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#29 イチョウをたずねて十里弱
二十四節気の「小雪(しょうせつ)」を超え、朝晩の冷え込みが強くなり、いよいよ冬めいてきましたね。
車で走っていると、そこここに木々の間から黄色いものが見えるようになりました。
そう、イチョウです!
もみじが赤くなるよりイチョウが黄色くなるほうが微妙に遅いですよね。
とはいえ、場所によってはイチョウももう散ってたりもするので、見に行くタイミングが難しい。
本当は大山寺の「弁慶イチョウ」を見に行く予定でしたが、インスタ情報ではやや落葉が進んでるそうなので、今年はあきらめました(写真は昨年のやつ)。
天気もいいし、新規開拓のため、とくに目的地を決めずイチョウを探してぶらり旅。
総移動距離はだいたい38km、母をたずねると三千里だけど近所なので十里弱。
たいした旅じゃねぇな…。
あと、このタイトル昭和生まれにしかわかんねぇな🙄
椎宮神社
〒771-1343
徳島県板野郡上板町椎本松木118
だいたいのエリアだけを決めて向かい、最初に見えた黄色いのがこちら。
はじめましての神社でした。
椎宮神社、読みは「しいのみや」でいいのかな🤔
こちらは境内に2本の大イチョウがあります。
そこそこ落葉も進んでますが、いい感じの色づきです。
天然記念物とかそれなりに古い大きな木だと環境省の「巨樹・巨木林データベース」で幹周りや樹高のデータがわかるんですが、こちらは登録されてなかった。
でも高さはそこそこあります。
7~8mくらいかな(適当)?
こちらの神社は創建年など詳細は不明なんですが、古くは「山神社」という名前で、椎本郷の産土神として信仰されていました(境内の石碑より)。
御祭神は不明ですが、山神社なら大山祇命(オオヤマヅミノミコト)でしょうか。
そして、「椎宮」といえば気になるのが佐古の椎宮八幡神社。
参道には見上げるほどの大鳥居があり、社殿もものすごい立派なたたずまいですが、こちらも実は詳しい御由緒がわかりません。
ネットで調べた限り、寛文年間(1661年~1673年)に南矢三町の古八幡宮から遷座されたのは間違いないようですが、
上板町の椎本から流れてきて徳島市の矢三に漂着した神様をお祀りしたらしい…ということです。(神社探訪・狛犬見聞録より引用)
とのこと。
ということは、椎宮さんの神さまはこのあたり出身なんですね。
神社のお隣には薬師堂がありました。
中には不動明王と薬師如来っぽい石仏と、
ややハードボイルドな劇画タッチのお大師さん。
南無大師遍照金剛🙏
矢武八幡神社
〒779-0115
徳島県板野郡板野町矢武鏡松2
続きまして、矢武(やたけ)八幡神社です。
椎宮神社から北へ800m、ハシゴするのにちょうどええ距離。
こちらも初参拝。
境内に2本の大イチョウがありますが、お寺寄りの西側のイチョウはもうご覧のとおりのズルムケでした。
西側のイチョウのスペックは
【幹周り】6.54m
【樹高】18m
となっています。
東側のイチョウはいい感じの色づき✨
こちらはデータなしですが、全体的に西側のイチョウより一回りくらい小さいでした。
黄色いじゅうたんが出来上がりつつあります。
矢武八幡神社はとても立派な随神門と社殿があり、歴史がありそうでした。
ただ、こちらも由緒書きがなく、ネットでも見つからなかったので残念ながら詳細は不明。
そして、ここのお地神さんのフォント、痺れるほどかっこいいんです😍
これは「篆書体(てんしょたい)」ってやつですかね。
呪術廻戦みがあるよね。
画像出典:Wikipedia「呪術廻戦」
お地神さんコレクションが増えました✨
徳島の古い神社に必ずある「地神塔」について、詳しくはこちら💁♀️
乳保神社
〒771-1350
徳島県板野郡上板町瀬部西井内763
矢武八幡神社からちょっと西へ移動。
乳保(にゅうほ)神社の大イチョウは徳島県最古です。
樹齢は推定800年~1000年、日本最古のイチョウが樹齢1100年なので、なかなかの古さではないでしょうか。
比較対象がないのでわかりにくいですが、全体を写真に収めるのに苦労する大きさ。
あ、電線の位置と比べてみてください。
遠くから見ると完全に黄色いモンスターで、国の天然記念物にも指定されています。
そんな乳保神社のイチョウのスペックは
【幹回り】17m
【樹高】28m
となっています。
幹周りが10m以上のイチョウって日本全国でも80本くらいしかないそうで、かなりレアなんですよ✨
江戸時代後期の寛政年間(1789年~1801年)と昭和の時代には落雷の被害があり、明治5年(1872年)には近隣の火災で類焼、2004年には台風の影響で幹の一部が折れるなど、長生きしてる分、たびたび被災もしています。
しかし、そのたびに樹勢を復活させるど根性イチョウです!
