風間ユカ/トキノキオク舎

日本の地域に古くから残る小さな風習、伝統、祭りなど、日本民俗学を通して、初心者向けに伝える活動をしています。ガイドブックには載っていないディープなツアー「トキノキオク旅〜こころで感じる、あるく民俗学〜」や講座を、女性限定・少人数で開催。トキノキオク舎代表。

風間ユカ/トキノキオク舎

日本の地域に古くから残る小さな風習、伝統、祭りなど、日本民俗学を通して、初心者向けに伝える活動をしています。ガイドブックには載っていないディープなツアー「トキノキオク旅〜こころで感じる、あるく民俗学〜」や講座を、女性限定・少人数で開催。トキノキオク舎代表。

最近の記事

【映画】「八犬伝」から江戸時代のクリエイターを想う。

久々に、映画を見ました。 「八犬伝」。 著者の滝沢馬琴の創作に対する苦悩と想い。 並行して繰り広げられる八犬伝のファンタジーな世界。 江戸時代に、28年もの年月をかけて編まれたファンタジー作品が、150年以上も語り続けられていること。単純にすごい。 本作品は、そんな「八犬伝」の壮大な物語も描かれていますが、 作者の滝沢馬琴にも焦点が当てられいて……。 スランプになったり、プライベートでいろんなことが起きたり。 江戸時代のクリエイターも、意外と同じようなことで悩んで

    • 【民俗】「埼玉民俗の会」にて、トキノキオク旅について発表するの巻。

      2024年9月8日(日)。 まだまだ暑い中、埼玉県立歴史と民俗の博物館にて、 私が行っている、サクッとまちあるきツアー「トキノキオク旅」について、ご紹介させていただく機会を得ました。 トキノキオク旅は、 私が数年前から実施している、ガイドブックには載っていないディープな箇所を、 民俗学的視点で紹介していくマニアックツアーです。 発表のタイトルは、 「地域への愛着を育む「トキノキオク旅」〜民俗的資源を活用した五感で感じるまちあるき実践事例〜」 ちょっと固いですが、

      • 【民俗行事】どでかい龍をわっしょい!「脚折雨乞」。

        4年に1回、オリンピックの年に埼玉県鶴ヶ島市で開催される伝統行事「脚折雨乞」(すねおりあまごい)。 長さ36メートル、約3トンもある藁で作られた、どでか「龍蛇」(りゅうだ)を300人で担ぎ、白髭神社から雷電池(かんだちがいけ)まで、わっしょいわっしょいと運びます。 最後は、池にジャブーン。 「雨降れたんじゃく、ここに懸かれ黒雲」と必死に叫び雨乞を行い、 「ぬぉー!!!」と解体されて、龍の魂は天に昇っていくという。 伝承も、とてもいい! ですが、この行事。 担い手農家の

        • 村を守る結界「フセギ」。

          7月も中旬になりましたね。 私の大好きなフセギ※たちも、ぼちぼち作成シーズン終了です。 ※フセギとは? 村に疫病などの悪いものが入ってこないように、村境に立てる結界のようなものです。藁や竹で作成し、おおよそ年に1回立てます。 今日、7月上旬に作成された、東松山市のピカピカのフセギを撮影してきました! サイコー!!! キレイすぎる!!!! 同じ集落の別の場所では… 板碑(「いたび」供養塔です)とセット! もう、ワクワクが止まらない。 ちなみに、こちらの板碑とセット

          箭弓稲荷神社参道にできた茶屋「箭弓の森」さん。入口に蘇民将来の木札あり。

          東松山市にある神社「箭弓稲荷神社」。 なんと創建712年!1300年の歴史があります。 今回、その参道に新しいお茶屋さんができたというので行ってみました。 その名も「箭弓の森」。 市内にある老舗和菓子屋さんが出店されています。 「茶屋」!って感じでおしゃれー! と、私は見つけたんですよ。 お店の入口上に「蘇民将来」の木札があるのを!! はてさて、「蘇民将来」(そみんしょうらい)とは? こんな昔話があります。 ①昔、牛頭天王(ごずてんのう)という人がお嫁さんを探し

          箭弓稲荷神社参道にできた茶屋「箭弓の森」さん。入口に蘇民将来の木札あり。

          【博物館】ドキドキ!季節展示「巡り・廻りの民俗行事」(埼玉県立歴史と民俗の博物館)

          埼玉県立歴史と民俗の博物館の「民俗展示室」については、この前ブログで書かせて頂きました。 【博物館】民俗展示にワクワク。「埼玉県立歴史と民俗の博物館」 実は、季節展示も目的のひとつ。 季節展示 「巡り・廻りの民俗行事」 もう、タイトルだけでドキドキワクワクしませんか!? 展示の説明に、こうあります。 展示では 大数珠を伴う民俗行事 廻り地蔵 大般若経の村廻り 獅子廻し など、県内の巡る!廻る!民俗行事が展示されていました。 神仏に祈るのは、神社やお寺に

          【博物館】ドキドキ!季節展示「巡り・廻りの民俗行事」(埼玉県立歴史と民俗の博物館)

          【博物館】民俗展示にワクワク。「埼玉県立歴史と民俗の博物館」

          もちろん博物館、好きです。 県内で民俗系の展示が充実しているといえば、さいたま市の大宮公園内にある「埼玉県立歴史と民俗の博物館」。 埼玉県の歴史展示のほか、しっかりと民俗展示室があるのがサイコー。 久々に家族で行ってきました。 **************** 民俗展示室の前には、たくさんの実物大「板碑」(いたび。供養塔)が! 民俗展示室に入る前から、もうご馳走様です。 いざ! 県内の生活文化や民俗行事など、埼玉にも受け継がれてきたたくさんの「伝統」や「風習」

