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3学期、「読書家の時間」のはじまり。ブッククラブ。取り戻しつつある授業づくりの喜び。最後にお誘い。
作家の時間はこんなふうにはじまった。
今回は、読書家の時間についても書いてみようと思う。
ここまでの「読書家の時間」では・・・
2学期から3,4年生でのグループになり、新体制で「読書家の時間」もリスタート。「つべこべ言わず、まずは、とにかく日常的にたくさん読もう!」ということで、日々、そのための習慣づくりや選書につながるレッスンをし、自らの読書週間や読みの体力を知るためにも、毎日読書記録をつけてきた。なかには、4ヶ月で5万ページも読み上げる人も。はじめは実感しやすい「量」のアプローチから。
こちらの著作にもある「優れた読み手が使っている方法」を3,4年生向けにアレンジをして、たくさん読んでいくなかでも、繰り返し意識的に使ってきた。僕は、読書家の時間では、必ず絵本の読み聞かせからはじめる。
ただの読み聞かせではなく、「対話型」で進める読み聞かせ。先ほどの「優れた読み手が使っている方法」を使いながら、自分の経験や知識とつなげて考えたり、予想してみたり、問いについて考えたり、話の中で大事な部分を探してみたりする。
他の人と話し合いながら読み進めていくことによって、自分の読みと他の人の読みの違いに気づいたり、違いから気づくことがあったり、より本の内容への理解が深まったり、自分なりの解釈が見えてきたりする。10冊も20冊も繰り返しやってきた。
ざっくりとそんなことがベースにありつつ、3学期はいよいよ「ブッククラブ」にチャレンジしていく。本来は、1学期、2学期、3学期と年間通してテーマやジャンルを変えてやっていきたいところだが、今年は様々な事情でそれは叶わず。
一人読みだけでは、伸び悩む人はとことん伸び悩んでしまう。最後に、みんなで同じ本を読んで語り合うことの楽しさと仲間がいるからこそ学びが深まったという実感を持って1年を終えたい。
「ブッククラブ」をやろう!
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そんなわけで、3学期のはじまりは「ブッククラブ」の準備から。1時間目は、改めてグループづくりのために、読むことについてのアンケートを実施(冒頭の『読書家の時間』掲載の資料がベース)。2時間目は、ブッククラブについてのインストラクション。この人たちは、ブッククラブは今回がはじめらしい。ブッククラブについての説明から入る。
「みんなで同じ本を読んで、読んだ本について話し合うのがブッククラブです。サッカークラブとか、スケートクラブみたいに、僕たちは本を読むことについて一緒に学び合っていく仲間。今回ブッククラブははじめてだと思うけど、実は、すでにこれまでみんなは小さなブッククラブをたくさんやってきているんだよね。ブッククラブとは呼んでこなかったけど。そうそう。読み聞かせ。読書家の時間では、ただ本を読み聞かせするだけじゃなくて、合間に僕がみんなに投げかけて、それについておしゃべりしながら読み進めてきたよね。それこそがブッククラブ。ただ、これからやる本格的なブッククラブでは、自分たちで本を読んで話し合う場をつくります。話し合うことを決めたり、話し合う価値のある質問を考えたり、話し合い自体を振り返ったり。いきなりは難しいと思うから、短い時間でやってみるところから、少しずつ小さくチャレンジをしていこう。では、ところどころブッククラブにつながる解説をしながら今日は読み聞かせしていくね。」
こうして読み聞かせに入っていき、改めて、「優れた読み手が使っている方法」の中でも、扱う「質問(問い)」が話し合いの良し悪しを決めるということ、本の内容の大事な部分に関わる答えのない「太った質問」が重要で、さらにいうと、最終的には「自分なりの考え」を持つ、「感想」みたいなライトなものから「解釈」と呼べる厚みのある考えをつくっていくことを目指していきたいと伝えた。来週からいよいよブッククラブに入っていく。
授業づくりの喜びを取り戻す
と、ここまで確信を持って子どもたちには肝となる部分を、これまでみんなで積み上げてきたこととつなげて伝えてきたが、僕自身、ブッククラブの授業の経験は浅い。最後にやれたのは、公立時代の2年間のみ。その時は、今よりももっとまだまだな授業だった。風越に来てからは、様々な事情で、年間通して同じグループで同じ授業を持った年が一度もない。
僕にとってもチャレンジングな3学期になりそうで、文字通り、ドキドキワクワク。改めて、『ブッククラブ』の本を読み返したり、校長岩瀬ゴリさんの10年以上前の実践を参考にさせてもらったり(マジありがてえ)、同僚あすこまとも過去の実践や課題図書についてやり取りしたり、課題図書になりうる児童書を読み漁ってみたり。久しぶりに、授業準備のためにまとまった時間と思考を費やしている気がする。
それって一見大変そうに見えて、実は、これ以上にない幸せなことだ。今年度は、僕にとって、そういう授業づくりの喜びを取り戻しつつある1年になったと思う。読書家の時間に限らず、至るところでそれを感じる。つくりだす喜び。積み上げる喜び。今年度は、たびたび、2018年奈良公立最後の年のことを思い出す。
ちょっと最後にお誘い
そんなわけで、今年はこんなスタートを切っているが、まだまだ未完成なものも含めて、どんどん書き綴っていこうと思う。それは、授業づくりの「つくりだす喜び」「積み上げる喜び」につながることでもある。書くということは、「つくりだすこと」と「積み上げること」そのものだ。
僕のタイムラインではよく目にする「自由進度」だの、「個別最適」だの、「探究」だの、そういう概念の方に自分を寄せていくものではない。自ら概念をつくりだす営み。なかなかタフなことでもあるので、仲間や場が必要。
今年は、こういう場を開いて仲間を募り、つくり出し、積み上げていく、ということもやっていきます。締め切りが明日なのだけど、気になる方はぜひ、ご一緒しましょう。
ではまた。
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「きょういく」と「はたらく」をぼんやり考える
30代になったばかりのぼく、「とっくん」こと片岡利允が、「きょういく」と「はたらく」にまつわる、日々の気づきや関心ごとについて綴っていく雑…
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