サンヤツの思い出(やらかしたバージョン)
こんにちは。営業部のNです。
出版広告に携わり、かれこれ30と数年。「ソフト老害」の言葉が気になり始めた今日この頃です。今回はサンヤツの思い出などを綴ってみようと思います。
サンヤツとは、このコラムで以前にも出ていましたが、新聞の1面下にある8つの枠の書籍広告ですね。出版広告の基本とも言えるものです。私は昔も今もこの広告を追っかける毎日です。
あれは90年代後半のことだったでしょうか。現在はサンヤツもデータ入稿が主流となっていますが、当時は生原稿を製版所で組んでもらい、校正を繰り返したのち、フィルム・紙焼きで新聞社に入稿、というシステムでした。
そんな時代に、ある出版社さんの「コンピュータ〇〇」(特定を防ぐため伏せます)という本のサンヤツを某全国紙に掲載した時のこと。掲載日の朝一番で、その出版社の社長から電話。こういう時は大体掲載ミスの場合が多いので、緊張が走ります。
社長「あんた今日の新聞見た?」(女性社長です)
私「(やはりミスか?)ちょっと待ってください」
慌てて会社の新聞を取りに走る。1面を見る。掲載はされている。電話か住所の間違いか?・・・。
私「えーと・・、電話も住所も合っていますよね?」
社長「よく見てみなさい!」
(誤植か?著者名の間違いはこっちではわからないしな・・)
当時はホームページも持ってない時代。著者名とか本の値段は校正で先方に確認してもらうしかありませんでした。
私「・・・えーと、どこが違ってます?」
社長「タイトル読んでごらんなさい。」
私「コンピュータ・・、コンピ・・、あれ、コンピーュタ・・あははは!」
社長「笑ってる場合じゃないでしょ!」
そうです、コンピュータの音引きと小さなュが逆になっていたのです。しかもタイトルなので一番大きな書体で・・・。
そりゃあもう謝り倒しましたよ。「スミマセン」を呪文のように。
ありがたいことに当時は出版界もまだ好調なころ。時代もおおらかだったのでしょう。校正ゲラを3校、4校と先方の担当者様に見ていただいていたこともあり、痛み分けと思っていただけたのか、お小言のみでそれ以上のペナルティはありませんでした。
あとで調べた結果、初校から既に間違えていました。この原稿に関わった人を数えると、私、弊社制作部の担当、製版所の営業さん、製版所で組む人、版元の担当さん、新聞社の担当営業、審査部。少なく見積もっても7人が目にしたであろうその原稿は、誤植を見つけられないまま、堂々と全国紙の1面を飾ったのでありました。
翌日、その掲載紙を持ってお詫びにあがったところ、特段影響もなく、「まったくしょうがないわね、気を付けなさいよ!」という半分笑い話で終わりました。今の時代だとSNSで拡散されて、2次被害、3次被害が起きても不思議ではありません。あー恐ろしい。
今となっては笑い話ですが、やはりミスはあってはならないことです。現在は弊社もチェック体制が2重3重になっており、ホームページで正確な情報も得られるようになりました。そのおかげでこのようなミスは格段に減りましたが、やはり営業担当なるもの、お客さまの原稿にはきっちり目を通すくらいの余裕を持って仕事をしたいですね。自戒を込めて。
お付き合いいただき、ありがとうございました。
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