          【博物館】民俗展示にワクワク。「埼玉県立歴史と民俗の博物館」

          【本】中学生、人間関係、そしてファンタジー『かがみの孤城』

          どうらやファンタジー小説が好きらしい。 小さい頃から。 最近は、自己啓発本やビジネス本ばかり読んでいたけれど、 今年は、自分のためにも「もっと小説を読む!」と年始に友達に宣言してしまいました。 言ったからには読まなくてはと。 ずっと気になっていた辻村 深月『かがみの孤城』を読み始めるのでした。 久々なので、波に乗るまで少々時間がかかりましたが… 波乗りしてからは、一気読み。 登場する中学生たちの感情が、丁寧に細かく、ちょっとリアルに描かれていて、 皆もあった

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          【映画】日常は、小さな出来事と感情で流れている。「PERFECT DAYS」

          子育てとお仕事の合間をぬって、久々に映画鑑賞。 今回は、役所広司さん主演の「PERFECT DAYS」を観てきました。 映画館で観てよかった。 大きな山や谷はないストーリーだけど、 日常生活の中には、実はいろんな「出来事」があって、 そこには、小さな「感情の変化」も存在する。 幸せ、悲しみ、怒り、ほっこり、じんわり。 私たちの日常も、毎日なんとなく、慌ただしく過ぎていくけれど(特に子育て中は)、 丁寧に、客観的に、意識的に見ていくと、 いろんな出来事と感情が湧き

          【映画】日常は、小さな出来事と感情で流れている。「PERFECT DAYS」

          【トキ旅特別編4】アイヌ文様の水筒

          博物館好きの私が、展示と共に楽しみにしているのが、 ミュージアムショップ。 展示を堪能したあと、忽然と現れるのが、 いろんな関連グッズを売っている博物館のお店です。 最近は、おしゃれなミュージアムショップやグッズも多く、ミュージアムグッズの本まで出版されているほど。 事前に、ホームページでどんなものが売っているのかチェックして、いざ! 今回は、絶対に手ぬぐい(手ぬぐい好き)と水筒を買っていくるんだ!とルンルン気分で行ってきました。 手ぬぐい、あった!あった!めっち

          【トキ旅特別編4】アイヌ文様の水筒

          【トキ旅特別編3】アイヌの「イナウ」と埼玉の「ケズリバナ」

          民族共生象徴空間ウポポイ内にある「国立アイヌ民族博物館」。 どかーんと、どでかい建物の中には、 伝統的な衣装や祭具、アイヌに関する様々なものが展示されています。 その中でも、私が特に注目していたのが、 アイヌの生活の中で、様々なシーンで登場する「イナウ」です。 見てください!この美しいお姿を! カムイ(神)や先祖の霊と人間を、仲介するものです。 ここで私が注目するのは、我がフィールド埼玉県比企郡にある「ケズリバナ」。 「え…めっちゃ似てる!!」 ケズリバナは、小

          【トキ旅特別編3】アイヌの「イナウ」と埼玉の「ケズリバナ」

          【トキ旅特別編2】「ウポポイ 民族共生象徴空間」でアイヌを感じる

          1人、ドキドキしながら飛行機に乗り、新千歳空港へ到着。 そこから、列車で1時間ちょい。 私は、いよいよ憧れの博物館「ウポポイ 民族共生象徴空間」へたどり着いたのでした。 「うっわ、ひっろー!!」 ちょっとしたテーマパークみたい。 敷地内には、博物館のほか、芸能などを披露するホール、アイヌ伝統的な古民家などがあり、 まさにアイヌを感じる「空間」。 レストランやショップ、観光案内所もあり、これは半日で足りるのかしら…。 入場するとすぐに「ホールで伝統芸能がすぐ始まりま

          【トキ旅特別編2】「ウポポイ 民族共生象徴空間」でアイヌを感じる

          【トキ旅特別編1】「アイヌを感じる旅」プロローグ

          「テーマ型のトキノキオク旅をしよう」 そう思って真っ先に思い浮かんだのが、アイヌの旅でした。 なんとなく気になっていた「アイヌ」。 ガッツリは勉強してなかったけど、なぜか気になる存在。 不思議な何かに惹かれるように、 私は、北海道にあるアイヌの博物館「ウポポイ 民族共生象徴空間」行きを決めていました。 3年前にオープンした国立のアイヌ民族博物館ウポポイ。 博物館好きとして、是非とも行ってみたい場所。 ウポポイ 民族共生象徴空間 あぁ、でも、夫には、育児家事の負担がド

          【トキ旅特別編1】「アイヌを感じる旅」プロローグ

          【民俗】NEWミソカッパライ。

          交差点や電柱に下に、小さな小さな御幣を見たことありませんか? それ、「ミソカッパライ」です。 大晦日に、家の中や家族を、その小さな御幣でお祓いし、 家の前や近くの交差点(辻)にグサッとさします。 御幣に、1年間のケガレをのせ、家の外にサヨナラする風習です。 今日は、1月11日だから、そこらじゅうにピカピカのミソカッパライが立っているわけです。 もう、お出かけするたびに、チラチラ。 子どもと競って、見つけています。 (子どもが、付き合わされているだけ) 微妙に地域

          【民俗】NEWミソカッパライ。