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【ビジネス書を読む時間がない若手金融会社員・就活生向け!】決算書の読み方(3/4)

前々回から、決算書の読み方について記載しています

  • 銀行員として、融資を行う前に必ずお客様の決算書を確認します

  • 決算書の読み方を理解することは必須スキルと言えるでしょう

  • そもそも決算書とは、企業が会計年度ごとに作成する計算書類のことを指します。会社法上、全ての会社に作成が求められています

  • 決算書を読み解いていくことで、会話だけでは見えてこないビジネス・財務の状況や商流のイメージが湧いてきます、決算書は情報の宝庫です

  • 先ずは、決算書の主な構成について確認したいと思います

  • 以下の他に、勘定科目内訳明細書等の詳細頁が含まれます

  • 決算書を確認した上で、財務分析(様々な指標を算出の上、財務健全性・返済蓋然性等を分析)を行うこととなります

  1. 貸借対照表

  2. 損益計算書

  3. キャッシュフロー計算書

  4. 株主資本等変動計算書


本日は、「キャッシュフロー計算書」について、詳細を見ていきたいと思います

キャッシュフロー計算書

  • キャッシュフロー計算書は、企業の一会計期間におけるキャッシュフローの状況を報告するために作成されるものである

  • 企業の活動を大きく3つに分け(営業活動、投資活動、財務活動)、夫々のCFを合計することで、企業活動全体の現預金収支を確認します

  • 主な構成は以下の通りです

【キャッシュフロー計算書の主な構成】
  • 営業CFは、営業活動におけるCFを示しています。
    プラスの場合は、企業の一定期間における通常営業活動においてプラスの現預金が生み出されており、マイナスであれば、利益が出ていたとしても現預金はマイナスであると捉えることができます。
    企業の収支を捉える上で基本となる数値であり、プラスであることが望ましいです
    (マイナスである場合、設備投資は全て資金調達が必要ということになるため。また、借入を継続すると借入過多となるリスクがあります)

  • 投資CFは、営業CFを生み出すための設備投資、投融資などの投資活動や、資産売却等に係る資金の出入りを示しています。
    設備投資の内容や業界の適正水準と比較した上での分析が必要です。
    営業CFがプラス、投資CFがマイナスであれば、営業活動でプラスの現預金を確保しており、さらなる拡大を図るために投資を行っている、と捉えることができます

  • フリーCFは、営業CFと投資CFの合計であり、営業CFで生み出した資金の範囲内で投資を行うことが望ましいとの考え方から、プラスとなっていることが理想です(銀行融資を行うという観点から)

  • 財務CFは、営業・投資活動に対する資金の過不足に対して、資金を調達したか返済したかを示す指標です
    フリーCFがマイナスである場合は、増資や借入を行い財務CFがプラスとなっていることが多い印象です

  • フリーCFマイナスが数年継続している場合は、本業に係る企業活動で資金流出が続いているということを意味しており、創業当初或いは成長局面であれば問題ないですが、業績悪化(市場規模縮小、自社マーケットシェア縮小等)によるものである場合は要注意です

  • 上記3つのCFを通して、最終的に現預金増減を確認します。プラスである場合でも、区分別に詳細を確認することが大切です

いかがでしたでしょうか
今回は「キャッシュフロー計算書」について記載しました
次回は、「株主資本等変動計算書」について記載したいと思います。お楽しみに!


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