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ものを買う理由
先日、家族4人で買い物に出かけたときの話。
夫が画材屋にペンを買いに行くというので、ベビーカーに乗る0歳娘と夫と別れ、わたしは4歳娘と近くのキャラクターショップへ行くことにした。
わたしとしては見るだけのつもりだったけど、娘にとってはもちろんそうではなかったようで。
「今日は買わないよ、見るだけね。」
というと娘はあからさまに悲しそうな顔をする。
「どうしても欲しいものがあったら、父ちゃんに聞いてみよう。父ちゃんがいいよって言ったらひとつだけ買ってもらおうね。」
こういうときわたしは全責任を負うのが重すぎて、つい「父ちゃん」の単語を出してしまう。買う決断も、今日はダメと言って娘を悲しい顔にさせる決断も、ひとりではできない。
こうしてキャラクターショップ大冒険が始まった。
娘が好きなキャラクターはもちろん、初めて見るキャラのグッズもたくさんあった。どちらかというとおとなしめな娘も「あ!あれ見て!」と大きな声を出すほどに興奮気味で、わたしも楽しかった。
しばらく見ていると、買うものが決まったらしい夫がこちらへやってきた。
「ちょっと迷ってるから一緒に見てほしい」と。
娘に「このお店を出てみんなで絵具屋さん行こうか」と言うと、分かりやすく悲しそうな顔をする。
何かしら買ってあげないと今日は終わらないと判断し、4人でキャラクターショップを周り、買うものを選ぶことにした。
最初に娘が欲しいと言ったのは、シルバニアの大きな遊園地のおもちゃ。誕生日やクリスマスなどの行事に買うレベルに大きく、お値段も高い。
こういうとき、「今日は買えない」と伝えるのが難しい。
「こういう大きいのはお誕生日に買うんだよ」「毎月買うって言ってた本が買えなくなるくらい値段が高いから、今日は小さくて安いのにしよう。」
どんなことを言っても納得するわけもなく、でも出かけるたびに毎回大きなおもちゃを買うわけにもいかず。
1,000円と予算を決めてさらに店内の物色を続ける。
さっき話した「小さいもの」というワードに反応し、納得していない顔で欲しくもないスタンプを選んだ娘。
欲しくないものを買うのは、誰にとってもよくない。
そこで覚悟を決めて1,000円で娘の本当に欲しいものを探すことにした。
その時点で17時を過ぎていたから、その後のご飯やお風呂のことを考えると帰りたい気持ちもあったけど、それよりも全員が納得して帰ることを優先したかったから。
買い物をしていると、つい「使えるものにして欲しい」と思ってしまう。
姉がかわいいクリアファイルやノートを集めているときも「それ何に使うの?」と聞いてしまったくらいに、わたしには収集癖のようなものが全くなく、基本使うものしか買わない。
だから娘との買い物でも「保育園で使えるようなコップやタオルを買ってくれたらな」と思ってしまう。
隣で買い物をしていた親子のお母さんも「使えるものにしなさい」と言っていた。
言いたくなる気持ちはものすごく分かる。分かるけど、実際に言ってる人を見て自分は言わないようにしようと決めた。
買う理由は「かわいい」それだけでじゅうぶんだと思うから。
みんな歩き回って疲れ果て、ようやく最後に娘が選んだものは「miffy room(ミッフィーちゃんのミニチュアフィギュア)」だった。
"miffy room"は食べ物や家具など、8種類のうちどれか一つが入っているというもの。価格は約1,000円。娘は帰宅中もずっと嬉しそうで、早く開けたそうにしていた。
ものすごく疲れたしご飯も遅くなったけど、時間をかけて家族みんなが満足いく買い物ができて笑顔で帰れたのが一番嬉しかった。
欲しいものを毎回買ってあげることはできないし、説明するのも難しい。でも、迷うたびに話し合って考えてみんなが納得いく方法を探す、この時間は大切にしたいなと思う。