Cube EscapeシリーズとRusty Lakeシリーズは真の脱出ゲームだ
突然だが私はあまりゲームをやらないほうだと思う。それでも少しはやっているものはあり、面白いなと思ったものはアウトプットしてゆきたい。
"Cube Escape" あるいは "Rusty Lake" といったタイトルのゲームをご存知だろうか。これらは超ざっくりいうと、真に骨のある脱出ゲームの連作シリーズだ。製作陣であるRusty Lakeチームは、オランダのアムステルダムを拠点にしている。
Rusty Lake公式サイト
映画のような面白さ
最初に言っておくと、私は脱出ゲーム(あるいは謎解きゲーム)がチョー苦手だ。ストーリー上必然的に推理できる謎解きならばいいのだが、大半は理詰めではなく直感に頼らないと解けない部分が多いからだ。「そもそもなんでこんなところにヒントが書いてあるんだ?」「なんでこんなギミックで鍵がかかっているの?」などと考えてしまい、それがストーリー内で説明されておらず、単にゲーム制作者の趣味とかそういうメタな部分で完結していて、画面内の登場人物が必要があって作ったものであることが明言されていなかったりすると、私はキレて思考放棄状態になり、攻略サイトを見に行ってしまう。
そんな私が脱出ゲームに求める要素は2つだ。
1. ストーリー性
これがないと始まらない。謎解きが苦手な私にとって、ただ謎だけが提示されるのは苦痛に他ならないからだ。謎を解くことによってストーリーが判明してゆく過程こそが面白い。
2. 適度なホラー成分
ホラー要素は過剰にあると困るが、あった方がよい。謎が解けないときのもやもやを、怖さが打ち消してくれるのだな、きっと。ホラー成分がない謎解きは気の抜けた炭酸飲料のようだと感じてしまう。ホラーに代替するアトモスフィアがあるのなら、それでも良い。この連作には共通して不穏さが漂っている。
これは映画や演劇とかでも同じなのだが、脚本と演出の2つは車の両輪であり、2つが揃って初めて作品となる。逆に言うとこの2つが揃っている脱出ゲーム(謎解きゲーム)は映画のように面白い。
攻略動画を公式が用意している
Rusty Lakeの脱出ゲームは、公式が攻略動画を公開していることで有名だ(ゲーム内にリンクがある)。これはかなり優れたシステムだといえるだろう。ただ、映像だとサクサク進んでしまい、衝撃の「エーッ」みたいなシーンを見てしまう可能性もあるので、個人的には、謎解きに詰まってピンポイントでヒントが欲しいときは、一般的な攻略サイトを見に行くことをおすすめしたい。
PCでもスマッホでもプレイ可能
私は全部スマッホ版でプレイしたのだが、PCでも普通にできるようだ。以下リンクを貼ってゆくが、PC版のページに飛ぶので、スマッホで済ませたい人はストアとかに行って検索してみてください。
日本語対応は途中からだ
基本的には英語だが、アイテムの名前が表示される程度なのでとくに問題はない。ただ、シリーズがウケてRusty Lakeチームに開発資金が溜まってきたと思われる途中あたりの作品から、日本語対応が標準装備になった。
無料シリーズと有料シリーズがある
Rusty Lakeの連作には無料のシリーズと有料のシリーズとがある。無料シリーズが"Cube Escape"、有料シリーズが"Rusty Lake"だ。実は両方とも一つの時系列上の出来事を切り取った作品であり、各々が単体のゲームとしての面白さを持っているものの、全体が繋がって次第に大きな謎が見えてくる構造になっている(いわゆるカットアップ手法だ)。
とくに有料版であるRusty Lakeシリーズは、それだけを買って遊んでも大丈夫なように、割と単体でいきなりプレイしても面白くできているので、300円ちょいを払ってゲームをすることに抵抗がないのであれば、個人的には次の作品から始めても良いのではないかと思っている:
Rusty Lake: Roots
比較的最近のリリースであり、いろいろと改善点が盛り込まれているので初心者向け。日本語対応しており、謎解きの難易度もそこまで厳しくなく、ホラーというより不穏といった感じで、一つの映画のようなのでおすすめだ。
ちなみに無料版であるCube Escapeシリーズは比較的連続性があり、1作目から順番にプレイした方が面白いと思う。
作品リスト
基本的に内容を話すとネタバレになって面白くないので、ここではしない。リリース順に作品を並べてみる。ちなみに作品ごとに一人称視点のキャラクターが変わる(やってみるとわかる)。
Cube Escape: Seasons
1作目。すべての始まりはここからだ。こわい。
Cube Escape: The Lake
2作目。湖で釣りをする。
Cube Escape: Arles
3作目。あなたはゴッホになる。
Cube Escape: Harvey's Box
4作目。段ボール箱の中にいる。
Cube Escape: Case 23
5作目。刑事となって殺人事件を捜査する。このあたりからストーリーが急展開し、連続性が顕著になってくる。
Cube Escape: The Mill
6作目。水車小屋のなかにいる。
Rusty Lake Hotel
通算7作目。ここで初めて有料版の作品がリリースされた。奇怪なホテルの謎。
Cube Escape: Birthday
通算8作目(Cube Escapeとしては7作目)。誕生日パーティーだ!
Cube Escape: Theatre
通算9作目(Cube Escapeとしては8作目)。アプリ版ではここから日本語対応し始めた。
Rusty Lake: Roots
通算10作目。不穏なる一家の謎。
Cube Escape: The Cave
通算11作目(Cube Escapeとしては9作目)。洞窟だ!
Rusty Lake Paradise
通算12作目。現時点での最新作。ここまでくると作品ごとに「うおおそうだったのか」的な衝撃の連続です。
未来へ
Rusty Lakeの物語はまだまだ終わってはいない。むしろこれからさらにストーリーの根幹にかかわる謎が分かってくるのだと思う。Cube Escapeシリーズ、Rusty Lakeシリーズともに続編のリリースが楽しみです!!
【追記】
2018年9月に最新作”Cube Escape: Paradox”がリリースされたので、「やったよ!」報告も兼ねて記事を書いています(例によって内容には触れていませんが、新規にプレイする人が増えたら嬉しいです!)