スターになる時。
昨日の誕生日は、久しぶりに一人カラオケに行った。自分へのプレゼントのつもりで。
カラオケは昔から得意だった。でもいつのまにか、時代の流れか、皆で行く機会がなくなった。
自分の得意なことを披露する機会がない。
歌上手いね!、と褒められる機会がない。
それは、ちょっとだけ、自己肯定感に影響を与えた気がしている。
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1990年代はものすごく流行っていましたよね。
ちょうど私が中高生だった頃です。
人生のなかで最も頻繁に、週に何度もカラオケに行き、当時のヒットチャートを席巻していた小室ファミリーや浜崎あゆみの曲を歌いまくっていた。
おかげで、なんとなくビブラートも上手く出来るようになり、一緒にカラオケに行った人には必ず褒められるようになった。
当時は「私って歌上手いな〜♪」と、内心自画自賛しており、
いつか、カラオケルームから漏れる私の歌声を聞いた音楽プロデューサーとかにスカウトされるんじゃないかと、謎のシンデレラストーリーを妄想をするほど自信があり、カラオケのおかげで、自己肯定感が高められていた。
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このような人、周りにいませんでしたか?
カラオケに行くと、スターになる人。
普段は冴えなく、あまり注目されない人が、しれーっと曲を予約し順番がくるのを静かに待っている。
次の曲 “粉雪”
「えっ?だれ?だれが歌うの?」
ざわざわするカラオケルーム。
すると、満を持して、その人がマイクを握る。
意外なその人が予約したのだと分かると、かなり盛り上がる。だって“粉雪”だもの。
そして、その人が異様に上手かったりする。笑
歌い出しからもう、みんなの心を鷲掴み。
その人は、その時、スターになる!
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カラオケで輝いていた人たちは、今どうしているのだろう。
カラオケによって支えられていた部分の自己肯定感は、いまは何に置き換えられているのだろうか。
マイクを置いた山口百恵の映像が、頭にうかぶ。
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久しぶりのカラオケ、
やっぱり、少し下手になっていた。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。それでは、また。