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独立リーグ出身選手史上初のFA権行使の凄さを検証してみた。

中日ドラゴンズの又吉克樹投手がFA権を行使しました。四国アイランドリーグ・香川オリーブガイナーズ出身の8年目。今シーズンは66試合に登板し、防御率1.28、33ホールド、8セーブと安定した成績を残しました。様々な局面を任せられる右サイドハンドとして、その動向に注目が集まります!独立リーグ出身選手が国内FA権を取得するのは3人目で、行使されるのは「史上初」のことです!独立リーグからNPBのスタープレイヤーへ、その凄さを検証してみましょう。

2.4%の可能性

独立リーグ出身選手で国内FA権を取得したのはわずか3人しかいません。四国アイランドリーグが2005年に設立されて以来、独立リーグからは計125名の選手が指名を受けて入団しています。つまり、国内FA権を取得できたのはその中でわずか2.4%という計算になります。

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独立リーグ出身選手で国内FA権を最初に取得したのはヤクルトの三輪正義さん。2019年に現役を引退し、現在は広報部として活躍される一方で、スワローズJr.のコーチもされています。現役時代には代走・守備固めを中心としたユーティリティープレイヤーとして活躍されました。2005年~2007年の3年間、香川オリーブガイナーズでプレーし2007年には盗塁王を獲得しています。

次いで2番目に取得したのがロッテの角中勝也外野手。独立リーグ出身選手のパイオニア的な存在とも言えるのではないでしょうか。独立リーグ出身選手初安打は角中選手が2007年7月26日に放った初安打です。これだけではなく、独立リーグ出身選手の初本塁打、初オールスター出場、初タイトル獲得(ベストナイン、首位打者、最多安打)も角中選手の記録です。さらにこれまでに1000試合出場、1000本安打など輝かしい実績を残しています。2006年の1年間、高知ファイティングドッグスでプレーしましたが、当時は打率.253と圧倒的な成績ではなかったのも興味深いです。

そして今回史上3人目の国内FA権取得であり、史上初の行使を行ったのが中日の又吉克樹投手。独立リーグ出身「投手」としては初の国内FA権取得になります。プロ入り1年目から4年連続50試合以上登板を果たすなど長く中継ぎ投手として活躍しており、8年目ながらすでに400試合に登板しています。独立リーグ出身選手はドラフト下位指名や育成指名される選手が多い中、異例のドラフト2位での入団。2013年の1年間、香川オリーブガイナーズでプレーし、13勝を記録し最多勝、ベストナイン、MVPに輝いています。


支配下か育成か

又吉選手は超異例ともいえる独立リーグ出身でありながら「ドラフト2位」という上位指名を受けた選手。ほかに上位で指名を受けたのは2017年ドラフト3位で西武から指名を受けた伊藤翔投手(四国IL・徳島インディゴソックス)、 2019年こちらも同じくドラフト3位で西武から指名を受けた松岡洸希投手(BC・埼玉武蔵ヒートベアーズ)、そして今年ドラフト3位で中日から指名を受けた石森大誠投手(九州・火の国サラマンダーズ)の3人。そもそも支配下指名と育成指名の数の違いはどれくらいあるのでしょうか?

四国アイランドリーグでこれまで指名された62名のうち支配下指名を受けたのは22名、育成指名を受けたのは40名という結果が出ました。指名のおよそ7割は育成指名だという結果になります。支配下指名を受けた22名のうち投手は15名、野手は7名と投手の方が多く支配下指名を受けています。しかし、全体62名の内訳は投手33名、野手29名と大きく差はありません。

ちなみにBCリーグの場合、これまで指名された57名のうち支配下指名を受けたのは10名、育成指名を受けたのは47名という結果でこれは8割以上が育成指名だったということになります。


支配下昇格への道

ここからは四国アイランドリーグ出身選手に限定してさらに詳しく見ていきましょう。2005年からの17年間で育成指名を受けた選手の数は40名。その中で支配下に昇格したのは何人いるのでしょうか?

その数は18名、4割以上の選手は支配下登録を勝ち取っているという結果が分かりました。印象より多く感じる方もいるのはないでしょうか?


高い「4年目の壁」

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この円グラフは四国アイランドリーグ出身選手がNPB球団を退団した年数をまとめたものです。現役をすでに引退した49名のうち最も多かったのは2年目に退団した選手(17名)となりました。その次に多かったのが4年目に退団した選手(15名)となりました。4年目までに49名のうち38名が退団をするという結果が出ています。ここを乗り越え長く野球を続けるということがいかに大変なことかがわかりますね。国内FA権を取得するというのは本当に凄いことです。

さらに4年目で退団した選手15名のうち半分の7名は育成から支配下に昇格した選手。支配下に昇格したことでようやくスタートラインに立った、という表現はまさに現実的な表現であることが見て取れます。

独立からスターへ

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現在、四国アイランドリーグ出身の現役選手は以上の13名です!育成から支配下へ、2軍から1軍へ、そして1軍定着へ。今回の又吉克樹選手の国内FA権取得や行使が独立リーグの選手たちに与える希望はとても大きなものです。

【速報】ソフトバンクへの移籍が決定

又吉克樹投手が福岡ソフトバンクホークスに移籍することが決定したと報道が出ています。新しいチームで、そして新しいリーグでの活躍が楽しみですね!

またBランクということでここから人的補償が発生するものと思われます。どの選手が中日ドラゴンズから求められるのかにも注目が集まります。

<文・構成>
藍スポ編集部 中俊輔(@SNaka99400680

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