笑いたいときに読む本3冊(読書感想文)
ここ最近読んだおもしろかった本3冊の読書感想文。
絶叫委員会 穂村弘著
「有隣堂の知らない世界」というYouTubeが好きでチャンネル登録してる。
ときどきそのチャンネルの生配信で、視聴者ユーリンチーがチャットで寄せたお悩みを解決するのにぴったりな本を紹介する日があって、これが本屋さんのチャンネルだから、聞いたこともない本が紹介されてておもしろい。
ユーリンチーからのお悩みはこう。
そこで紹介されていた本が、穂村弘さんの「絶叫委員会」。
私の読書歴がここ数年なのと、自分でおもしろい本を見つける嗅覚が弱くて知らない本が多いこともあるかも知れないけど初めて聞いた方だがどうやら歌人らしい。
チャットを見ていると「穂村弘さんだ!」「ほむほむ来たーーー」などの書き込みが見える。
歌人ならではなのか、なんか今の変じゃなかった?という身の回りにあるおもしろい言葉を拾った短い話がたくさん載っていた。
よくもまあそんな言葉拾ったねと思うような、変な言葉を拾ってくる。言葉にまつわる話がふふっと笑える。
絶叫委員会というくらいだから、絶叫するかといえばそこまではしない。だけど拾った言葉が持つ裏の意味、旨み、恥じらい、妬み、嫉み、disり、そんなことが感じ取れて面白かった。
ふかわりょうのネタに近い面白さを感じる。嫌いじゃない。
ほむほむ、やりよる。
ないもの、あります クラフト・エヴィング商會著
「センスを磨くにはどうしたらいいですか」
これも同じ有隣堂しか知らない世界の生配信に寄せられたお悩み。
ここで紹介されたのが、クラフト・エヴィング商會の「ないもの、あります」。
この本もすごく面白かった。どちらかというと絶叫委員会よりこちらの方が私は好きだ。
名前は聞いたことがあるけど、実際には存在しないもの「ない」ものを取り扱っているお店の設定のようだった。
このお店で取り扱っている商品の中で私が欲しいと思ったのは「他人のふんどし」だ。
なんかお洒落なんだよな。言葉とか、商品の品揃えとか、言い方とか。
商品の特徴と一緒に、使う際の注意事項も伝えてくれるんだけど洒落が効いててセンスあるなと思わせる。
椎名林檎が和な丁寧語みたいな言葉をたまに喋るけど、それを思い出させる言葉遣い。
現実世界じゃなくて、よくわからないけど1.5次元の世界に迷い込んだらたまたま変なお店があって、妙に丁寧な店主が悩みを聞いてくれて思わぬものを出してきてくれた、みたいな。
商会の会の字を「會」と書くところからして何かを感じる。
読み終わってもまだクラフト・エヴィング商會が読んでみたくなって、Amazonの欲しいものリストがクラフト・エヴィング商會で埋まった。
もものかんづめ さくらももこ著
昔一度読んだ本だけど、なぜかあらためて読みたくなってまた読んだ。いいね、さくらももこ。
身近な出来事を例え話を交えておもしろい話にしていくおなじみの型のエッセイ。
まだスマホはもちろん携帯もなかった時代だからなのか、さくらももこだからなのか、いい具合に全てがゆるいのがやっぱりおもしろい。
私が好きなシーンは、銭湯に行ったら信じられないくらい熱い湯船があって、なんでそんな湯船があるんだろうと友だちと話しているシーン。
今の時代なら、熱湯は血液や筋膜や細胞やらにこういった理由で効果的で、しかもああいったことも作用するからとても素晴らしんだよと言いそうなところ、
銭湯の湯が熱いと言われた友だちが言ったセリフはこう。
なんの根拠もなければ、思わず「どういうこと?www」と聞きた返したくなるゆるい返事。
「ソースは?」とか「エビデンスは?」とか「それってあなたの感想ですよね」とかいうギスギスしたことが無いのが良い。
20年近く前に出た本だから、その当時はそれが普通のことだったのかも知れないけど、今読むとなんとも平和でとぼけた返事をしても全然OKで読んでるこちらも納得できちゃう感じ。
今また読んで、こういう平和な会話が尊いと思った。
笑いたいときに読みたい本というタイトルだから、おもしろかった話をあげると「メルヘン翁」とか本当は笑っちゃいけない場面かもだけど、さくらももことお姉ちゃんのやりとりに釣られて笑ってしまう。
いいね、さくらももこ。また読んでよかった。
もう新しい本が読めないと思うと寂しいけどたくさんの本が出てるから他も読み直そう。
この数ヶ月はよく本を読んだ。他にもいろいろ読んだけど中でもおもしろかった本を。
「笑いたいときに読む本3冊」の読書感想文でした。
また楽しい本に出会ったら書くとしよう。
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