イチョウに関する歴史を記した石碑はありますが、神社についてはほとんど記述がないため、乳保神社の詳しい御由緒は不明です。
石碑から神社の歴史っぽいのを抜粋すると、
伝うるにイチョウの近くに慈眼院なる小寺あり今より四百年前土佐の長曽我部氏が松永弾正久秀を攻めて此の地に来り當地にあった法道寺を焼拂い其の末寺慈眼院も亦厄に遭はんとしたが此のイチョウから水を吐いて焼失を防ぎ慈眼院に安置せる観音像は此のイチョウに宿りて難を遁れたりと謂う
(現地の石碑より引用)
とのこと。
出たな、長宗我部元親…🙄
御祭神は木花咲耶姫(コノハナサクヤヒメ)で、安産や子育ての御利益があります。
2組いるうちの古いほうはチュパカブラっぽいUMA系の狛犬さんです。
あんまり見たことない系統のお顔立ちにときめきが止まらない。
神社なのに境内の隅には石仏が鎮座。
センターが大日如来、右が弘法大師、左が地蔵菩薩という布陣です。
これは石碑に書いてある“伝うるにイチョウの近くに慈眼院なる小寺あり…“の慈眼院の名残でしょうか🤔
お大師さんの五鈷杵が鉄アレイみたいでかわいい😂
四国6番 安楽寺
〒771-1311
徳島県板野郡上板町引野寺ノ西北8
近くまで来たので安楽寺にも。
今年7月から頒布が始まった「温泉の御朱印」の秋バージョンが11月末までの頒布なので、近いうちに行かねばと思ってて。
先週の徳島新聞でも紹介されたので、この御朱印を求める方が増えたそうです!
温泉の御朱印:600円(入浴剤つき)
無事に拝受できました。
とても華やかで境内の紅葉にも映える✨
この「温泉の御朱印」のみ、郵送授与をしています。詳しくは安楽寺公式ホームページをご覧ください💁♀️
御朱印に描かれてる鳳凰は本堂前の拝殿の屋根にいるやつがモデルです。
黄金色のイチョウの葉っぱと鳳凰、もはや極楽浄土の風景。
この安楽寺のイチョウのスペックは
【幹周り】3.18m
【樹高】20m
となっています。
20m!
たしかに、遠くからもすぐわかるほどの大きさでした。
安楽寺に向かう車の中で、母と「そういえばお寺にイチョウってあんまりない気がするよね~」とか言ってたけど、すぐ目の前にでっかいのがあってワロタ😇
紅葉シーズンの安楽寺は初ですが、多宝塔の周辺がいい感じでした。
黄色やオレンジ、赤とカラフルに色づいて、ここだけ京都とかにある超有名寺院(雑な例え)のような華やかさ✨
お庭を拝見してるとき、ちょうどハラハラと落ちてきた葉っぱを気に入ってずっと持ち歩く奴。
安楽寺では手水舎に季節の手ぬぐいやビー玉が飾られています。
これは夏の終わり頃から始められたのですが、ずっと続けてくれてるのがありがたいです。
参拝の楽しみになりなりますよね😆
旅するお遍路さん:1回500円
安楽寺オリジナルガチャガチャの「旅するお遍路さん」、残りわずかでした!
