は、出来が悪すぎて聞きたくないと思うこともあった。
それでも心を開いて想いを伝えてくれたインタビュイーの皆さん。何とか作り上げた記事を読み、あたたかい感想をくれた人たち。そういった優しい存在の数々が私の活力となっている。
「初恋クレイジー」にはこんな歌詞もある。
これはまさに、インタビューライターとして踏み出した今の気持ちである。話し手が言葉にできない想いを言語化して、読む人の世界を広げるような仕事がしたい。
私はただ書くことが好きでライターをしているのではなくて、書くことで人の役に立ちたいからライターをしている。
スキルも何もないが、この気持ちだけはライターを続けていい素質なんじゃないかと恐れ多くも自惚れている。
だからこそ口だけで終わらぬよう、ライターとしての自分を大切に育てていきたい。
2024年は、目の前の仕事に一生懸命取り組むことはもちろん、あらゆることに挑戦する種まきの1年にするつもりだ。
インプット面では↓
ライティングスクールやコミュニティの添削プランを利用する
先輩ライターの取材にアシスタントとして同席させてもらう
アウトプット面では↓
各種SNSで活動や学びについて発信する
自主企画インタビューを月1件以上行う
そして、1年後の振り返りでは、インタビューライターとして手に入れるであろう貴重な体験をシェアできるようになっていたい。
そのためにも好奇心強く、素直な気持ちで、貪欲に、心のプロペラをまわし続けたい。