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【音楽】鑑賞の授業をどう展開するか【特別支援教育】

今日は音楽の授業の中でも、『鑑賞』について話をしようと思います。
障がいのある子どもにとっての鑑賞はとても敷居が高いものです。
目に見えないものを聴き、それについての感想を述べるのです。
聞いただけで難しさを感じるのではないでしょうか。
実際大人でも難しいですよね^^
今日はそんな『鑑賞』について話してみようと思います。


そもそも音楽とは何か。

音楽とは様々な要素の集合体です。
例えばリズムであったり、音色であったり、メロディであったり…。
学習指導要領にも詳しくそこは書かれていますので見てみてください。
要はその一つ一つを理解することで、
音楽を理解することができるといえそうです。
何が言いたいかというと、音楽は可視化できるということです。

音楽を可視化するとは?

音楽は抽象的なものではなく、
楽器やリズム、音階など決められたルールの中で作られている。
そういう風に考えるのであれば、そのルールに従って、
一つ一つを具体的な物にしたり、時には具体例として表現することで、
音楽を見えるようにすることができます。
例えば、リズムは4拍子、3拍子などを体験したり、
イラストで四角や三角で表現することができるでしょうし、
速さは動物などをメタファーにして表現が可能でしょう。
音色はそのまま楽器で表現し、
曲調は喜怒哀楽などで表現できるかもしれません。
可視化することで、音楽の半分くらいは理解できそうです。

可視化することで見えてくる発展形

先ほどのように、音楽を可視化できるようになると、
自分が聴いている曲がどんな曲なのか表現できるようになります。
聞こえてくる楽器は、ピアノ。
速さはぞうさんのようにゆっくり。
リズムは4拍子。
曲調はやさしい雰囲気でのびのびしている。
このように自分でどんな曲か考えることができるようになると、
逆に自分で曲を作ることもできるのではないでしょうか?

みなさんの参考になるかわかりませんが、
私が実際に障がいのある子どもたちと取り組んだ授業は、
『自分の作った曲で、ラップをする』
というものでした。
曲はキーボードなどを使って、速さや音を作成し、
リズムは、歌詞に使いたい言葉から当てはめていき、
4分音符とできる子は8分音符を使って、
全部で8小節の自己紹介ラップを作りました。

その時の子ども達は、知的に重めの子も、
自閉症スペクトラムでこだわりが強い子もいて、
様々な生徒がいましたが、
ルールがはっきりしていることで、
自分から使いたい言葉や曲調などを選択して
ラップを完成させることができました。

音楽の授業は敷居が高いように感じるかもしれません。
しかし、ふたを開けてみれば、数学の延長線上にあり、
システマティックなものなので、
理解は案外容易です。そこに苦手意識があるだけです。
先生が知ろうとすればするほど、
子ども達も音楽に興味を持ってくれます。

まずは音楽を『鑑賞』でよく聞き、
音楽がどのように作られているのか探ってみましょう。
音楽は宇宙のように無限に見えて、実はよく作られたシステムなのです。

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