中学生の歌声を浴びる
やってきました芸術の秋
8−9月は合唱活動のほとんどが失われましたが、10月に入り感染状況が落ち着いてきたこともあり、合唱団が一斉に動き始めました。私のご一緒する合唱団も約8割が再開し、7月と同じくらいまでには戻りました。「芸術の秋」の慌ただしさと充実ぶりは本来はこんなものではないのですが、少しだけ秋を実感できる最近が嬉しいです。
中学生と合唱を楽しむ
10月下旬、様々なカタチで中学生とご一緒する機会をたくさん頂きました。記録も兼ねてまとめます。
「歌声の響き渡る学校」
2021年10月22日。
大隅半島は錦江町立田代中学校にて、芸術家派遣プロジェクト「歌声の響き渡る学校」を実施しました。小さな町の全校生徒40名ほどの小さな中学校、全員で40名なのでクラス合唱ではなくいつも「全校合唱」。日常的に歌声を大切にする伝統・習慣があり、まさに「歌声の響き渡る学校」。毎年4回ほどお伺いしながら合唱を深めています。ありがたいことに今年で6年目。鴨池ー垂水フェリーに揺られ、錦江湾の向こうに桜島と開聞岳眺めながら気持ちよく南下、今年もご一緒できることをとても嬉しく思いながら、楽しくレッスンさせて頂きました。
今年は人気の混声3部曲「大切なもの」(山崎朋子作詞・作曲)を題材にレッスンすることになりました。
1年生こそ初めましてですが、2−3年生とは旧知の仲(?)。とてもスムーズにレッスンは進んでゆきました。この日特に感激したのは、最初と最後の通し演奏以外の時間を「アカペラで」過ごしたこと。何度も書きますが、彼らは合唱部ではなく、小さな町の中学校の全校生徒。部活はたしか野球部とバレー部のみ。そんなみんなで、アカペラでの練習に当たり前のようについてくるのです。こんなこと初めて。彼らの持つ能力の高さとひたむきな姿勢には本当に驚かされます。全校合唱とは思えない進んだレッスンで、初回からステキな歌声が響き渡ったのでした。次回からは1−2年生だけ(3年生は受験等で引退)ということなのでまたサウンドが大きく変わるでしょうが、3年生の姿を見続けてきた後輩たちです、きっと高らかな歌声と伝統を引き継ぎ歌ってくれることでしょう。次回は11月!とても楽しみです。
合唱コンクール審査員を務めました
2021年10月29日
鹿児島市立桜丘中学校の音楽発表会(合唱コンクール)の審査員を務めました。
コロナ禍でなかなか満足に練習ができず、今月になってから急ピッチで練習に取り組んで本番を迎えたそうですが、子どもたちの集中力がなせる技でしょうか、皆さん素敵な歌声を聴かせてくださいました。
私の恩師と校長先生の繋がりからご紹介いただいた機会。明るく朗らかな校長先生は、審査結果の集計をしている間に音楽科の先生とのピアノ連弾を披露!なんというサービス精神。渾身の演奏を終えた生徒たちは、先生方の演奏をとても嬉しそうに聴いていました。音楽を楽しむ、ステキな校風を感じました。
演奏は拮抗し、やはり審査はとても難しいものでしたが、なんとか務めを果たしたつもりでいます。桜丘中学校の皆さん、素晴らしい演奏をありがとうございました!
新体制の母校合唱部
桜丘中学校の隣町にある、谷山北中学校。こちらの合唱部の外部講師を務めて4年目。母校で、私が合唱を始めたその音楽室で後輩たちのお手伝いができることはこの上ない喜びです。
今夏は念願の九州大会出場を果たした彼女たち。3年生が引退し新体制となった合唱部に、久しぶりにお伺いしました。
意欲の高い彼女たちとの時間は、本当に楽しいものです。最近新入部員もあったということで、今回は基礎的なレッスンから。ハンドサインを用いたハーモニー作りやアカペラカノンで楽しみながら、声と耳を十分に使ってもらいました。カノンが楽しかったようで、休憩時間になってもカノンで遊んでいた様が微笑ましく、うれしかったです。倍音を初めて聴いた子は、目と耳をまるく開いて喜んでいたようでした。
後半は、12月の県アンサンブルコンテストで歌う信長貴富編「通りゃんせ」にトライ。懸命に音とリズムを身体に取り入れ、細かい表現にもチャレンジしはじめているようでしたが、もう少し曲のことを知って欲しいと感じたので原曲の持っている旋法などの性格、歌いながらする「遊び」のこと、そして信長さんのアレンジの特徴をお話ししながら、歌声を重ねていきました。本番まではまだ時間もあるし、きっと面白い演奏ができるようになるでしょう。懸命に歌うことはもちろん大事ですが、わらべ歌であることは忘れずに、煮詰まったらみんなで歌いながら遊ぶくらいの余裕を持って楽しんで欲しいなと思います。また来月、今度は「アンサンブル」の深みに迫るアプローチができればいいなと今から楽しみにしています。
中学生の歌声を浴びる
全校合唱、クラス合唱、合唱部の合唱、いろんな形で中学生の合唱に向き合ったこの10月。やっぱり中学生の合唱はイイ。大好きです。おじさんは油断するとすぐ泣きそうになります。この世代にだからこそ歌える歌があります。
まだまだコロナの心配がつきまといますが、子どもたちがマスクを外して高らかに思う存分に歌える日々が再び訪れますように。おじさんは喜んで何でもお手伝いします。お役に立てることがありましたら、何でもお誘いくださいね。
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