「エクセル」商品企画担当が語る!コスメの“色名”はこうして生まれていた(後編)【社員インタビュー】
「TOKYO RICH CASUAL」をコンセプトにトレンドメイクを提案するメイクアップブランド「エクセル」。
前編では、エクセルのコスメができるまでの過程や、大ヒットした「プロテクティブ UVエッセンス」の開発秘話に迫りました。
今回はSNSでもたびたび話題になる「コスメの色名がどのように生まれているのか」について、プランナーのナカムラとモトミヤに聞いてみました。
プランナーという職業に興味がある方へのアドバイスも必見です!
【プロフィール】
心ときめく色名は「化粧品じゃないモチーフ」がヒント⁉
- 商品づくり一連のなかで、一番大変なことは何ですか。
ナカムラ:一番は色名を考えることです。エクセルのカラーアイテムは、一つの商品で5色以上色展開をすることが多く、一つの色味に対して3つ4つ候補を出していくので、合計何十パターンも色名を考えたりしています。
しかし「これでいきたい!」となった色名が、他社から登録されている商標で使えないケースが本当によくあるので、「これが言いたかったのに言えない」ということが多く、かなり苦戦しています。
- エクセルは昔から色名にこだわりを持っているのでしょうか。
モトミヤ:2013年発売の「モイストケアリップ」は「ピンクベージュ」などのわかりやすく一般的な名前ですが、2018年発売の「リップスーツ」から情緒的で特徴のあるワードを入れるようになりました。それが好評だったので今に続いています。
- 情緒的なワードを入れるようになったきっかけは?
モトミヤ:エクセルは「化粧品を使うときにときめきを感じてもらいたい」「少しでもメイクをすることを楽しんでもらいたい」という想いを持ったブランドです。ときめきを感じてもらえるように、色名に個性やこだわりを持ってつけるようになりました。
- 2020年に登場した「アイプランナー」は20色の同時発売でしたね。
ナカムラ:「アイプランナー」は色名だけでなく色説明もあるので大変でした。色説明も「赤みよりのピンクベージュ」といった普通の表現ではなく、「まるで夢物語なライラックピンク」など、情緒のある言葉選びをしています。
こういった表現の仕方は難しいですが、やりがいがありますし、お客さまにも響いている部分だと思うので、注目してもらえたら嬉しく思います。
- 色名のインスピレーションはどういったところにあるのでしょうか。
ナカムラ:その色から感じられる情景や食べ物など、化粧品とは少し違うモチーフを使って、メイクをしながら想像が膨らむような色名を意識しています。「なんとなくかわいい言葉だから付けちゃえ」ということはなく、「この色だからこの色名なんだな」というわかりやすさは必ず持たせるようにしています。
- お気に入りの色名はありますか。
ナカムラ:2021年2月に「異国情緒」というテーマでネイルポリッシュを限定発売したのですが、それは色名も色説明もすべてテーマに合わせて考えた、お気に入りのコレクションですね。ちょうどコロナ禍に入ったタイミングで、旅行や海外の気分を感じてもらいたいという想いで作りました。
- 「ピスタチオパイ」なんてなかなか思いつかないです!
ナカムラ:海外旅行が好きだったので、現地での体験や写真を振り返って、そのときに気になったことや「この国にはこういうものがあるんだ」という感動を思い出しながら、頑張ってひねり出しました。(笑)
「ピスタチオパイ」は外国の街を歩いていて出会うちょっと珍しい味、という発想で作りました。「ソルティレイク」はウユニ塩湖を連想するような名前にして、色味もキラキラさせています。
「アンテロープクリフ」は、アメリカのアンテロープ・キャニオンをイメージしました。赤茶色の壁がそびえ立ち、太陽の光が入ったときの輝きを伝えたくて。「ランタンフロート」も台湾のランタンを想起できるよう、異国感をイメージしてつけました。
色味と色名、テーマのリンク性はこだわっている部分です。実際にこの異国情緒コレクションはお客さまの反応も良かったので思い入れのある商品ですね。
- テーマを先に決めてから色を作るのでしょうか。
モトミヤ:どちらの場合もあります。先に色のイメージを決めてからそれに合ったテーマを作ることもあれば、先にテーマを決めてそれに合う配色を考えることもあります。特にルールは設けておらず、その都度やりやすい形で開発しています。
- 色名にも注目ですね。
ナカムラ:個性のある「エクセルならではのコピー」を感じてもらえるようにこだわっています。言葉に対する想いも伝わったら嬉しく思います!