手作りなので見本にはない微妙に違う感じの子が出ました😂
安楽寺名物のガチャガチャは本堂の中にあります。
感染拡大が落ち着き、お遍路さんが少しずつ戻って来てるので、読経をされてるときにガチャガチャのガチャガチャ音を響かせるのが申し訳なくて気を使う💦
安楽寺について、詳しくはブログ記事をどうぞ💁♀️
四国8番 熊谷寺
〒771-1506
徳島県阿波市土成町土成前田185
季節の花が楽しめる「花のお寺」、熊谷寺(くまだにじ)。
安楽寺からも近いし、紅葉シーズンには行ったことがなかったので行ってみました!
が、
…あれ?
思ってたほどではなかった。
何でだろう…🤔
紅葉しない系の落葉樹ばかりなのかな。
あ、多宝塔周辺はきれいに色づいてました。
来るのが早すぎた?
…というわけでもないよね。
かなり散ってるし。
多宝塔より奥にある二天門のあたりはまだまだ青もみじでした。
熊谷寺の本堂周辺は山際にあって日当たりも悪いし、これからなのかもしれません。
紅葉は本当にベストタイミングが難しいです。。。
熊谷寺にも大きなイチョウがありました。
けっこう落葉してます。
こちらもデータなしで、高さはあるけど幹が細いのでまだ若い木っぽいですね。
多宝塔周辺はお墓があるので、閻魔大王と六地蔵と奪衣婆がいます。
奪衣婆の表情がやべぇ。
熊谷寺には桜と紫陽花の特別御朱印「花納経」があったので、紅葉の特別御朱印もあるかな?と思ったんですが、秋はとくにないようです。
熊谷寺について、詳しくはブログ記事をどうぞ💁♀️
鴨島八幡神社
〒776-0010
徳島県吉野川市鴨島町鴨島字本郷237-2
この日最後は、御朱印をいただきに鴨島八幡神社へ。
3体拝受しました。
初穂料は「注連縄綯う」は500円、それ以外は300円です。
注連縄綯(な)う:11月4日~12月3日
鴨島八幡神社では毎年「麻植注連縄保存会」によって注連縄が奉納されています。
今年も11月13日~21日まで神社境内で注連縄が綯われました。
12月上旬に新しい注連縄にチェンジするそうです。
御朱印には願意を書く紙がついていて、書いて納めると注連縄に編み込んでくれるとか!
願いごとめっちゃ叶いそうですね✨
来年2022年の注連縄はもう完成しているので、これから納めるの方の願意は2023年の注連縄に編み込んでくれます。
立冬:11月8日~12月7日
二十四節気シリーズの「立冬(りっとう)」。
今年の立冬は11月7日、暦の上では立冬から立春の前日までが冬です。
お花は山茶花(さざんか)で、二十四節気よりさらに細かく季節を分けた七十二候の「山茶始開(つばきはじめてひらく)」より。
「つばき」と読みますが、椿が咲くのはもっと後の時期。花が似ているので、昔は椿と山茶花が混同されていたそうです(うろ覚え)。
小雪:11月24日~12月23日
こちらも二十四節気シリーズ、「小雪(しょうせつ)」。
今年の小雪は11月22日です。
北国や山間部では雪が降り始める頃ですが、積もるほどじゃないので“小“雪。
未拝受ですが、「大祓」の御朱印が【11月26日~12月26日まで】頒布されています。
こちらにも境内の北の端にイチョウがありました。
データなしですが、高さは10mくらいありそう。
もう少し落葉した頃に落ち葉を楽しみに行ってみたいです。
鴨島八幡神社について、詳しくはブログ記事をどうぞ💁♀️
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神社やお寺にはわりとイチョウの木があるので、ぜひお近くの寺社を探してみてくださいね。
徳島だと場所によってはイチョウが色づくのが遅いので、12月上旬~中旬くらいまで楽しめます!
平地のイチョウもそろそろ色づいているようなので、石井の「天神のイチョウ」にも近いうちに行ってきます🙋♀️
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