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28歳、ボルトと過ごす日々。9

 年が明け、立春が過ぎ、木の芽が膨らんで梅が咲く今日この頃。
生きとし生けるものが春のひだまりを待ちわびている。私もひだまりを探し求めている。

ひだまり。心安らぐ場所。見つけた、と思っても心はまた別の居場所を求めはじめる。

「何か違う。」「あ、楽しい!」
この感覚こそ、人生の羅針盤。

時には後悔することもあるある。
けど、いつ死ぬか分からない時を、世間体やしがらみで縛られるのは、おかしくない?

ふとバスの窓に映る自分の顔。
まるで、生きた屍のような顔をしてる。

見返していた写真の中の自分。
キラキラ瞳が光ってた。

この世界をとことん楽しんでる、充実した顔。

あの頃の自分はどこに行った?

焦りのような、哀愁のような、不思議な感情がたちこめる。