新しい現実におけるマーケティングで最も重要なのは、新しい問題をどう発見するか (ネスレ日本 高岡社長) #wmst2018
本日はワールドマーケティングサミットにアンバサダーとして、参加させていただいてます。
ちょっとオープニングは、コトラー教授の大魔神的な登場で取り乱してしまいましたが、午前中の講演1つ目のネスレ日本の高岡社長のプレゼンのメモを取りましたので、シェアさせていただきます。
高岡社長の講演は何度かお聞きしてますが、聞くたびにメソッドが確立されてきてて興味深いです。
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ネスレ日本高岡社長
■日本市場は先進国の中でも高齢化や少子化などの問題が先行して発生しており、市場の伸びは鈍化して当然と考えられていたが、現在ではジャパンミラクルと呼ばれる成功を収めることができ、通常の先進国の4倍の伸びを達成することができた。
■ネスレ日本においては、先進国における課題を先んじて解決するモデルになることを目指すことにした。
この際に、もう一度マーケティングやイノベーションということを紐解いてみることにした。
■まず定義をしてみたのが、リノベーションとイノベーションの違い
顧客が認識している問題を解決したものを「リノベーション」
顧客が認識していない問題を解決したものを「イノベーション」と定義してみた。
■例えば映像の世界において、絵から映画、テレビ、タブレットやスマホという変化はイノベーションであったが、ブラウン管から液晶や4Kなどへの変化はリノベーション。
だからこそ、液晶でテレビ市場を席巻したシャープは簡単に経営難に追い込まれてしまった。
■NRPSメソッド (New Reality Problem Solution)
ネスレにおいても実はイノベーションにはほとんど取り組んでこなかった。
そこでイノベーションを生み出すためのメソッドとして取り組んだのがNRPSメソッド。
新しい現実を知っている人は多くても、新しい現実からもたらされている新しい問題をきちんと認識することができれば、実は問題解決は難しくない。
■高齢化社会による新しい問題は「いかに健康なまま長生きするか」
つまり寿命と健康寿命のギャップをどう埋めるか。
■この問題は食品メーカーであるネスレ日本の問題ではなく社会問題。
つい食品メーカーの問題ではないと思いがちだが、そこに何をできるかを真剣に考えることが重要。
世の中ではこの問題に対する対策としてサプリメントを摂取するという選択肢が選ばれている。
では、これを食品メーカーが取り組めば何ができるかという視点で生み出されたソリューションがネスレウェルネスアンバサダー。
これを処方箋ビジネスと呼んでいるが、今まで食品メーカーではこのアプローチは世界的にもなかった。
■ネスレウェルネスアンバサダー
健康に良い栄養素を美味しく取ることができないか、という研究としてコーヒーやココアなど様々なモノとの組み合わせを試したが、唯一美味しく作ることができたのが日本独自の抹茶だった。
■ネスレウェルネスアンバサダーでは、まず健康に関する質問に回答してもらい、カプセルを選択する。
サブスクリプションのサービスに契約することで、ドルチェグストのマシンは無償で提供。
脳トレ的なゲーム会社とも提携し、ゲームも提供している。
■食事分析や、血液・DNAの分析サービスとも連携。
その結果に応じて食事のアドバイスや適切な商品の提案も行っている。
キットカットの抹茶にも栄養成分を含んだモノを発売している。
■2017年10月に開始して年末には16万人の会員突破をする見込
一月5000~6000円の会費で契約してくれていて、単純に100億を超える事業が1年で産み出された計算になる。
ここまで記事を読んでいただき、ありがとうございます。 このブログはブレストのための公開メモみたいなものですが、何かの参考になりましたら、是非ツイッター等でシェアしていただければ幸いです。