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尊い実り

今年は梅の実が豊作でした。
収穫しながら、こんなに元気になってくれたんだなぁと木の生命力に驚かされ、胸がいっぱいになりました。
山盛りのカゴを眺めていると、一粒一粒がこの木の分身のように感じる。
大事にいただこう、と思いました。

梅の木は、よそのお宅を更地にする時にお庭からいただいてきたものです。
あまり手入れもされていなくて、いびつな樹形の老木だったけど、何もない庭に植えてみると、四季折々の楽しみを与えてくれました。
移植後、最初の数年はとても弱っていて、このまま枯れてしまうんじゃないかと心配していましたが、今回の豊作で「もう大丈夫だよ」と言われているような気がしました

最近読んだ本に書かれていたことを思い出しました。
昔の日本人は人間と自然を分けて考えず、一体のものと捉えていた。
作物は天の恵みだと感じていたから、「なった」「できた」と言っていた。
感謝の気持ちが信仰や祭事にも表れていた。
それがいつの間にか、欧米の文化に影響されて、人間と自然を区別する考え方に変わってきた。
作物を人が自然に手を加えた結果できたものと捉え、「育てた」「作った」と言うようになった。

人がいくら手を施しても、最後は木の生命力に頼るしかない。
自然が与えてくれるものに対して、人間ができることはほとんどない。
それを忘れないようにしたいと思いました。

ありがとう。いただきます。

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