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引っ越しで学ぶ、必要なモノとそうでないモノ

先日、引っ越しをした。荷物を新しい部屋へ運び入れて、1週間以上経つが、まだ段ボールに囲まれている。とにかくモノの多さにうんざりしている。すべて自分のモノなのだが…。2年前に引っ越した際、相当捨てたはずなのに、それでもまだこんなにあるなんてと自分でも驚いている。これって本当に必要?というモノがわんさか出てくる、出てくる。これでもかってくらい出てくるのだ。

服はだいぶ捨てた。この数年で体重が増加し、「痩せたら着るかも」と取っておいた洋服は、「もう痩せないだろう」と考えを改め、半分近く捨てた。靴下の多さにも驚いた。同じような靴下がいっぱいだったので、これも半分近く捨てた。鞄もやたらとあり、こちらは捨てるのにちょっと勇気がいり、ちょっとだけ捨てた。玄関で眠ったままの靴やブーツも2足ずつ捨てた。

我が家で何より多いのは、書籍と器だ。仕事柄、どうしても書籍が増えてしまう。そして長年、紙媒体に携わっていたせいか、紙の本が好きなため、どうしても紙モノが増える。資料も紙モノでそろえてしまいがちだ。前の引っ越しのあと、開けていない段ボールの半分が書籍だった。小説、実用書、雑誌、新聞…。2年以上開けていないものは必要がないと割り切り、思い切って段ボールごとブックオフへ。お店の人が驚くほどの段ボールを運び入れ、300冊ほどあった本は1万5000円の現金となった。帰宅し、何がいくらで売れたかが分かるレシートを眺めて、思わず「あっ!」と叫んだ。大事にしていた(はずの)小説を売ってしまっていた。青春時代の思い出でもあり、今でも好きな本を尋ねられると、その小説の名前をあげていたのに…。レシートをよくよく見ると、その類のものを結構売り飛ばしていた。あぁ、やってもうた。でも、本当にまた読みたいと思ったら、図書館へ行くか、電子書籍で読めばいいさ…と開き直ってみる。極力、紙モノは増やさない方向でいこう。

器は、クラフト好きが高じて、ちょいちょい買い集めていた。撮影用と言って買い漁っていた時期もある。その器の数は、引っ越し業者が「何人家族でしたっけ?」と聞くほどだ。器もいくらか処分したが、なかなか思い切れない。今回、段ボールに入れたままだった器たちも全部出してみたが、食器棚に入りきらない様子を見て、しばらく器を購入するのはやめよう…と心に誓った。

そのほか、写真やら思い出の品の数々もたくさん出てきた。写真の入った箱を開けて、はじめのうちは懐かしさに浸って写真を順に眺めていたが、だんだん同じような写真がたくさんあることに気づき、いい加減イヤになってきた。写真はまだ整理中だが、三分の一には減らしたい。思い出の品の中には、プレイヤーがなければ聴くことができないカセットテープやレコードもあった。カセットには幼少期の私の声が録音され、レコードには幼稚園の卒園の思い出が収録されているようだった(聴けないので確認できない)。取っておくべきか否か。いつか何かで有名になったら、こういうものが取材資料として使われたりするのかしら…なんてことも頭を過る。だからと言って、また段ボールにしまって何年も開けないという状況もどうなんだろうか。結局、迷い中・要検討という札をつけた箱の中に入るものがどんどん増えている。

いずれにしても、モノが多いと引っ越しの際に「疲れる」と改めてしみじみ感じている。これからはモノを極力持たないように、増やさないように暮らしていきたい。新しい風に乗るためにも、身軽でありたいと思う。断捨離をこまめにやる人が、隙間ができるとそこに新たなものが入ってくるよと教えてくれた。これは人間関係も同じかもしれない。面倒な親戚関係も含め、心の中にある人間関係という重たい段ボールを開け、ちょっと整理しようかなと思った。


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