新米農家の農業論━━〇〇農法クロスオーバー
熊本県は南阿蘇村にて、新規就農へ向けて研修中の御木徳大と申します。
これまでNOTE上にあれこれと載せてきましたが、新規就農を目指しているのに肝心の農業について書いてこなかったので、ちょっと綴ってみたいと思います。
ひしめき合う〇〇農法
有機農業への関心が高まっていますね。
農薬・化学肥料によらない健康な農産物への需要があったり、持続可能な循環型社会を作るための基盤として求められていたり、あるいは不安定な社会情勢の中でも安定的に生産を維持する手段として期待されていたりと、要因としては様々のようです。
そういった社会の変化を敏感に感じ取った、という訳でもないのですが、私も新たに農業を始めるべく有機”的”栽培について学んでいるところです。
学んでみて見えてきたのは、農業という業界にひしめき合うように存在している方法論の数々。それぞれ農家の数だけ、それぞれのやり方があって、なかなか単純に”有機農家”と一括りにできないということです。
農業の勉強を始めてまだまだ一年余りですが、有機農業を中心に色々な農法について学んできました。
BLOF理論・炭素循環農法・自然農法・自然栽培・不耕起栽培・協生農法・ヤマカワプログラム・菌ちゃん農法、道法スタイル…などなど。
WEB上から拾い集めた独学の粋を出ないようなものもありますが、長年農家の経験と勘としてブラックボックスに包まれて来たような情報に誰でもアクセスできるようになっていて、本当に良い時代になったものです。
農業についての予備知識を全く持たない状態から始まって一年余りを駆け足で学んできましたが、とにかく新鮮な驚きの連続で、とても刺激的でした。
一番初めの入口がBLOF理論だったのが良かったのかと思うのですが、理論的・化学的な視点をある程度持った上で多様な農法論を横断していってみると、異なる方法論の中にも共通する考え方を見出すことができて「なるほどここが栽培の勘どころなんだろうな」などと思えたりして、自分が将来的に農業に携わっていく中で活かしていきたいポイントを少しずつ押さえることができています。
まだまだ勉強中なので具体的な実践はこれから、という段階ですが、多様な理論・理屈・方法論を自分の畑の上に落とし込んでいくのはきっと楽しい作業になるだろうなぁと、ワクワクしています。
〇〇の壁
一方で、農業という業界の中に存在するある種排他的な雰囲気も感じ取られてしまいました。
農薬・化学肥料を利用する慣行農法と、それらに頼らない有機農法との対立構造にはなかなか根深いものがありますが、広い意味で”オーガニック”と括られる様々な農法の間にもそれぞれの主義主張があって、ケンカする訳ではないまでも「ウチはウチ。あいつはあいつ。」とお互い相容れないことがしばしばです。
もしかするとこのあたりに、私のようなズブの素人から参入する新規就農者の存在価値が見いだせるのかも知れないと思えてきました。
何にも知らない、無知な人間であるからこそ、ベクトルの異なる個々の農法が指し示しているものから共通項を読み取っていくことが出来ます。
本来、植物にとっては〇〇農法も何もないはず。直感的に「面白い!」と思えたことをなんでも取り入れていける柔軟さは、農業界に関わらず全ての新参者に許された特権かも知れません。
新米農家の農業論
という訳で、まだまだ実績も何も無い、浅学なペーペーであることは自覚した上で、しかし現時点での私なりの農業論を現段階から綴ってみることを思い立ちました。
実践的な裏打ちの無い、まさに机上の空論となってしまうかも知れませんが、新規就農に向けて日々試行錯誤する中で私が感じた面白さを伝えることはできるはずです。
その上で、これから私なりの農業を私なりの形にブラッシュアップしていけたら、多様な農法をクロスオーバーした新しい農業のあり方を見つけられるかも知れない。そんなことを夢見ています。
間違っても単なる農法批判になってしまわないように、とにかくそれぞれの農法を実践する先駆者の皆さんへのリスペクトを欠かさないようにしながら新しい視点で切り込んでいくことを目的としています。
ということで「新米農家の農業論」を綴ってみます。とりあえず、序文として。
きっとお目汚しとはなってしまいますが、どうぞよろしくお願いいたします🙇
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