プランナーはチームの「旗振り役」
― お話を聞いていると、プランナーのお仕事には判断力が求められるシーンが多そうですね。
ナカムラ:そうですね。サンプルワークでは、変更したほうがいい箇所は考えを柔軟にして臨機応変に対応していますが、迷いすぎるとどんどん判断できなくなってしまうので、できる限り最初に持っていた意志やイメージを強く持って進めるようにしています。
― プランナーに向いているのはどんな人だと思いますか。
ナカムラ:プランナーはチームの旗振り役なので、こだわりと信念のある人が向いているかもしれません。私はプライベートでは、遊びに行くときやご飯を食べるときも人に委ねるタイプですが、プランナーにおいては自分で意思決定することを強く心がけています。
プランナーがみんなを引っ張っていくという立場が理想だと思っているので、心の中では迷っていても、意志が強いふりをして強く発言したりすることはあります。それが反省点だったりする部分でもあり、頑固になりすぎるのは良くないのですが…。
- モトミヤさんは商品を作る上で心がけていることはありますか。
モトミヤ:私は直観的で好みがはっきりしているタイプなので、色や質感を選ぶときは“きゅん”とくるか、客観的に自分が買う立場と想定したときにテンションが上がるか、というところを判断の軸にしています。自分の意見も持ちつつ、なるべく独りよがりにならないように、他ブランドの先輩の意見も参考にしています。
自分の作った商品がお客さまに届く喜び
- モトミヤさんはプランナーになって半年ですね。
モトミヤ:異動する前はエクセルの販売促進を担当していました。その後、入社して1年目で歴史の長いブランドの商品企画担当になり、経験もない中で、プレッシャーや不安ももちろん感じました。
ですが、それ以上に、新人のうちから大きなブランドを任せてもらえることへのありがたみや喜びを強く感じています。毎日のように気分の高まる化粧品に触って自分が好きだと思える色を追及して…。
やっていることは楽しいことばかりです。不安やプレッシャーに押しつぶされないように、むしろそれをやりがいや頑張る原動力にしたいと思っています。
- ナカムラさんにとって、これまでで辛かったことは?
ナカムラ:お客さまの反応がリアルにSNSに上がってくるので、商品に対する悪い口コミを見たときや、実際の売上に繋がっていないときは、シンプルにへこみます。
でも私もやっていて楽しい気持ちの方が強いです。これだけ多くの方に愛されているロングセラーのブランドを担当させていただいているということや、自分が作った商品が実際にお客さまに使っていただけるというのはとてもすごいことだと思うので、そのありがたみを日々感じています。
- 最後に、今後エクセルで挑戦してみたいことはありますか。
ナカムラ:コロナ禍に入ってまだまだ先が見えない状況の中で、「UVエッセンス」や「セラムオイルクレンズ」などのスキンケアアイテムを発売しました。
エクセルはアイシャドウやアイブロウの人気が高いですが、こういったメイク以外のカテゴリや、今までエクセルを使っていなかったお客さまにも手に取ってもらい、「おもしろいな」「エクセルってこんなことができるんだ!」と思ってもらえるような、新たなカテゴリのアイテムを作っていきたいと思っています。
モトミヤ:「UVエッセンス」や「セラムオイルクレンズ」では、香りに対しても良い評価をいただいています。こういったエクセルの香り物にファンがついていったら良いなと考えていて、今後も挑戦してみたいことの一つです。
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今回のお話は以上です。最後までお読みいただきありがとうございました!
エクセルは使いやすく豊富なカラー展開を褒めていただくことも多いですが、実は色名にもプランナーの熱~いこだわりが詰まっています。
前編では、今回触れた大人気「UVエッセンス」の開発秘話もご紹介しているので、ぜひ読んでみてくださいね。
気になるアイテムがあれば、ホームページでぜひチェック!
これからの新商品も楽しみにしていただけたら嬉しいです!
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